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NINTENDO64に堂々とついていた「謎の端子」 使うには「勇気」が必要だった?

マグミクス / 2024年3月21日 6時10分

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■『ドンキーコング64』を遊ぶために必須だった「メモリー拡張パック」

 1999年の冬。筆者は毎日遊んでいたゲームハード「NINTENDO64」(以下、64)を前にし、ある迷いを抱えていました。と言うのも、それまで大切に扱ってきた64本体に、自己責任で手を加えなければならなかったからです。

 任天堂が開発し、一世を風靡したゲームハード「スーパーファミコン」を受け継ぐ形で、64は1996年6月23日に発売されました。1990年代には、セガサターンやPlayStationなど、さまざまなメーカーから家庭用ゲーム機が登場し競い合っていた時代です。64はそのなかでライバルハードよりも高いスペックで、『スーパーマリオ64』や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』など、3Dアクションゲームを筆頭に数々の名作を送り出しました。

 冒頭でお伝えしたのは、64本体上面にあった「拡張コネクタ」にまつわるエピソードです。1999年12月10日に任天堂が発売した3Dアクションゲーム『ドンキーコング64』。同作品をプレイするためには、周辺機器「メモリー拡張パック」(別名:ハイレゾパック)を64本体に取り付ける必要がありました。

 メモリー拡張パックを装着すると、64の性能をアップデートすることができました。具体的にはメモリ容量が36メガビット増えることで、画面解像度やテクスチャの品質が向上したのです。

『ドンキーコング64』以前にもメモリー拡張パック対応ソフトは発売されていましたが、あくまでも周辺機器の一部であり、無くてもソフトの起動には差し支えありませんでした。しかし『ドンキーコング64』に関しては話が別です。ゲームを起動するためにはメモリー拡張パックが必須で、装着していない状態で電源を入れても画面が全く映りませんでした。

 当時の筆者はクリスマスプレゼントに『ドンキーコング64』をもらい、意気揚々とカセットを差し込んで電源を入れたものの、案の定プレイすることができませんでした。そこで初めて、「64本体にメモリー拡張パックを差し込まないといけない」という事実を知ったのです。

■「はがさないでください」の警告シールに動揺?

NINTENDO64のメモリ容量を拡大できる「メモリー拡張パック」

 メモリー拡張パックを使う手順は、「64本体の接続端子カバーを取り外す」→「内部のターミネータパックを取り外す」→「接続端子にメモリー拡張パックを差し込む」というものです。大人になった今ならどうということはない作業ですが、当時10歳に満たなかった筆者にとっては少しばかりの抵抗がありました。

 というのも、64本体の端子カバーを外すと、「はがさないでください」と書かれた赤い警告シールが目に入ってくるのです。子供ながらに「本当に開けて大丈夫だったのか?」と警戒心を抱いたものです。

 メーカーの任天堂も心配になるユーザーを見越していたのか、『ドンキーコング64』の販促CMには、「警告シールは気にせずメモリー拡張パックを取り付けてほしい」というメッセージが込められていました。その映像には、筆者と同じように64本体を前にして戸惑っていた少年たちが一歩を踏み出し、自分たちでパックを交換していたのです。

 CMに勇気をもらってメモリー拡張パックを差し込むことができた……というのは出来すぎた話ですが、ほどなくして筆者も無事『ドンキーコング64』の起動に成功しました。少しばかりの勇気をもって一歩を踏み出せた経験と、ゲームを楽しんだ思い出が、24年あまり経った今もなお脳裏に焼き付いています。

■「64」はユニークな周辺機器の宝庫だった?

 64の周辺機器には、ほかにもユニークな製品がありました。その代表例が、本体ではなくコントローラーに装着する「振動パック」と「64GBパック」です。

 振動パックは、『スターフォックス64』発売時に登場しました。単4アルカリ乾電池2本で動作し、「ゲーム内のシチュエーションに合わせてコントローラーが震える」という、世界初のフォースフィードバック機能でユーザーを驚かせました。今でこそ当たり前となったコントローラーの振動機能を広く普及させた周辺機器です。

 64GBパックの方は、振動パックから約1年後に登場しました。専用スロットにゲームボーイ(以下、GB)用ソフトを差し込み、GBパックに対応した64用ソフトとスロット内のGB用ソフト間でデータのやり取りが楽しめました。

「GB版で育てたキャラクターを64のゲーム作品で使う」といった用途がメインですが、「ポケモンスタジアム」シリーズではGB版の「ポケットモンスター」作品をゲーム内で立ち上げることができました。イメージとしては、スーパーファミコンでGB用ソフトをプレイする周辺機器「スーパーゲームボーイ」に近かったと言えるでしょう。

 64は今年2024年で発売から28周年を迎えますが、現在でもNintendo Switch向けに64の名作ゲームが配信されています。今回紹介した64の「メモリー拡張パック」が必須なゲームは、『ドンキーコング64』のほかに『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』と『パーフェクトダーク』がありましたが、2024年3月現在は『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』のみ遊ぶことができます。

(龍田優貴)

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