「不適切表現」に驚愕する昭和アニメ3選 「今ならピー音」「さすがにカット」
マグミクス / 2024年3月22日 17時5分
■今だったら「即アウト」になる言葉やキャラ設定
昨今は「コンプライアンス」が厳しい時代になり、もちろんアニメ作品も例外ではありません。その点を踏まえて昭和に放送されていたアニメを思い返すと、「今では放送できないだろうな」と感じるシーンが数多く登場していました。今回は、現代の価値観で見た時に「絶対NGな描写がされていたアニメ」を振り返ります。
●『あしたのジョー』
ボクシングマンガの金字塔である『あしたのジョー』(原作:高森朝雄、作画:ちばてつや)のアニメ版は、1970年から1971年(昭和45年~46年)にかけて放送されました。
同作は主人公の「矢吹丈」とトレーナーである「丹下段平」のふたりで、ボクシングの道を極めていく物語です。登場キャラに荒くれものが多いことが影響してか、いわゆる「放送禁止用語」が幾度となく登場しています。
例えば12話「燃える太陽に叫べ」では、丈のライバルである「力石徹」が丈に対して「脳みそが足りない」という意味の言葉を発していたり、46話「死を賭けた男」に登場した新聞記者が力石所属のジムを「気が狂っている」という意味の用語で表現していたりなど、現代なら間違いなく自主規制音で消されるようなワードが飛び出します。
言葉だけではなく、「子供に悪影響」であると確信してしまう描写もあります。それは70話「気になるあいつ」に登場した子供たちの様子で、その問題となる少年、少女たちが平然とタバコを吸っているのです。
当時は見逃された描写かもしれないですが、現代の視点で見れば、子供の喫煙シーンのオンエアは完全にアウトです。いくら昭和の時代だったとしても、今も昔もタバコは20歳になってからで、アニメ放送が許されても喫煙は許されてはいません。
●『じゃりン子チエ』
現代での放送が難しい作品といえばアニメ『じゃりン子チエ』も外せないでしょう。はるき悦巳先生による原作は1978年から連載された作品で、1981年から2期にわたってアニメ化もされました。
同作は大阪の下町を舞台に、主人公で女子小学生の「竹本チエ」を巡る日常が描かれ、たびたび会話のなかで「汚い言葉」が発せられます。
しかし、言葉以上に危ない設定もあります。例えばチエは小学生なのにもかかわらず、父「テツ」の店であるホルモン焼き屋で酒や串焼きの提供、売上の勘定などをひとりで切り盛りしています。これはテツが仕事もせず、近場の違法賭博で博打をやってばかりなので、仕方なくチエが頑張っているのです。チエの母であるヨシ江は、物語序盤ではテツに「出ていけ」と怒鳴られ、家を出てしまっています。
「小学生の娘がギャンブル漬けの父に代わり、ひとりで店を切り盛りする」という設定に加え、テツはすぐに他人に暴力をふるうという性格で、登場人物たちの言動は「アウト」のオンパレードです。1期の7話「テツの最も恐れる日」ではテツの担任だった「花井先生」がチエの家にやってきて、チエにお酒を勧めます。そして、チエは「結構おいしいわ」といって飲酒するのです。
見方によってはチエの家庭環境が悪く、「虐待」と受け取られるかもしれません。ですが、チエはテツよりも断然にたくましいので、不思議と悲壮感はありません。「かわいそう」と感じる場面はほとんどなく、逆にそれが恐ろしい面でもあります。
ちなみに2話の授業参観を描いた回では、算数の問題を答える生徒のなかに、鳥山明先生の代表作『Dr.スランプ』の則巻アラレに似たキャラ「コブマキさん」がパロディとして登場しています。許可を取っているか定かではないですが、現代では実現が難しい描写でしょう。
■さすがに「昭和アニメ」でもカットされたセクシー描写とは?
TVアニメ版を90分にまとめたダイジェスト版『めぞん一刻 移りゆく季節の中で』(1988)ビジュアル (C)高橋留美子/小学館
●『めぞん一刻』
高橋留美子先生が手がけたマンガ『めぞん一刻』のアニメ版も、昭和(1986年~1988年)に放送されていた作品です。
同作は大正時代に建てられたボロアパート「一刻館」の管理人である「音無響子」とアパートの住人「五代裕作」、さらに、ほかのクセのある住人との日常を描いたラブコメ作品です。原作は青年マンガ誌「ビッグコミックスピリッツ」で連載されていたこともあり、性的な描写もチラホラ登場していました。
最もインパクトが残った場面といえば、響子と裕作がラブホテルに行ったのちに展開されるベッドシーンです。このシーンは、さすがにアニメ版では描かれませんでした。
ですが、一刻館の住人である「六本木朱美」のセクシーな姿は描かれています。体が透けて見えるほどスケスケなネグリジェを着た状態で、下着を着けていない胸の部分はあらわになっているという過激さです。ほかにも、プールで上半身を露出した響子の姿が描かれるなど、いわゆる「サービスショット」が登場するのも同作の特徴といえるでしょう。
また、平成初期の作品になるものの、同じく高橋先生による『らんま1/2』のアニメ版も、水がかかって女性になってしまう主人公「早乙女乱馬」のあらわになった胸が何度も描かれています。
上述した3作品を振り返っただけでも、令和に比べて昭和や平成の途中までは、「表現」に関する規制が緩かったことが想像されます。いずれの作品も動画配信サービスで視聴できるので、「令和では味わえない描写」を見てみたい人は、チェックしてみてはいかがでしょうか。
(LUIS FIELD)
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