発売中止になったファミコンのRPG3選 世に出回れば名作になっていた?
マグミクス / 2024年4月12日 21時25分
■唯一無二を意識しすぎた結果、発売中止に?
ゲームの人気ジャンルであるRPGは、令和になったいまでも多くのプレイヤーを熱中させるコンテンツです。それは「ファミリーコンピュータ」の時代でも同様でした。世代によって、思い入れがあるRPGは違うでしょう。そういった人気ソフトの影では、開発途中の段階で、やむを得ない事情で発売を中止されたタイトルが数多く存在します。今回は、発売中止になったファミコンRPGを3作、振り返ります。
●『ダンジョン放浪記』
RPGでは、プレイするたびにマップやダンジョンが作られる「ローグライク」を採用しているタイトルがあります。有名作でいえば「風来のシレン」「チョコボの不思議なダンジョン」「トルネコの大冒険」などのシリーズが挙げられます。いずれもスーパーファミコンやPlayStation時代の作品ですが、実は惜しくも発売中止になったファミコンソフト『ダンジョン放浪記』は、ローグライクの要素を取り込んでいました。
1989年2月にアスキーから発売予定だった同作は、「ゲームをするたびにダンジョンが作られていくという、まったく新しいタイプのRPG」「その種類は6万とおり以上」と説明されていました。
同作は、主人公が戦いに繰り出す経緯がユニークで、「軽い気持ちで宗教団体の入団テストを受けたら、地下深いダンジョンに落ちている『セフィロスの木』を取ってくるように命じられた」というものでした。「宗教の入団テストを受けた」という流れは、ほかのRPGにないユニークな設定で面白そうです。
同作はメディアの露出が多かっただけでなく、1988年公開の映画『妖女伝説’88』の作中にも登場しています。登場人物である天才プログラマーの「赤木慶太」が、『ダンジョン放浪記』の制作で苦悶する様子が描かれていました。
ここまで話題性があった作品なのにもかかわらず、結局、発売には至りませんでした。いまでも覚えている人が多いようで、ネット上には「ずっと楽しみにしてた」「発売されれば歴史が変わってただろうにな」「予約していたのに買えなかった……」などの声があがっています。
●『坂本龍馬』
RPGといえばファンタジー要素を取り入れたタイトルが多いなか、1988年8月に東芝EMIから発売予定だった『坂本龍馬』はその名の通り、坂本龍馬の人生をRPGにした作品でした。
当時のファミコン雑誌では「ヒストリーRPG」と紹介されました。しかし、作ゲーム中の様子はほとんど明かされることはなく、同誌には街中を散策しているワンカット、人キャラとの会話シーンのみが掲載されていました。また、広告に掲載されたプレイ画面には、「たたかう」や「もちもの」などのほかに、「おとこ(男)」という珍しいコマンドもありました。結局、具体的な使い道などは明かされることがないまま、発売中止となってしまいました。
●『ルーンマスター』
「ドラクエの生みの親」として知られている堀井雄二さんは、ゲーム業界のレジェンドとして有名ですが、実は過去に彼が監修として関わったファミコンRPGが発売中止になったことがあります。『ルーンマスター』というタイトルで、バンダイ初のオリジナルRPGとして1991年に発売予定でした。
ほかにも、脚本に「メタルマックスの生みの親」である宮岡寛さん、プロデューサーにファミコン界のカリスマとして有名な橋本名人こと橋本真司さんが抜てきされており、制作陣を見ただけで、同作にかける強い思いを感じられるでしょう。
同作のストーリーの舞台は中世の世界で、主人公は勇者でも戦士でもない貧しい平民の子供。そして、「みなしご」「貧乏」「妹が不治の病」などの事情を抱えた主人公は、重病のエルダーランドの王様を救うために、伝説のルーンを探す旅に出ます。
当時のRPGで主流だった「経験値」「大陸などのフィールド」という概念がないゲームだといいますが、結局発売には至らず、どんなシステムのRPGだったのか定かではありません。
豪華な制作陣に、いままでにないシステムのRPGという、これ以上ないヒット要素があったのにもかかわらず、発売中止になったのはもったいなく感じます。発売予定だった1991年は、すでにスペックとして上回るスーパーファミコンが登場していたので、『ルーンマスター』が発売されても、厳しい状況になっていたかもしれません。
(LUIS FIELD)
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