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「人類には早すぎた?」惜しくも発売中止、ファミコンのシミュレーションゲーム

マグミクス / 2024年4月14日 21時40分

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■設定は面白いけれど、ゲーム性が難しそう?

 1983年に「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)が発売されたことで、ゲームファンが一気に増加。それに伴い、数々の名作が世に輩出されました。ジャンルもアクションやRPGなど多岐にわたり、人によって好みのゲームもさまざまでしょう。なかでも、ファミコンの登場が人気のジャンルとして確立するきっかけになったのが「シミュレーションゲーム」(以下、SLG)ではないでしょうか。今回は、惜しくも発売が中止されてしまったファミコンのSLGを見ていきます。

 創造されたばかりの地球の神になるために、幻獣を育成していくSLG『幻獣創世記』は、1989年12月にニチブツから発売される予定でした。10分を超えるボリュームのプロモーションビデオができあがるほど、ほぼ完成した状態だったのにもかかわらず、発売まで至りませんでした。

 同作の冒頭では、神候補である「アース」「ザウロス」「ローゼス」が最高神「ラティウス」に呼び出され、地球の統治者を決めるために「生存競争で生き残る幻獣」を作るように命じられます。プレイヤーはアースを操作しながら、ほかのふたりが創造する幻獣よりも強い幻獣の育成をするのが目的です。

 ゲーム進行のメインのひとつは幻獣の創造と育成で、プレイヤーの選択による能力の配分によって幼獣を作り出せます。ちなみに、容量が少ないファミコンソフトにもかかわらず、幼獣は2万7000種類も用意されていたそうです。

 しかし、ゲーム性が複雑で、プレイヤーのメニュー画面には「攻撃」「成長」「創造」「回復」「地形」「チーム」といった選択肢や、「神通力」というパラメーター、さらに戦闘時のマップ操作など、項目の多さや操作性の分かりにくさが目立つ印象です。操作性が複雑すぎるSLGは、ファミコンの時代には、プレイヤーがとっつきづらかったのかもしれません。

 とはいってもいまだに発売中止を悔やむ人は少なくないようで、ネット上には「ほぼ完成してるなら、いまからでも発売してほしい」「最新ゲーム機でリメイクされないかな」など、世に出ることを望む人の声があがっていました。

 ほかに、発売中止となったSLGに『神界』があります。設定を聞く限り、特に「面白そう」と感じさせてくれるタイトルです。

 1989年に東映動画から発売予定だった同作は、SLGにアクションの要素も足したゲームで、ストーリーは生前と死後の2部構成になっています。キャッチコピーは、「あなたの『前世』『現世』そして『来世』をも体験出来る全く新しいジャンルのゲームです」「主人公は『あなた自身』! あなたの『業』がゲームの行方を決定する!」でした。

 目的は、現世で徳を積んで死後に天界に行くことです。悪さをしてしまうと地獄行きになり、「地獄モード」で展開されるアクションステージをクリアしないと、抜け出すことができません。もしくはエンマ様に提示された金額を払えば、楽に通過できる仕組みでしたできます。

 現世はコマンド選択方式のシミュレーション、地獄はアクションという組み合わせになっており、その大きな世界観を表現するためか、「4MB」というファミコンにとって大容量であることをうたっています。発売中止の理由は明かされていませんが、ファミコンのカセットでこの大容量を実現するのは難しかったかもしれません。

 ほかにも、発売中止になったSLGには、『コンバット・ゾーン』という、特殊な経緯をたどったソフトがあります。兵器によって相手基地の破壊を目指す同作は、1991年3月にBPSから発売予定だった戦争SLGです。作中に登場する戦車や戦闘ヘリは、一度に最大6台まで操作できるのが特徴でした。

 前述した通り、『コンバット・ゾーン』は発売に至らなかったものの、後に、ヨネザワから『バトルストーム』というファミコンソフトが登場しました。これはBPSの『コンバット・ゾーン』が元になった作品で、タイトルと発売元を変えた形で世に出回ることになったのです。

 長い年月が経ってしまいましたが、何かのきっかけがあって、令和の時代に生まれ変わって登場することがあるかもしれません。発売されなかったファミコンソフトが、現代のハードで遊べる日を気長に待ちましょう。

(LUIS FIELD)

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