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ドラマ『ウォッチメン』が日本上陸。「リアル社会派アメコミ」の面白さはどこにある?

マグミクス / 2020年1月27日 19時10分

ドラマ『ウォッチメン』が日本上陸。「リアル社会派アメコミ」の面白さはどこにある?

■現実世界に溶け込むヒーローたちを描く

 2019年10月にアメリカで放送開始したアメコミ原作ドラマ『ウォッチメン』は、初回にリアルタイム視聴が80万人を超え、ストリーミング配信を加えると150万人が視聴し注目を集めました。その『ウオッチメン』が日本で2020年1月31日(金)から「BS10スターチャンネル」で独占配信されます。

 バットマンシリーズで知られるDCコミックス原作の『ウォッチメン』は、1986年から1987年にかけて制作されたアメリカンコミックです。アメコミで最も権威のある漫画賞「アイズナー賞」を受賞し、2009年にはザック・スナイダー監督によって映画化もされています。『ウォッチメン』は現実の世界にリアルに溶け込むヒーローたちを描き、シリアスで社会派ともいえる作品として、他のアメコミ作品とは一線を画しています。

『ウォッチメン』の世界では米ソ冷戦の時代にヒーローが生まれており、実際にあった事件と寓話が絡み合いながら、社会風刺的な展開が進んでいきます。映画版は「米ソ冷戦」のワードで切り取り、「平和とは何か」を描いた作品であったのに対し、ドラマ版では「差別」をキーワードにストーリーが紡がれていきます。ドラマ版はヒーローたち「ウォッチメン」が活躍した“後”の世界を中心に描き、映画版よりも原作コミックに近い内容になっているといいます。

 ドラマ版の設定は、原作から34年を経た時代。第1話の内容は「白人至上主義」に傾倒する集団が、かつて活躍したヒーロー「ロールシャッハ」の威光を悪用し、弱者への暴力を正当化しているというもの。

 一見小難しい印象になるのも『ウォッチメン』の特徴で、世界観を丁寧になぞったり、実際の事件などの知識を持っていると、さらに面白く楽しめるというのもポイントです。俳優のロバート・レッドフォードがアメリカ大統領を30年ほど務めているという設定や、ベトナムが米国51番目の州となるなど、パラレルワールドともいうべきドラマ内の世界観は、リアルながらも独自の世界を堪能できます。

■ウォッチメンを注目作にした「ロールシャッハ」という異色ヒーロー

『WATCHMEN ウォッチメン Official Film Guide』(小学館集英社プロダクション)の表紙に描かれるロールシャッハ

『ウォッチメン』には幾人ものヒーローが登場しますが、「ヒーロー=人気者」という方程式は当てはまりません。必ずしも市民から慕われているわけではなく、覆面で素顔を隠したヒーローたちを半ば違法な自警団と見ている人も少なくはありません。ヒーローの活躍と違法行為の線引きが曖昧なため、見る人の倫理観を刺激する作品でもあるのです。

 なかでも、『ウォッチメン』を人気作品にした存在が、ヒーローとして登場する「ロールシャッハ」です。ヒーロー集団ウォッチメンのひとりで、スーツにトレンチコートにソフト帽、顔に名前の元にもなっているロールシャッハテストの模様を描く、白と黒が交わらないマスクを被っています。見た目は不気味な人物ですが、オリジナル版では主人公、語り手として活躍しています。

 実は、ロールシャッハはマスクを脱げば凡人以下。しかし一度マスクを被ると、最後まで悪党に容赦しない精神的な超人といわれており、尋問などでは平気で相手の指を折ります。無能力だが魅力的なこのキャラクタ―を気に入った歌手のデヴィッド・ボウイが、1980年代後半に映画化の話があった際に「ロールシャッハの役を演じることができないか」と原作者アラン・ムーアに直談判したことも。犯罪者からも警察からも嫌われ、市民からは狂人と見られても、自身の正義を貫き、「絶対に妥協しない男」という生きざまが、キャラクターとして支持を集めているようです。

「スーパーヒーローが無法者として扱われる」という設定のドラマ版「ウォッチメン」では、さまざまななキャラクターが登場し、癖のある世界観に彩りを与えています。シリアスな展開はドラマとしても高評価で、海外ドラマが好きな人も楽しめる作品になるでしょう。アメコミ名作のひとつ『ウォッチメン』をぜひ、この機会に体験してほしいと思います。

※ドラマ『ウォッチメン』は、2020年1月31日(⾦)23:00より、「BS10スターチャンネル」で放送開始。Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS」でも、2月1日(土)から配信されます。

(C)2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

(大野なおと)

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