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『ガンダム』偽物のジム、再利用されたザク… 連邦・ジオンを巡るMSが胸アツ

マグミクス / 2024年4月25日 6時25分

『ガンダム』偽物のジム、再利用されたザク… 連邦・ジオンを巡るMSが胸アツ

■ジオン軍による「偽ジム」に連邦軍のパイロット練習用に使われた「ザク」

 1979年に放送が始まった『機動戦士ガンダム』から現在まで続く「ガンダム」シリーズには、多種多様なモビルスーツ(以下、MS)が登場し、各シリーズで、さまざまなドラマが生まれました。機体の種類も豊富なため、思い入れのあるMSは人によって違うでしょう。

 なかには、「特殊なMS」も存在します。例えば、作戦のために敵軍の機体に似せて開発されたMS、敵軍の機体なのに自軍の運用のために活用されたMSなどです。

 敵軍の機体に似せて開発されたMSといえば、『MS IGLOO』本編をコミック化した『機動戦士ガンダムMS IGLOO 603』(作画:MEIMU、原作:矢立肇、富野由悠季)に登場する「ゲム・カモフ」を思い出した人は少なくないでしょう。

 ゲム・カモフはジオン軍によって開発された機体で、見た目は地球連邦軍の代表的なMSである「ジム」にそっくりです。「ザクII」をベースにしているため、「ジムに偽装したザク」「偽ジム」といわれています。ジムに偽装することで、相手に攻撃されることなく、接近して攻撃をしかけることが狙いでした。

 作中では第603技術試験隊に配属された「エンマ・ライヒ」がゲム・カモフを操縦し、実戦では見事に戦果を上げました。しかし、偽装の完成度が高かったために、味方兵に誤射されてライヒは戦死してしまいます。「敵軍のMSに似せる」という作戦は、戦時法上の問題がありそうですが、この作戦に至ったのは、それほどジオン軍が追い詰められていたという見方もできるでしょう。

 一方で、地球連邦軍もジオン軍の代表機であるザクIIを運用していた事例があります。OVA作品である『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』では、地球連邦軍がパイロットの評価試験や練習用に使うMSとして「ザクII F2型」を活用していたシーンが描かれています。そもそも同機はザクIIを改良した機体で、一年戦争後には地球連邦軍が接収して再利用していたのです。連邦軍仕様のザクII F2型は本来の緑色ではなく、ベージュに近い色合いをしていました。

■ジオン軍の代表MS「ザクII」が地球連邦軍の手によって進化?

「HGUC 1/144 RMS-106 ハイザック (機動戦士Zガンダム)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 また、地球連邦軍は、ザクIIをベースとしたMSを開発したことがあります。『機動戦士Zガンダム』でティターンズの主力機として活躍した「ハイザック」が、それに当たるでしょう。

 一年戦争後に地球連邦軍は従来機の改修と性能向上を目指し、そのなかで誕生したのが、旧ジオン公国軍のザクIIを設計のベースにしたハイザックだったのです。ティターンズ運用機の機体色はザクIIに似た緑色系で、地球連邦軍の運用機は青色系でした。かつてジオン軍の活躍を支えていたザクIIの後継機が、地球連邦軍によって開発されたのは皮肉のような話です。

 ちなみに、1999年から2000年にかけて放送されたTVアニメ『∀(ターンエー)ガンダム』には、ザクIIにそっくりな「ボルジャーノン」という機体が登場します。同作における人類は、旧時代のさまざまな遺物が埋められた「マウンテンサイクル」から兵器などを掘り起こして利用しています。作中で発掘された「ザクIIにそっくりな機体」は、掘り起こされた土地の領主の名前にあやかって「ボルジャーノン」と名付けられました。

 もちろん、ボルジャーノンはザクとは別物の機体として描かれていましたが、設定上はザクIIと同じ「MS-06」が与えられていました。時代が巡り、ザクがガンダムとともに戦う味方側の存在となったことは、ある種のロマンを感じさせます。

(LUIS FIELD)

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