『ガンダム』アムロはフィジカルオバケ! 身体能力のとんでもない高さ示す描写の数々
マグミクス / 2024年4月27日 6時25分
■アムロは意外にフィジカル派
アニメ『機動戦士ガンダム』の主人公「アムロ・レイ」は、初陣でモビルスーツ(MS)「ガンダム」をマニュアル片手に動かせるほどメカに詳しく、次々と襲い来るエースパイロットを退け、後にニュータイプに覚醒したキャラクター……といったところが、おおむね一般的な認識かと思われます。特に初期のアムロからは、どちらかといえばマニア気質のインドア派のような印象を受けるかもしれません。しかしその劇中において、実は身体能力もかなり高い描写が見られます。
アムロの身体能力が最も重要な役割を果たしたのは、最終回「脱出」でライバルの「シャア・アズナブル」と剣を交えたシーンでしょう。体を使う技はニュータイプでも鍛えなければいけません。そこに勝機を見出した職業軍人のシャアに対し、アムロはむしろ優勢に戦っています。
そもそもガンダム自体が戦闘兵器のため、鍛え上げた軍人の搭乗が前提条件のはずです。アムロが初めてガンダムに乗り込み、ジオン公国軍パイロット「ジーン」の操縦するMS「ザクII」を撃破した際には、宙を舞って「ビームサーベル」で胴部を叩き切りました。それなりにG(加速度)や着地時の衝撃を受けた状態で、即座に2機目となる、同じくジオン公国軍パイロット「デニム」が搭乗するザクIIのコクピットを貫いたことからも、戦闘センスの高さが見て取れます。内向的でメカいじりばかりしているといわれていたアムロですが、元々、何か対戦型スポーツの経験があるのかもしれません。
第16話「セイラ出撃」では、アムロおよびガンダムの母艦「ホワイトベース」のクルーである「セイラ・マス」が独断でガンダムに乗り込み、カタパルトから射出される際のGの凄さに苦しんで吐き気を催したような描写があります。このときセイラはパイロット用ノーマルスーツを着用していなかったため、余計に身体に負荷がかかった可能性はあるものの、単なるカタパルト射出の場合、アムロは「ううっ!」とうめき声を漏らす程度で極端に苦しんだ描写は見当たりません。
アムロがGに苦しんだシーンとなると、第7話「コア・ファイター脱出せよ」にて、ジオン軍の包囲網を突破し味方と連絡を取ろうとして小型戦闘機「コア・ファイター」を弾道軌道で射出した際に失神した例と、第31話「ザンジバル追撃!」で敵モビルアーマー「ビグロ」にガンダムの機体を引っ掛けられた際に、やはり失神した例があるのみで、いずれも極端なGのかかったケースです。男女の肉体の違いはあれど、やはりアムロの肉体は強いと思われます。
■着衣のまま荒れた海にて人命救助!
『逆襲のシャア』の頃のアラサーアムロはすっかり職業軍人。「GGG 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア アムロ・レイ」(メガハウス) (C)創通・サンライズ
また、後続の作品では、アムロのフィジカルの強さがより強調されるようなシーンも見られました。
TVアニメ『機動戦士Zガンダム』第18話「とらわれたミライ」では、地球連邦軍のベン・ウッダー大尉に人質としてとらわれたアムロが、MS戦の混乱に乗じて脱出を試みます。このシーンで見せた身体能力は恐るべきものがありました。
海上艦艇の甲板にて後ろ手に縛られたアムロは、ほかの軍人が戦闘で発生した波でバランスを崩す中、左後ろ蹴りでひとりを倒し、そのまま海へ飛び込みます。着衣の上に靴を履き、手が自由にならない状況で、さらに銃撃されるなかを泳いで逃げ切り、味方ボートにたどり着いたアムロは、即座に手を縛るロープを切ってもらい、水中へ投げ出された子供の救助に向かったのでした。このとき救助したのが、のちに映画『閃光のハサウェイ』で主人公を務める、子供時代の「ハサウェイ・ノア」です。
着衣と靴は水泳の天敵ともいえる存在です。水を吸った服は体に重くまとわりつき、靴は水を掻く力を大きく奪います。自分ひとりが助かるかもわからない状況下で海中のハサウェイを救い上げた身体能力は、もはやフィジカル面でもニュータイプといえるようなレベルでしょう。
劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でのアムロも、フィジカルの強さを見せつけています。
サイド1のコロニー「ロンデニオン」で休養していたアムロは、地球連邦政府との和平交渉を終えたシャアと遭遇しもみ合いとなります。このときアムロは組み伏せられながらも、いわゆる巴投げでシャアを3mから4mほど投げ飛ばしています。シャアがすぐ起き上がって反撃してきたことから見て、地球上と比べ重力が大きくない可能性もあるとはいえ、それでも尋常ではない距離です。軍人として鍛えていることもあるでしょうが、やはりアムロはフィジカル的にもかなり優れた能力を持っているのは間違いないでしょう。
(早川清一朗)
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