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声優のなかで最も「異世界転生」しているのは? 約100作からトップ5を調査

マグミクス / 2024年4月28日 20時10分

声優のなかで最も「異世界転生」しているのは? 約100作からトップ5を調査

■約100作を調査して選ばれた、最も異世界転している声優は?

 どのクールのTVアニメにおいても、いわゆる「異世界転生もの」、あるいは異世界ファンタジーが多数存在するのは、いまや当たり前といえるでしょう。小説投稿サイト「小説家になろう」発のいわゆる「なろう系」アニメだけでも2013年の『ログ・ホライズン』から10年以上の歴史があり、アニメの一大定番ジャンルとなっています。

 この春も『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』『この素晴らしい世界に祝福を!』『転生したらスライムだった件』といった人気シリーズの最新作を中心に、『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』や『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』などが話題となっています。

 そのような異世界ものを観ているときに、ふと「この声優さん、転生し過ぎじゃない?」と脳裏に浮かびました。例えば、最近では『聖女の魔力は万能です』にて、異世界転生して回復魔法を使っていた石川由依さんが、『外科医エリーゼ』では異世界→現代→異世界と転生しながら外科医として活躍、「ヒーラー的な役割まで被っている!」と感心したものです。そのような感じで複数の転生主人公を演じた声優さんが気になったので、「なろう系」をはじめとする小説原作中心に、異世界転生もの98作の主人公声優を調べてみました。

 なお今回の集計方法は以下のとおりです。

・転生だけでなく、召喚や転移、ゲーム世界に入り込む作品(いわゆる海外で「isekai」扱いされるようなもの全般)は転生扱い。
・「異世界と思わせて実は……」的なギミックがあるものも異世界扱い。
・転生を伴わない、最初から異世界が舞台の作品はカウントなし。
・転生後の主人公をメインで演じている声優さんは1pt。ただし幼少期など一部のみ演じている声優さんは0.5pt。主人公以外の存在は転生していてもポイントなし(例:『転スラ』のシズ)。
・シリーズの続編やスピンオフはポイントなし(例:『このすば』は続編やスピンオフがあるものの、カズマ役の福島潤さんは1pt)。

 今回は、この条件でポイント上位となった5人の声優さんをカウントダウンしていきます。

●5位:高橋李依さん(2.5pt)

 まずは『ナイツ&マジック』や『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』で主人公を演じた高橋李依さんです。高橋さんといえば「エミリア」(『Re:ゼロから始める異世界生活』)や「めぐみん」(『この素晴らしい世界に祝福を!』)といった、転生先で主人公が出会うヒロインのイメージが強いだけに、意外に感じる人もいるのではないでしょうか。

 ほかにも日野聡さんや村瀬歩さん、石川由依さん、ファイルーズあいさんなど2作品で主人公を務めている声優はいます。しかし高橋さんは『史上最強の大魔王、村人Aに転生する』で主人公アードの少年時代を演じてことによる0.5ptの加算で、一歩リードとなりました。

●2位:石川界人さん、小林裕介さん、松岡禎丞さん(3pt)

岩谷尚文役を石川界人さんが務めた『盾の勇者の成り上がり』Season2 新ビジュアル(C)2021 アネコユサギ/KADOKAWA/盾の勇者の製作委員会S2

 続いて、2位には3人の男性声優が並びました。石川界人さんは『盾の勇者の成り上がり』、小林裕介さんは『Re:ゼロから始める異世界生活』、松岡禎丞さんは『ソードアート・オンライン』と大人気シリーズの主役を務めており、それらで覚えている視聴者も多いでしょう。

 しかし、それぞれ『レベル1だけどユニークスキルで最強です』『とあるおっさんのVRMMO活動記』(石川さん)、『現実主義勇者の王国再建記』『賢者の孫』(小林さん)、『精霊幻想記』『異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する ~レベルアップは人生を変えた~』(松岡さん)といった作品でも主人公として活躍を見せています。

 ちなみに小林さんは現在放送中の『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』や、『人間不信の冒険者たちが世界を救うようです』といった転生をともなわないファンタジー作品、さらに『異世界のんびり農家』を始めとする3作品のドラマCDでも主人公役を務めました。今回の集計方法では1位を譲りましたが、裏の「THE・異世界転生声優」といっても過言ではないでしょう。

■少女役を演じることが多い女性声優が1位に

『幼女戦記』ビジュアル (C)カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記2製作委員会

●1位:悠木碧さん(4pt)

 1位は『幼女戦記』のターニャ・フォン・デグレチャフを始め4作品で主人公を演じている悠木碧さんでした。『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』のアズサ・アイザワはともかく、『蜘蛛ですが、なにか?』の「私」(蜘蛛子)や『佐々木とピーちゃん』のピーちゃん(しかもこちらは異世界から現代世界に転生したという「レア種」!)といった人間以外の種族の主人公を複数演じているという点が特筆すべき点です。

 転生をともなわないファンタジー作品『齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定』のレーコを含めると、悠木さんは4.5ptと他を圧倒します。ほかのジャンルやサブキャラクターでも聞けるとおり、ずば抜けた演技力を持つ彼女が人気ジャンルで主人公に抜擢されるのは当然かもしれません。

●「異世界ファンタジー」という条件だと……?

 ちなみに『佐々木とピーちゃん』のピーちゃんと並ぶ主人公である佐々木を演じたのは杉田智和さんでした。彼は今回の集計方法では1ptでしたが、『婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む』などジャンル的に近いファンタジー作品を含めると4ptと上位に食い込みます。同様に『八男って、それはないでしょう!』や『冰剣の魔術師が世界を統べる』など強烈な作品の主人公役である榎木淳弥さんもポイントを伸ばす声優のひとりでした。

 このように条件が少し変わるだけでポイントが大きく変動し、カウントし損ねている作品もありそうですが、上位の声優さんをながめると比較的、納得がいく結果ではないでしょうか。「だからどうした」と言われればそれまでの調査ですが、今後も多数生まれるであろう異世界転生アニメを楽しむ際の参考にしていただければ幸いです。

(はるのおと)

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