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え…っ「一撃」で? 強かったのにまさかの死を迎えた主人公たち

マグミクス / 2024年5月6日 18時25分

え…っ「一撃」で? 強かったのにまさかの死を迎えた主人公たち

■病死、暗殺、事故死など、人間の儚さを感じる最期を迎えた主人公たち

 マンガやアニメの圧倒的に強かった主人公が、意外な形で命を落とす最期は読者や視聴者の心に深く残ります。特に、それまでの展開が嘘のようにあっさりとした最期は、いつまでも語り継がれます。今回は、そのような強かった主人公があっさり死んだ作品を振り返ります。

※※以下、各作品の物語の核心に触れる記述があります。

●ラインハルト・フォン・ローエングラム『銀河英雄伝説』

 アニメ『銀河英雄伝説』は同題の小説が原作のSF作品で、遥か未来の銀河系を舞台に、銀河帝国と自由惑星同盟の争いを描いています。150年にわたって続いていたこの争いは、「ラインハルト・フォン・ローエングラム」と「ヤン・ウェンリー」というふたりの若き英雄の出現で大きく動き始めました。

 帝国の貴族であるラインハルトは「常勝の英雄」と呼ばれる戦争の天才で、姉のため、やがて亡き親友のため、銀河統一を目指して戦い続けます。そして、「不敗の魔術師」ヤンに土をつけられはしたものの、フェザーン自治領と自由惑星同盟を併合し、それまでのゴールデンバウム朝を廃しローエングラム王朝を建て23歳の若さで初代皇帝ラインハルト1世として即位するのです。

 その後、ヤンが暗殺され、まさに銀河に比類なき英雄となったラインハルトですが、その最期はあっけないものでした。

 銀河統一後も陣頭に立ち続けたラインハルトは、「変異性劇症膠原病」という奇病に罹ります。そして、罹患例がなかったこの病には治療法もなく、為すすべなくそのまま崩御したのです。この時、彼の年齢は25歳で、在位は2年余という短さでした。

 ヤンが暗殺されたことも含めて、主役ふたりの死が現実世界のようにあっさりしていたことに嘆く声が多く上がりました。現在、原作の再アニメ化作品『銀河英雄伝説 Die Neue These』が4期まで制作されており、人間の儚さを感じる英雄ふたりの最期にも注目です。

●ジョナサン・ジョースター『ジョジョの奇妙な冒険 Part1』

 現在も第9部の連載が続いている大人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の原点である第1部「ファントムブラッド」の主人公「ジョナサン・ジョースター(ジョジョ)」は、優しくて正義感にあふれた紳士という、正統派の主人公でした。

 もともと強靭な肉体を持っていたジョナサンは、「石仮面」で不死身の吸血鬼と化した宿敵「ディオ」を倒すため、吸血鬼の唯一の弱点である太陽と同じ波長の生命エネルギーを生み出す呼吸「波紋法」を会得します。さらに、「ツェペリ」から生命波紋を受け継ぐと、指で岩を持ち上げ素手で鋼鉄を引き千切るほどの圧倒的なパワーを手に入れたのです。

 そして、数多のディオの手下との戦いやツェペリの死を乗り越え、ジョナサンはディオに波紋を打ち込むことに成功します。波紋を受けたディオはもがき苦しみながら崖下に落ち、そのままバラバラになって決着がつきました。その翌年、ジョナサンは初恋の相手である「エリナ」と結婚し新婚旅行に旅立ったところ、乗っていた豪華客船でディオの首を持ったディオの手下「ワンチェン」と遭遇します。

 首だけになっても生きていたディオは、宿敵ジョナサンの肉体を乗っ取ろうと企んでいました。そしてジョナサンは、ディオの目から放たれた体液で首を貫かれ致命傷を負います。その後、ジョナサンは最後の波紋を利用して船を爆破しディオを道連れにしようとするものの、結果的にはディオに首から下を乗っ取られ、後に肉体が子孫である承太郎やジョセフの敵となる(第3部の物語)という、皮肉な最期を遂げました。

 ディオに対して奇妙な友情を抱くジョナサンや、エリナとの別れなどラストシーンは感動的ですが、五体満足のディオを激闘の末に倒したジョナサンが、首だけになったディオを相手に一撃で致命傷を負わされるのは衝撃的です。1部ラストではディオよりも先にこと切れており、結果的に道連れに失敗したこともあって無念ともいえる終わり方でした。

●伊達直人『タイガーマスク』

 1969年から1971年まで放送されていたアニメ『タイガーマスク』は、絶大な人気を得ました。また、2023年末にイタリアでの実写映画化が発表されるなど、現在でも根強い支持があります。そのような『タイガーマスク』の原作マンガはアニメとは違う、主人公「伊達直人」の悲しい最期で幕を閉じました。

 孤児院「ちびっこハウス」の借金を肩代わりしたため、出身である悪役レスラー養成機関「虎の穴」に狙われることになった伊達直人は、「虎の穴」から送られてくる刺客と闘い続ける日々を送るようになります。また、日本全国の孤児のために試合賞金を寄付し続けており、孤児のための施設を作るという、孤児院出身の彼ならではの素晴らしい夢も持っていたのです。

 そのような伊達直人は「虎の穴」の本部を壊滅させ、「ドリー・ファンク・ジュニア」とのタイトルマッチ第2戦を控えていました。しかし、会場へ向かう途中でトラックにひかれそうになった少年を見つけた彼は、少年の身代わりになってひかれてしまいます。そして、助からないことを悟った伊達直人は、持っていたマスクを川へ投げ捨てて正体がばれないようにし、そのまま息を引き取ったのです。

 その後、タイガーマスクは行方不明のまま、子供たちの希望の星となり物語は終了します。しかし、どれだけの傷を負っても立ち上がっていたタイガーマスクがトラックにはねられただけで死亡したことは、大きな衝撃を与えました。

(SU_BU)

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