「原作改変?」「劇場版必要だった?」賛否分かれたアニメの結末
マグミクス / 2024年5月20日 20時5分
■「死者が多すぎだろ」「劇場版必要だった?」物議を醸したアニメ作品
アニメの最終回は、ハッピーエンドで終わるとは限りません。打ち切りが理由で唐突な終わり方をしたり、アニメの方が原作よりも先行しているせいで結末が違ったりと、ファンの間で物議を醸すこともあります。今回は、さまざまな理由で結末に賛否両論が生まれたアニメ作品を振り返ります。
※この記事では、物語の核心に触れる描写があります。「ネタバレ」が気になる方はご注意下さい。
●『アカメが斬る!』
2010年から2017年にかけて、スクウェア・エニックス「月刊ガンガンJOKER」で連載された『アカメが斬る!』(原作:タカヒロ/作画:田代哲也)は、2014年にアニメ化されました。同作は、帝国の圧政により貧困生活を送る少年剣士「タツミ(CV:斉藤壮馬)」が、妖刀を持つ少女「アカメ(CV:雨宮天)」の所属する殺し屋集団「ナイトレイド」と出会い、腐敗した帝国に反逆するダークファンタジーです。
アニメ版では人気キャラの「チェルシー(CV:名塚佳織)」が、中盤で死亡してしまいます。さらに、原作では生存しているタツミや「マイン(CV:田村ゆかり)」といった主要キャラが最終話目前で死亡したことで、死者数が20人以上になりました。物語の最後は、生き残ったアカメが仲間たちの思いを背負いながら、自らを狙う賞金稼ぎとの戦いを続けていく形で終わります。
あまりにも死者が多すぎることや、原作では生存しているタツミやマインの死に、「バッドエンド過ぎるだろ」といった声や、「原作と違い過ぎ」といった声もあがりました。しかし、いわゆる「原作改変」がされたわけでないようです。アニメ放送後、小林智樹監督はメディアのインタビューで、原作の終了よりもアニメが先行していたことを明かしました。
●『宇宙戦士バルディオス』
1980年から1981年にかけてテレビ東京で放送されたロボットアニメ『宇宙戦士バルディオス』は、突如として絶望的な結末を迎えました。この作品は、主人公「マリン・レイガン(CV:塩沢兼人)」と仲間たちが、放射能汚染された「惑星S-1」を捨てて地球を侵略しようと計画していた「ゼオ・ガットラー(CV:青野武)」と戦う物語です。
最終回では、ガットラー側が地球を侵略するため、地球人抹殺作戦を開始しました。地球を核汚染させずに侵略するために、北極と南極の氷を溶かして大津波を発生させます。マリンには津波による大洪水を止めることはできず、都市や人びとが津波に飲み込まれていく様子が描かれます。そして、真っ赤な背景に白文字で「完」と書かれ、物語は「全滅エンド」を迎えました。この終わり方には、「何が起こった?」と理解が追い付かなかった視聴者も少なくなかったようです。
この唐突な最終回は、スポンサー会社の経営不振による打ち切りといいます。その後1981年12月公開の劇場版にて、TVの後の展開が描かれました。劇場版でもTV版同様に大洪水によって都市や人びとが流されます。地球は壊滅的な打撃を受けるも、マリンたちは生き延び、ガットラー率いる亜空間戦隊「アルデバロン」に総攻撃を仕掛けました。これを受けてアルデバロンは核兵器を誤発射し、地球が放射能に汚染されて惑星S-1と同じ姿になる結末を迎えます。
劇場版を見た人のなかには「やっと決着がついた」といった声がある一方、どちらの結末でも「全滅エンド」に変わりないため、「TV版とそんな変わらないなら劇場版のエンドは必要なかった」といった厳しい声も出ていました。
■復讐劇かと思ったのに「あっさり過ぎ」と厳しい声
『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』(アニプレックス) (C)2012 Production I.G, CLAMP/Project BLOOD-C Movie
●『BLOOD-C』
『BLOOD-C』は2011年にMBSほかにて放送されたオリジナルアニメです。この作品は、浮島神社の巫女である主人公の「更衣小夜(きさらぎ さや/CV:水樹奈々)」が、普段は楽しい高校生活を送りながら、夜は浮島神社に伝わる御神刀で人を喰らう「古きもの」を倒す使命を果たし、街や学園を守るために戦っていく物語です。
最終回では、小夜が慕っていた喫茶店のマスターの「七原文人(ななはら ふみと/CV:野島健児)」が古きものを操り、小夜と戦わせていたことが判明しました。文人によって「八頭身ウサギ」が召喚されると、小夜のクラスメイトたちが惨殺されていきます。「時真慎一郎(ときざね しんいちろう/CV:鈴木達央)」は頭から捕食され、「求衛のの(もとえ のの/CV:福圓美里)」は地面にたたきつけられて喰われるなど、残酷なシーンが続き、最後は小夜が文人を倒そうとして返り討ちにあい、左目を失明して復讐を誓うところで終了しました。
劇場版では、文人が人間を古きものにする実験をしていたことが明かされました。前提として、小夜の飢えを満たすには古きものを食べなければなりません。しかし、古きものは人間の文明の発展によって年々減少しています。文人が実験をしていたのは、小夜がいずれ死んでしまうと危惧したためだったのです。
しかし、この実験に失敗した文人が小夜の刀で自害したことで、新たな古きものが生まれなくなり、世の中には平穏が訪れました。それと同時に古きものが絶滅するまで、小夜はひとりで生き続けることになりました。この終わり方に「あっさり過ぎ」「決着がついたけど終わりが薄っぺらい」と納得いかなかった声や「小夜が不憫すぎ」といった声が多く見られました。
(LUIS FIELD)
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