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「世界観ドストライク」「これが正解か」声優じゃないのに主役で高評価を得る芸能人

マグミクス / 2024年5月10日 19時55分

「世界観ドストライク」「これが正解か」声優じゃないのに主役で高評価を得る芸能人

■『デデデデ』のインパクト、大!

 声優総合情報誌「声優グランプリ」(主婦の友社)の付録である声優名鑑の最新版によると、いまや声優さんは1742人もおり、TVアニメや映画でその声を聞くだけでなく、バラエティ番組で姿を見かける日も少なくありません。アニメを好きな読者のみなさんも、好きな声優のひとりやふたりはいるのではないでしょうか。

 そのような声優全盛期といっても過言ではない現代ですが、一部のアニメ作品では声優ではなく俳優やアーティストをキャスティングすることがあります。しかもゲストや本人役ではなく、主人公やヒロインなどのメインキャラクターとして声の出演をしていることも少なくありません。

●幾田りらさん&あのさん

 そもそもなぜ本職声優ではない人々が起用されるかというと、アニメ好き以外の一般層にもアプローチしたいという制作側の意図が一番の要因でしょう。その是非はさておき、そういった話題性という点で最近インパクトがあったのは、2024年3月に劇場公開が始まった『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』です。

 本作では主人公である「小山門出(かどで)」をYOASOBIのikuraこと幾田りらさん、もうひとりの主人公である「中川凰蘭(おうらん)」をあのさんが演じています。近年に大ブレイクを果たしたふたりのアーティストがW主人公、そして主題歌アーティストとして共演ということで本作は注目を集めました。特にあのさんのキュートな声や少し舌っ足らずなしゃべり方は、変わり者な凰蘭に絶妙にマッチしており好印象だった人も多いでしょう。

 2024年5月24日に公開が予定されている『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』では物語が激動しそうであり、ふたりのどんな演技を聞けるのか注目です。

●神木隆之介さん

『君の名は。』メインビジュアル (C)2016「君の名は。」製作委員会

【おもな担当キャラクター】
・『ハウルの動く城』マルクル
・『サマーウォーズ』小磯健二
・『君の名は。』立花瀧

 続いて、今回のテーマで多くの人が思い浮かべるであろう、俳優の神木隆之介さんです。彼が、近年のアニメ映画ブームの火付け役ともいえる『君の名は。』で主人公の「立花瀧」を演じた際は、「声優アワード」で主演男優賞を受賞します。その後も『天気の子』『すずめの戸締まり』といった新海誠監督作品に出演しました。ほか、『サマーウォーズ』や『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、『100日間生きたワニ』といった話題作にも出演しています。

 振り返れば、アニメをメインとする声優をあまり起用しないジブリ映画の『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』などにも出演しており、神木さんが演じてきたキャラクターはバラエティ豊かです。今後はどんなキャラクターで声を聞かせてくれるでしょうか。

■元アイドルにも高い評価が

●芦田愛菜さん

『かがみの孤城』メインビジュアル (C)2022「かがみの孤城」製作委員会

【おもな担当キャラクター】
・『海獣の子供』安海琉花
・『映画 えんとつ町のプペル』ルビッチ
・『かがみの孤城』オオカミさま

 神木さんと同じく、子役時代からドラマを中心にさまざまな作品に出演しているのが芦田愛菜さんです。当時の声優出演作としては、『怪盗グルー』シリーズの「アグネス」役で記憶に残っている人もいるでしょう。

 そのような彼女は、最近では『かがみの孤城』で物語の鍵を握る「オオカミさま」役として、とても印象深い演技を聞かせてくれました。ほかにも『海獣の子供』や『映画 えんとつ町のプペル』『岬のマヨイガ』などでも好演しており、今後も声優としての活躍に期待がかかります。

●川栄李奈さん

『きみと、波にのれたら』ポスタービジュアル (C)2019「きみと、波にのれたら」製作委員会

【おもな担当キャラクター】
・『きみと、波にのれたら』向水ひな子
・『サマーゴースト』佐藤絢音
・『クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』屁祖隠ちよめ

「俳優やアーティストの演技はアニメっぽくないからちょっと……」と敬遠する人もいるかもしれませんが、そうした人に聞いてほしいのが川栄李奈さんの演技です。メインキャラクターを演じた『海獣の子供』や『クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』などを観れば、「違和感のなさ」に驚かされるでしょう。

 川栄さんは元AKB48のメンバーで、在籍中はアイドル活動だけでなくドラマや映画に、卒業後は舞台にも多数、出演しており、それらにおける演技経験が活きたのでしょうか。考えてみれば涼風真世さんや七海ひろきさんといった宝塚出身の人びともそうですが、特に舞台経験というのは声優としての大きなプラスになっているのかもしれません。

 ここまで挙げた人以外にも、堺雅人さん(『プロメア』クレイ・フォーサイト役など)や土屋太鳳さん(『アイの歌声を聴かせて』芦森詩音役など)、古田新太さん(『深夜!天才バカボン』バカボンのパパ役など)といったヒットアニメで印象深い演技を聞かせてくれた人には枚挙にいとまがありません。今後も、アニメメインの声優さんと同じように、魅力的な演技で魅了してくれる俳優やアーティストが現れることに期待しましょう。

(はるのおと)

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