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「好きだったのに」「性格問題ありでは」 「主人公交代」が起きた作品へのファンの反応

マグミクス / 2024年5月9日 18時25分

「好きだったのに」「性格問題ありでは」 「主人公交代」が起きた作品へのファンの反応

■「交代してほしくなかった」 作品の顔となる主人公を交代させる難しさ

 アニメやマンガといったメディアを語るうえで、欠かせない存在の「主人公」は、ファンからの人気は作品によってまちまちであるものの、重要なポジションなのは間違いありません。なかには、そんな大事な「主人公の交代」を行ったことにより、物議を醸した作品もいくつか存在します。

「主人公交代」という話題で必ずと言っていいほど名前があがる作品が、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』です。公式で主人公とされているのはコーディネイターでインパルスガンダムのパイロットであるシン・アスカですが、シリーズ後半から、彼と敵対関係にあるキラ・ヤマトに大きな出番を持って行かれてしまいます。

 もともと同作はシン、キラ、前作の副主人公であるアスラン・ザラの3人の視点で進行していく物語の予定でした。しかし、後半からはキラを中心に話は進行、49話以降のEDクレジットでは主人公のはずのシンのクレジットが上から3番目までに下げられています。当時この処遇はファンから批判が殺到し、今も「シンは歴代イチの不憫な主人公」として語り継がれています。

 素質はあったものの惜しくも主人公になれきれなかったキャラとして、『ドラゴンボール』の「孫悟飯」も該当します。「人造人間・セル編」で見せた活躍で、セルゲーム後半戦の際に行われた読者人気投票では、悟空を抑えて第1位を獲得しました。

 セルとの戦いで悟空が死んだこともあり、原作マンガの421話からは高校生になった悟飯の日常パートが始まります。亀仙人も扉絵で「今回からの主人公は死んでしもうた悟空にかわってそのマジメな息子 孫悟飯じゃ!」と言っていました。

 しかし、それまでの激しいバトルシーン目当てで読んでいた読者も多かったのか、「ハイスクール編」とも呼ばれるこのエピソードは短く終わり、426話でまた天下一武道会が行われることが明らかになったのち、430話で悟空も天国から戻ってきました。

 そして、その後の魔人ブウとの戦いでは悟空が実質的主人公に戻ります。短かった悟飯への主人公交代に関しては、「意外と嫌いじゃないし、マンネリ化を防ぐ必要な過程だった」「もっとグレートサイヤマン見たかった」という声もある一方で、「悟飯は戦いたい理由がないから、『ドラゴンボール』の主人公にはなれない」という考察をする声もありました。ちなみに、アニメでは「ハイスクール編」にオリジナルエピソードが追加されたほか、魔人ブウとの戦いが始まって以降も高校生の悟飯がメインになったOPが使われ続けています。

■子供だから仕方ない? 作中における言動の数々が議論に

『けものフレンズ2』キービジュアル (C)けものフレンズプロジェクト2A

 主人公交代によって、一部で炎上を引き起こしたパターンもありました。『けものフレンズ2』の主人公「キュルル」は、その代表例です。前作の主人公「かばんちゃん」は温厚かつ心優しい少女で、フレンズたちに寄り添う姿が聖人であると人気のキャラでしたが、2期でキュルルと主人公を交代しました。

 キュルルは「人格が未形成な子供」という設定上、前作のかばんちゃんよりも自分本位で無礼な言動も見られます。けもののフレンズに対する差別ととれるような発言のほか、窮地を助けてくれた前作主人公のかばんちゃんを何故か睨みつける描写もあり、さらに自分が提案した遊びに参加せず上から見ている、といった行動もありました。

 キュルルの言動に対しては「優しい世界がコンセプトの作品では異質」「これは悪ガキと言われても仕方ない」と懐疑的な声もある一方、「子供だから仕方ない」「個人的には嫌いじゃない」と擁護する声もありました。

 作品の要となる存在なだけあって、主人公の交代をうまい形に収めるのは、やはり至難の業であると感じさせられます。

(マグミクス編集部)

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