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全力パロディに「銀魂並み」の声も アニオリ描写が好評の春アニメ

マグミクス / 2024年5月15日 17時35分

全力パロディに「銀魂並み」の声も アニオリ描写が好評の春アニメ

■懐かしの流行から他作品のパロディまで

 2024年春アニメの放送から早くも1か月が経ちました。2024年冬アニメでは、優れたアニオリ描写で『葬送のフリーレン』が話題になったのも記憶に新しいところ、春アニメでも同じようにアニオリ描写で注目を浴びている作品があります。どのような描写がファンから好評なのか、見ていきましょう。

●『忘却バッテリー』

 主人公が記憶喪失という斬新な設定と高校野球のリアルが描かれた『忘却バッテリー』は、「少年ジャンプ+」で連載されている同題マンガが原作の作品です。

 中学生怪物バッテリーとして恐れられた「要圭(CV:宮野真守)」と「清峰葉流火(CV:増田俊樹)」は、要が記憶喪失になったことで野球部がない小手指高校へ入学します。そこにはふたりに敗れて野球を辞めた「山田太郎(CV:梶裕貴)」「藤堂葵(CV:阿座上洋平)」「千早瞬平(CV:島﨑信長)」も入学していました。思わぬ再会をした彼らは、発足したばかりの野球部に入って再び野球を始めます。

 そのような本作には、シリアスシーンやギャグシーンでアニオリ描写が加えられていました。

 例えば、第1話冒頭の怪物バッテリーに次々と敗れて絶望するシーンは、登場するキャラが増えていました。原作ではリトルシニア時代の山田だけが描かれたのに対し、アニメでは藤堂や千早、3話で登場するライバルの「国都(CV:大塚剛央)」が追加されています。キャラを増やすことで、より怪物バッテリーの強さが伝わるアニオリ描写でした。

 また、第3話で藤堂と千早を親睦会へ誘うシーンでは、平成に流行した「一期一会」のイラストをアニオリ描写で取り入れています。原作では声をかけただけなのに対し、アニメでは一期一会風の紙芝居で親睦会へ誘っていました。ほかにも、原作ではっきり描かれなかった『ドラゴンボール』のパロディや、インターネットミームの「宇宙猫」がアニメでは明確に描かれています。

 これらの描写にファンからは「銀魂以来の全力パロディ」「ぶっ込んできてる」「あれ、違う作品観てたっけ?」などの声があがりました。

 なお、5話後半もアニオリ展開となっており、「新たな話が見られてお得感ある」「原作のエピソードかってくらい内容濃かった」と評判で、原作ファンも新鮮な気持ちで楽しめているようです。

『忘却バッテリー』はテレビ東京系列ほかにて、毎週火曜日深夜12時から放送中です。

■登場人物の心情を示唆する切ないアニオリ描写

TVアニメ『ささやくように恋を唄う』キービジュアル第1弾 (C)嶋えく・一迅社/ささやくように恋を唄う製作委員会

●『ささやくように恋を唄う』

『ささやくように恋を唄う』は「コミック百合姫」で連載されている同題マンガを原作にしており、「木野ひまり(CV:嶋野花)」と「朝凪依(CV:瀬戸麻沙美)」の恋愛模様を描いた作品です。

 ひまりは新歓のバンド演奏で歌う依の姿にファンとして一目惚れします。一方、依はひまりの気持ちを聞き、恋愛感情の一目惚れと勘違いしてひまりに惚れてしまいました。しかし、ひまりに恋愛感情がないことに気付いた依は、自分へ惚れさせようと行動に移すのです。

 本作はほかのキャラたちにも秘められた思いがあり、アニメはその思いを示唆するアニオリ描写が描かれました。

 第1話でひまりに一目惚れしたと告げられた依は、バンドメンバーに相談をします。そして、依がひまりへの好意を口にしたとき、アニメでは相談にのっていた「水口亜季(CV:小松未可子)」の驚く表情が追加されていました。

 意味深なアニオリ描写ですが、その答えは第2話で発覚します。バンドメンバーが「一目惚れはある」と主張する亜季に、したことがあるのかと聞くと、彼女は依との思い出を脳裏に浮かべました。この描写から亜季は依に恋をしていることが分かります。第1話の描写は亜季の心境を描いたものだったのです。ファンからは「描写が増えて亜季の心情が分かりやすくなっているのが切ない」との声が見られます。

『ささやくように恋を唄う』はテレビ朝日系全国24局ネットほかにて、毎週土曜日深夜1時30分から放送中です。

●『怪獣8号』

「少年ジャンプ+」で連載中の同題マンガを原作とした『怪獣8号』は、アニオリ描写が加えられ、より迫力のあるアツい作品になっています。

 本作は怪獣が出現する日本を舞台に、怪獣を討伐する防衛隊になる夢を諦めた主人公の「日比野カフカ(CV:福西勝也)」がもう一度、防衛隊を目指す作品です。カフカは謎の生物が体内へ侵入したことで怪獣に変身できるようになりますが、討伐を恐れて正体を隠したまま防衛隊を目指します。

 本作の第1話冒頭で怪獣が討伐されるシーンは、原作では討伐直後のみ描かれていました。しかし、アニメでは怪獣の登場から討伐までが描かれ、より迫力のあるシーンになっています。また、怪獣に襲われたカフカが過去を回想するシーンは、原作では怪獣に吹っ飛ばされて回想していた一方、アニメでは窓を破った際に負った頬の傷を通じて、同じ傷を負った過去を振り返る演出になっています。

 さらに、第3話の防衛隊選別試験で重傷を負ったカフカが再び立ち上がるシーンでも、アツいアニオリ演出が描かれました。防衛隊の装備を引き出す能力の数値が、カフカはそれまで0%だったところを、アニメでは立ち上がる際に0.01%へ上昇するのです。

 これらの描写はファンの間でも話題になり、「数値の上がる描写がカッコいい!」「こういうアニオリいいね」と評価されています。

『怪獣8号』はテレビ東京系列ほかにて、毎週土曜日23時から放送中です。

 マンガと見せ方が違うアニメは、シーンを追加してより作品を盛り上げています。そのようなアニオリ描写はストーリーを変えずに作品を盛り上げるため、ファンからも好評なのかもしれません。

(LUIS FIELD)

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