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なぜ結婚できた? 美人タイコがノリスケを選んだわけ 実は「似た者同士」?

マグミクス / 2024年5月26日 18時45分

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■ノリスケがタイコと結婚できたのは「有能」だから?

 国民的アニメ『サザエさん』屈指のトラブルメーカーといえば、「サザエ」たちのいとこにあたる「ノリスケ」であることに異論を唱える人は少ないでしょう。ウソ、不法侵入、盗み食いの常習犯の上、失言癖があり、「波平」から「磯野家出入り禁止」を言い渡されたことも一度や二度ではありません。

 ところでノリスケの愛する妻、「タイコ」は『サザエさん』界のなかでも屈指の美人として知られています。性格も良く、公式サイトには「美人でおしとやか」「芯が強く」「とっても愛情あふれるお母さん」と賛辞が並んでいます。

 ノリスケとタイコは見合いを経て、結婚しました。それにしても、けっしてイケメンには見えない上、トラブルメーカーのノリスケと美人で性格も良いタイコはなぜ結ばれたのでしょうか。

 ひとつは、ノリスケが実は有能な男だからという説が考えられます。雑誌の編集者(原作では新聞記者)で、人気作家である「伊佐坂先生」の担当をしているノリスケは、人のふところに入るのが上手く、気配りもできる男として描かれています(原稿を待っている間、磯野家で昼寝しているのは伊佐坂先生に重圧をかけないため)。編集者らしく、博識でもあります。20代半ば(公式サイトでは24歳から26歳と表記)でありながら仕事で有能さを発揮するノリスケに、タイコが惹かれたとしても無理はありません。

 とはいえ、ノリスケはとある問題を抱えていました。それは借金です。『サザエさん』では、波平や「マスオ」をはじめとする周囲の人たちに借金を申し込むノリスケの姿がたびたび描かれています。原作には、質屋でお金を借りるエピソードもありました。ノリスケは8人兄弟(アニメでは5人兄弟)であり、実家からの援助も望めません。それでもタイコはノリスケを選んだということになります。

 マンガ、風刺画の研究家で『サザエさん』に関する著作がいくつもある清水勲氏は、ノリスケとタイコの結婚の背景には「女性結婚難の時代」があったと指摘しています(『サザエさんの正体』平凡社)。

 戦後は、戦争で適齢期の男性が戦死したことにより、男女の人口比が崩れて「女性の結婚難の時代」といわれていました。1950(昭和25)年の国勢調査では、女子が男子より163万人も多く、そのうち25歳から34歳の男性は102万人も不足していました(『戦中・戦後を生きた女性たち ~妻として母として~』昭和館学芸部)。

 原作でノリスケとタイコの見合いと結婚が描かれたのは、1953(昭和28)年から54(昭和29)年にかけてのことです。女性結婚難の時代が解消しきれていない状況で、タイコがノリスケレベルの男性で手を打った、と考えることもできます。

 実はアニメで、ノリスケとタイコが結ばれた理由が語られたことがありました。1970年3月15日放送の「ノリスケ物語」で、ノリスケがタイコに「どうしてキミ、ボクと結婚するつもりになったんだい?」と質問すると、タイコはこう答えたのです。

「波平のおじさんやマスオさんに比べたら、あなたのほうがマシに見えたからよ」

 驚いたノリスケですが、すぐさま「なあんだ、実はボクもサザエさんよりマシだと思ってね」と言い放ちました。タイコは「じゃ、磯野家は縁結びの神様ってわけだわ。そうでしょ、あなた」と甘えた声を出し、ふたりが手を取り合ってこのエピソードは終わりました。

 タイコのどうかしている発言にノリスケが当意即妙に合わせたようにも見えますが、この会話を見ると、ふたりの波長やノリはぴったり合っているようです。ノリスケはイタズラ好きとして知られていますが、原作にはタイコがタンスに隠れて帰宅するノリスケを驚かせようとするエピソードもありました。

 夫婦でもっとも大切なのは、やっぱり気が合うかどうかだと思います。ノリスケとタイコは、結ばれるべくして結ばれたのです。

(大山くまお)

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