旧作ファンも絶賛の「再アニメ化」とは? 原作改変も納得の理由
マグミクス / 2024年5月20日 12時10分
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■再アニメ化が大絶賛されるのに必要な要素とは?
「旧作の方が良かった」などと賛否が分かれることが多々ある「再アニメ化」にも、なかには原作ファンから絶賛された作品もあります。マンガ原作作品のアニメ化が、原作に忠実なのは、昨今ではファンにとって「当然のこと」となりました。それだけでなく、最新のアニメ技術を取り入れたり、物語を現代の風潮に合わせたりしつつ、ファンを納得させた作品を振り返ります。
●『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』
人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの世界観を活かし、「週刊少年ジャンプ」で連載されていた『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(監修:堀井雄二/原作:三条陸/作画:稲田浩司)は1991年に最初のアニメ化がされました。旧作では「バラン戦」の途中で放送が終了してしまいましたが、2020年の再アニメ化で、原作の最後のエピソードまで描かれています。
この作品は、モンスターたちと平和に暮らす少年「ダイ」が、「魔王ハドラー」の復活により、勇者を目指す物語です。新作では旧作から声優が一新されたり、残酷な描写がカットされたりといった改変がされていました。旧作ファンからすると、その点には物足りなさもあったかもしれません。しかし、作画力が上がってキャラクターの動作がなめらかになり、繰り出される技の迫力がアップしました。これにより、戦闘シーンがより引き込まれるものになっています。
放送後も絶賛する声が衰えることはなく、「100話は長いと思ったが、テンポが良く見応えがある作品だった」「100話駆け抜けたのもすごいが、感動シーンで泣きすぎた」など高い評価のレビューが数多くあがっていました。
●『シャーマンキング』
「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた『シャーマンキング』(作:武井宏之)は、2001年に最初のアニメ化がされ、2021年にほぼ同じ声優陣でリメイクされました。神や霊と交流できる「シャーマン」のひとりである少年「麻倉葉」が、「シャーマンキング」を目指す物語です。
2001年版では連載中なのもあり、アニメオリジナルの展開が多く、結末も原作とは異なるものでした。しかし、再アニメ化では、原作のストーリーが忠実に再現されています。もちろん最終回も、原作通りとなりました。
また、2001年版と比較すると、絵柄に変化があったのも注目点です。原作者である武井宏之先生のマンガでも「JC(ジャンプ・コミックス)版(集英社)」より「KC完結版(講談社)」の方が画力が上がっており、再アニメ化ではKC完結版の方に絵柄を合わせているため、旧作とは違う雰囲気を味わえます。2001年よりもデジタル技術が向上したことも相まって、作画を評価する声が多数見られました。
ほかにも、20年前のOP楽曲「Over Soul」が流れるという、懐かしさを感じさせる、旧作からのファンも喜ばせる仕掛けがされていました。原作だけでなく、2001年度版のアニメもリスペクトしている点でも高い評価を得た作品です。
■現代風にアレンジしながらも高い評価を得た作品
『うる星やつら』第2期キービジュアル (C)高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会
●『うる星やつら』
高橋留美子先生の連載デビュー(講談社「週刊少年サンデー」)となった『うる星やつら』は1981年に最初のアニメ化がされ、2022年に再アニメ化されました。また、2024年1月から第2期が放送中です。
同作は地球侵略を企む鬼族の娘である「ラム」から好意を寄せられた、女性に目がない高校生の「諸星あたる」が繰り広げる奇想天外なラブコメディです。
1981年版のアニメ化では、押井守監督がチーフディレクターを務めており、「監督色が強すぎる」という声が一部のファンからあがっていました。モブキャラである「ラム親衛隊」のリーダー「メガネ」をレギュラーにしたり、アニオリ回がたびたび入ったりすることで、一部のファンから不満の声が出ていました。
一方、再アニメ化では、ストーリーがほとんど改変されなかったこともあり、「原作に忠実」と好評を得ています。また、絵柄は1981年版の方が原作に近いですが、新作では緑色の髪色が、電撃を放つ際に虹色へと変化するように描かれています。原作のラムの髪色は光や動きで見え方が変化する「構造色」という設定ですが、旧作では表現できずに緑色で描かれていました。しかし、技術の進歩によって、原作通りに色が変化するという表現を取り入れられたのです。
また、新作『うる星やつら』は令和世代にも受け入れられるよう、オープニングにライブ配信などのシーンを入れて、現代風にアレンジしています。ほかにも、鬼ごっこ中にあたるがラムのブラを取るシーンが「事故でブラが取れた」ことになっており、コンプラ違反にならないような改変がたびたびされています。
ファンからは「コンプラを意識しながらも原作に忠実なのがすごい」「原作をリスペクトしていて好感が持てる」といった声があがっていました。
(LUIS FIELD)
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