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「実写」ではムリ? 「昭和アニメヒロイン」の髪型の再現法を美容師に聞いてみたら

マグミクス / 2024年5月25日 8時45分

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■戦うヒロイン「キューティーハニー」の髪型には「動き」と「勢い」

 昭和喫茶に昭和歌謡など、なにかと「昭和」が流行っている昨今、アニメでも『うる星やつら』『シティーハンター』『ゲゲゲの鬼太郎』など、昭和の名作が再び注目を集めています。ハロウィンやコスプレイベントで、昭和アニメのキャラクターの格好をしてみたいという人も増えているのではないでしょうか。

 今回は、多くの人が憧れた昭和の名作アニメのキャラクターの髪型を再現する際のポイントを、「Hair&Make OFFICE TANIE」(大阪・心斎橋)の、オーナースタイリストであるTanieさんにうかがいました。Tanieさんはお客さんたちのコスプレの相談に乗り、ヘアメイクから衣装まで手掛けて頼りにされています。

――まずは昭和の「エロかわいい」の代表、『キューティーハニー』(TVアニメ『キューティーハニー』は1973年放送)の髪型の再現についてお話を聞かせてください。

Tanie「ハニーの髪色は、しっかりと赤ですね。この色を出そうと思ったら、ブリーチをしたうえで、赤色で染める必要があります。黒い髪のままでは、どんなに赤色で染めてもあんなにハッキリした赤にはなりませんから」

――カットはどのようにするのでしょうか?

Tanie「カットで言うと、これは『ショートボブレイヤー』です。サイドは『姫カット(両サイドの髪の毛を頬から顎あたりの長さでカットする)』にして、動きと小顔効果を出しています。動きを出すには、毛先をアイロンで外ハネにすると、ハニーの雰囲気に近付くと思います。敵に立ち向かっていく『戦うヒロイン』の草分け的存在でもあるので、『動き』や『勢い』も大切にしてあげるのがポイントだと思いますよ」

――「動き」や「勢い」を出すにはどうしたらいいですか?

Tanie「ワックスなどで『束感(髪の毛がある程度ずつ、束にした状態のこと。流れるような動きを演出できるのが特徴)』を出すんです。裾の部分や途中だけでなく、トップの部分まで束を作り、それを外ハネさせるといいですよ」

――地毛でできますか?

Tanie「できないことはありませんけど、髪の毛のボリュームが1番のネックでしょうね。アニメキャラクターの毛量は、一般人とはケタ違いです。ウイッグの方が髪の毛の量やハリの面でも、脱色やカラーリング、セットのしやすさでも簡単ですし、手軽だと思います」

――2004年に公開された映画『キューティーハニー』では、女優の佐藤江梨子さんがハニーを演じました。髪型の再現度という点ではどうでしょうか?

Tanie「髪型だけで言えば、実写版の佐藤江梨子さんとアニメのキューティーハニーとは別物です。そもそも映画で演技をするためのヘアと、コスプレで見せるためのヘアでは、目的が全然違うと思います。佐藤江梨子さんで『元気でセクシーなキューティーハニー』を作ったら、髪型があのようになったのだと思います。単純に『似ているかどうか』だったら、コスプレイヤーの子たちの方が上手ですが、それはまた別の話でしょう」

――続いて、『はいからさんが通る』の花村紅緒の髪型の再現についてお聞きします。作品の舞台となった大正時代のオシャレの「ハイカラ」といえば、「和洋折衷」「華やかな雰囲気」が特徴だと思うのですが、髪型はどうですか?

Tanie「主人公の紅緒は自転車に乗ったり、木に登ったりする活発な女性ですよね。髪の毛もハーフアップでスッキリさせて、毛先にカールをつけて動きを出すと彼女のアクティブなところが出ていいでしょうね。それに、袴に黒髪ストレートだと『和』すぎて、『はいからさん』っぽくないと思います」

――ほかにポイントはありますか?

Tanie「目立つのは、後頭部の高い位置に見える大きなリボンですね。このリボンで、かなり雰囲気が左右されるので、色や大きさだけでなく付ける位置や正面から見た時のバランスなどをしっかり調整してください。前髪は、あくまで軽やかに。厚めの『まっすぐパッツン』では日本人形みたいになってしまいます。それで、目にかかるくらいの長さにすると雰囲気が出ると思いますよ」

――これは地毛でいけそうですか?

Tanie「そうですね。これは大丈夫でしょう。髪の毛の長さが足りない方は、リボンのところからカールさせた付け毛にしてもいいですね」

――1987年に公開された実写版映画では、南野陽子さんが主役の花村紅緒を演じていますが、原作マンガとはちょっと雰囲気違いますね。

Tanie「南野陽子さんは、前髪をポンパドールにしていますから、ちょっと年齢が上に見えますね。かわいらしさや若々しさ、活動的な感じを出すには、前髪をおろしている方が良かったんじゃないかなと私は思います。これは普段のヘアスタイルでも言えることですが、前髪をおろした方が、おでこや眉間のシワを隠せるので、若見えするんです」

■大人でもできる!? 「アッコちゃん」の髪型再現のポイント

「ひみつのアッコちゃん 第一期(1969)コンパクトBOX1」(TCエンタテインメント)

――昭和のアニメに登場する憧れの美しい女性といえば、松本零士先生の描く女性という方も多いでしょう。『宇宙戦艦ヤマト』の森雪のヘアスタイルは再現可能でしょうか?

Tanie「松本先生の描く美しい女性の特徴は、スレンダーなスタイルに長い髪とまつ毛、切れ長の目、そしてミステリアスな雰囲気ですよね。例えばメーテル(『銀河鉄道999』)は、髪の毛の長さはちょっとやそっとでマネできるものではありませんが、毛量は一般女性並みなので再現可能といえるでしょう。森雪の場合は髪も肩までの長さですし、再現しやすいといえます」

――森雪のヘアスタイルを再現する際のポイントは?

Tanie「ポイントは、髪の毛に動きを付けることです。顔のサイドは姫カットをクルッとカールさせて動きを出し、トップはレイヤーカットと逆毛で盛って、外国人っぽい骨格の雰囲気を出すといいでしょうね。全体的には頭の形に添った流れにしつつ姫カットと、裾をアイロンで束感を出し、ハネさせるイメージです」

――前髪はどのようにすればいいでしょう?

Tanie「これは、今の時代もモテ系、愛され系の基本といわれている『斜め前髪』です。ただ、森雪の前髪の長さで再現すると、現代の流行には合っていなくて『オバちゃんヘア』になってしまいます。もう少し長さのある斜め前髪にした方が、かわいくなるはずです」

――2010年に公開された実写映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』では、黒木メイサさんが森雪を演じました。再現度としてはいかがでしょう?

Tanie「これもアニメの森雪を実写で再現しよう、という気はなかったんだと思います。原作とは髪の色や長さも全然違うし、職業(アニメ版では生活班長兼レーダー手で、実写映画ではブラックタイガー隊のエースパイロット)も性格なども違って、もうまったく別のキャラクターですよ。アニメの森雪は、髪型にも丸みがあって優しさや母性が見えるけれど、メイサさんの森雪は髪型もストレートで勝気でアクティブなイメージがしますね」

――最後に、昭和の名作アニメでこれまでに何度もリメイクされてきた『ひみつのアッコちゃん』についてうかがいます。主人公のアッコは、ツインテールのかわいい女の子ですが、これはどうやれば再現できますか?

Tanie「ポイントは、ツインテールとカチューシャです。私の記憶にあるのは1969年のアニメ第1作のアッコなので、それで説明させていただくと、アッコの髪型を再現するには、カチューシャでグッと高さを出して、盛りを作ってからのツインテールです。トップにボリュームが出ないと、年齢が上がって見えてしまいます。でも、そのためには毛量が必要なんです。カチューシャの後ろにウイッグを使うと、再現度を上げていけると思います」

――『ひみつのアッコちゃん』も、2012年に実写映画が公開されています。大人に変身したアッコを演じているのは、綾瀬はるかさんです。

Tanie「綾瀬はるかさんが演じたのは『大人になったアッコちゃん』なので、『子供らしいかわいさ』がないのは当然ですが、たとえば姫カットで耳横をクルンとカールさせたり、カチューシャして頭頂部にボリュームを付けたりすれば、もっとかわいさや色気も出たかなとは思います。やはりそのあたりが演技をする人と、コスプレイヤーの再現度の違いになっているんでしょうね」

 ところで、昭和のアニメヒロインとは違いますが、アニメキャラのヘアスタイルの再現というと、必ず話題に上がるのが「名探偵コナン」の「毛利蘭」の「ツノ」です。これについても、Tanieさんにうかがってみたところ……。

Tanie「あのツノを髪の毛だけで再現するのは無理です。発泡スチロールで三角錐を作って、それを頭にピンでつけた上に髪の毛を巻き付けるといいと思います。バブルの頃に流行ったトサカヘアーとも質感が違うので、芯というか土台を作った方がとがった部分もしっかり立ちます」

 とのことでした。お試しください。

(山田晃子)

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