「1話から?」「大事な補完」 アニオリ要素が見事なアニメたち
マグミクス / 2024年5月21日 20時5分
![「1話から?」「大事な補完」 アニオリ要素が見事なアニメたち](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_232882_0-small.jpg)
■良改変すぎて成功例になった?
これまで、原作を忠実に再現していないマンガのアニメ化が、批判されてしまうことは少なくありませんでした。しかし、アニメオリジナル回や大胆に改変した作品でも、高い評価を受けた作品も多々あります。今回は、改変が成功をもたらしたアニメ3作品を振り返りましょう。
●『銀魂』
2023年に連載開始から20周年を迎えた『銀魂』(原作:空知英秋)は、2006年にTVアニメ化され、計367話が放送されました。天人(宇宙人)の来襲と廃刀令によって侍が力を失っていく江戸時代末期を舞台に、木刀を持つ侍の坂田銀時(CV:杉田智和)とその仲間たちの生き様を描くSF時代劇ギャグアニメです。
そんな『銀魂』は、アニメ初回から改変がされています。志村新八(CV:阪口大助)と銀時が出会う原作の1話はアニメの3話にあたり、アニメの第1話、第2話では新八や神楽(CV:釘宮理恵)などのキャラクターが次々と登場し、『銀魂』らしいドタバタ劇が放送されました。
また、オリジナル回では原作だと登場回数が少ないキャラが活躍したり、怒られそうな他作品のパロディを取り入れたりと、原作ファンも新鮮に楽しめる工夫がされています。『新世紀エヴァンゲリオン』の最終回や、野々村竜太郎議員の謝罪会見のパロディなどもあり、恐れ知らずの攻めた姿勢に好印象なファンが多く、「銀魂なら何でもあり」「原作ファンでも楽しめる」「空知先生がやりそうなパロディをちゃんとやってる印象」との声が多く見られます。
●『瀬戸の花嫁』
『瀬戸の花嫁』は「ガンガンウイング」で連載されていた木村太彦先生の同名マンガが原作で、2007年にアニメ化されました。海で溺れた主人公の満潮永澄(CV:水島大宙)が、人魚の瀬戸燦(CV:桃井はるこ)に助けられます。
しかし、人魚は身内以外に姿を見られてはいけません。人魚の掟を破ればどちらかが死ぬことになりますが、これを回避する唯一の方法が結婚でした。掟を守るために永澄と燦は結婚することになり、このふたりを中心に騒動が巻き起こるドタバタギャグ&ラブコメディです。
基本的に原作のストーリーに忠実ですが、アニオリシーンやパロディの補完、岸誠二監督のギャグテイストなどによって、一部では「アニメの方が面白い」という声もありました。また、『ジャパネットたかたテレビショッピング』や『24時間テレビ』など、誰もが分かる有名番組のパロディが含まれているので、親しみやすい作品でもあります。
完全アニメオリジナル回もあり、原作連載中に迎えた最終回もオリジナルストーリーだった同作には、「面白すぎて神回が選べない」「ギャグのテンポが絶妙」といった声もあり、今も評価を得ています。
■改変によってキャラクターの成長をより感じる
『ぼっち・ざ・ろっく!』ビジュアル (C)はまじあき/芳文社・アニプレックス
●『ぼっち・ざ・ろっく!』
『ぼっち・ざ・ろっく!』(通称:ぼざろ)は、原作改変の成功例として名があがりやすい作品です。「まんがタイムきららMAX」で連載しているはまじあき先生の同名4コママンガが原作で、2022年にアニメ化されました。極度の人見知りである主人公の「ぼっちちゃん」こと後藤ひとり(CV:青山吉能)が「結束バンド」に加入し、3人の少女とともに成長していく物語です。
原作が4コマということもあり、アニメ化では大幅に肉付けされています。アニメ第1話の冒頭では、小学校の遠足で友達がいないぼっちちゃんが先生とお弁当を交換したり、中学で部活に入らずにすぐ帰宅したりと、ぼっちちゃんが「陰キャ」な少女であることを印象付けました。原作では、中学時代はわずか3ページで描かれています。
ほかにも、伊地知虹夏(CV:鈴代紗弓)に「結束バンド」のサポートギターを依頼された際に人見知り全開で接してしまったものの、虹夏達が暖かく次回以降に期待を持たせる発言をしてくれた際に、ぼっちちゃんの「私、次も居ていいんだ」という心の声が追加されています。
また、同じような悩みに葛藤する喜多郁代(CV:長谷川育美)に寄り添う心の声が多数追加され、原作に登場した弾き語りに曲が付いたことで、キャラクター性や成長が分かりやすくなりました。また、原作では別の回になっている話を関連付けて1話分にまとめたことで、メンバーたちが「結束バンドらしさ」を重視していることが伝わるように構成された部分もあります。
ファンからも「制作側が原作をしっかり理解したうえでの改変」「良改変すぎて違和感ない」「原作の良さを消さない改変」など高い評価を受けていました。
(LUIS FIELD)
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