『Zガンダム』恫喝に暴力に非人道的命令…不適切司令官「バスク・オム」の横暴を見よ
マグミクス / 2024年5月23日 6時25分
![『Zガンダム』恫喝に暴力に非人道的命令…不適切司令官「バスク・オム」の横暴を見よ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_233000_0-small.jpg)
■激ヤバ! 常軌を逸したハラスメントの数々
『機動戦士Zガンダム』に登場するティターンズの総司令官「バスク・オム」といえば、軍事作戦は非道、部下への対応も外道な不適切上官です。そのクズっぷりは、放送中もそのあとも視聴者のヘイトを一身に集めてきました。改めて、彼がおかした数々の蛮行や常軌を逸したハラスメントを振り返りたいと思います。
●世間の英雄視が鼻につく? ブライト・ノアにハラスメント総司令官バスク
『機動戦士Zガンダム』がスタートしてすぐのことでした。前作『機動戦士ガンダム』で描かれた「一年戦争」にて、「ホワイトベース」を指揮し英雄視されていた「ブライト・ノア」が、スペースコロニーのサイド7「グリーン・ノア1」で戦闘行為が行われたことの苦情を告げに行くと、バスクは黙ってグーパンチをお見舞いし、「一般将校は黙っていろ!」と、パワハラの火の玉ストレートをぶちかまします。その後、一緒にいたティターンズの「カクリコン」らもブライトに殴りかかる暴挙に出ますが、バスクは黙認しました。
さらに、バスクのブライトへのハラスメントは続きます。バスクが「ジャミトフ」への親書を届けるよう、ブライトへ依頼した際のことです。その親書をブライトが受け取ろうとすると、バスクはひょいとひっこめ、ブライトが空振るという、とても大人がするようなこととは思えない意地悪をします。
これにはブライトもイラっとしますが、こともあろうにバスクは「どうしたか?」とすっとぼけました。わかりやすい嫌がらせに、視聴者も「こいつ嫌い」となったことでしょう。
●非人道的な「あたおか」作戦もへっちゃらで命令するサイコパス総司令官バスク
かつて「サイド1」で起こった反連邦デモを、禁止されている毒ガスで鎮圧、住民を虐殺したとされているバスクは、その後も非人道的な作戦をへっちゃらで命じます。
『Z』の物語序盤、「ガンダムMk-II」を奪われたバスクはこれを奪還するため、この件に関与した本作主人公「カミーユ」の両親を人質として拉致します。そしてエゥーゴに対し、Mk-IIとカミーユを引き渡さなければ人質は殺すと脅迫、カミーユの母「ヒルダ」をカプセルに閉じ込め宇宙空間に放出しました。
Mk-IIで救出に向かったカミーユは、「カプセルの中身は爆弾」と聞かされていたティターンズの「ジェリド・メサ」による砲撃で、カプセルごと爆散するヒルダを眼前にします。
このバスクのやり口に、エゥーゴの創設者「ブレックス准将」は「破廉恥」と激怒し、さらにこれに不信感を抱いた「エマ・シーン」は、ティターンズからエゥーゴへ寝返ることとなりました。
ほかにもバスクは、えげつない作戦を部下に命じています。コロニーレーザーを多くの人が住むコロニーにぶっ放したり、エゥーゴからティターンズに寝返った「レコア・ロンド」の忠誠心を試すため、コロニーへの毒ガス注入を命じたりと、もはや人としてどうかしちゃってる作戦にも、気に病む様子は微塵もありませんでした。
■高身長から振り下ろす鉄拳の毒牙はあの女性パイロットにも……
バスク・オム鉄拳制裁被害者その2、レコア・ロンド(左下)。バンダイナムコフィルムワークス『機動戦士ZガンダムII -恋人たち-』BD (C)創通・サンライズ
●女性を躊躇なしでぶん殴るバイオレンス総司令官バスク
バスクのブライトへの理不尽なグーパンチもひどいものですが、それは周囲の人間にも及んでいます。戦闘時にピンチとなった際、取り乱したバスクに副官の男性が「冷静に」と諫めると「わしに指図するな!」と腰のひねりをきかせた鉄拳を顔面に叩き込み、副官は吹っ飛んでいきました。
さらに看過できないのが、女性であるレコアへの暴力です。先に述べた、毒ガス注入作戦を命じられたレコアが「他にも忠誠心を試す方法はあるはずです」と異論を唱えると、その顔面へためらいの無いグーパンチが飛びます。
そしてバスクは「我々は人殺しの集団ではない。一刻も早い平和を願っていることを忘れんでな」と、何のフォローかよくわからない、感情の起伏も受け止めきれないひと言をレコアに伝えたのでした。
バスクといえば、部下の「ジャマイカン」やエマと並んだ際にうかがえる高身長の人物であり、その高さから振り下ろす拳は、威力も高いことでしょう。それにもかかわらず、暴力もいとわない姿勢……現在であればコンプラ違反も甚だしい総司令官ではないでしょうか。
『機動戦士Zガンダム』が放送されたのは、昭和末期で、鉄拳制裁がぼんやり許容されていた時代背景もあったことでしょう。また「軍人」という、一般人には到底わからない規律や人間関係もあるでしょう。
それらを加味したとて、高レベルなハラスメントを一手におかすクズっぷりであり、むしろ清々しさすら感じられます。あまりに不適切すぎて、総司令官バスク・オムの部下には、絶対なりたくはありませんね。
(南城与右衛門)
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