「え、これもガンダム?」未見の人はきっと驚く『Gガン』のブッ飛んだ「ガンダム」!
マグミクス / 2024年5月24日 6時25分
■まるでガンダム万国博覧会! クセ強過ぎる「モビルファイター」
1994年から1995年にかけて放送されたTVアニメ『機動武闘伝Gガンダム』は2024年に放送30周年を迎えました。これを記念して外伝シナリオが今夏から展開されることも決定し、同作を巡る環境はふたたび盛り上がっています。
この『Gガンダム』はシリーズ内で、(SD作品を除いて)初めて「宇宙世紀」以外を舞台とした作品です。ただ、それ以上にインパクトの強い要素が多く、放送当時は大きな話題を呼びました。
なかでも、本作で「モビルファイター」と呼称するロボットは、それまでのガンダムシリーズのモビルスーツとは一線を画したものであり、本作を象徴するものといえるでしょう。宇宙に浮かぶスペースコロニー国家を代表して「ガンダムファイト」に臨んだそれらモビルファイターのなかから、特に強烈な3体を見ていきます。『Gガンダム』未見という人も、その魅力の一端を感じてもらえるのではないでしょうか。
●月に代わってお仕置きしちゃう? 「ノーベルガンダム」(ネオスウェーデン代表)
物語の中盤から登場するサブヒロインの「アレンビー・ビアズリー」が搭乗する「ノーベルガンダム」は、多くの人の記憶に残っているはずです。セーラー服のようなボディと金の長髪のような部分は、当時ブーム真っ只中だった『美少女戦士セーラームーン』の影響……というかパロディでしょう。そのわりに、なぜかリボンやフラフープといった『セーラームーン』に関係のない武装である点も微笑ましいところです。
ただし見た目のインパクトだけでなく、本編での見せ場も相当なものがあります。メインキャラクターである「アルゴ」の「ボルトガンダム」を秒殺し、主人公の「ドモン」とは戦うだけでなく、タッグを組むこともありました。暴走状態になる「バーサーカーモード」が搭載されていたり、「DG細胞」を植え付けられて「ウォルターガンダム」に変異したりと不憫な面もありますが、最終決戦時にも予備機で加勢するなど最後まで出番があり続けた印象的なモビルファイターです。
●初見は絶句必至! 「マンダラガンダム」(ネオネパール代表)
見た目の衝撃度では、ネオネパール代表の「キラル・メキレル」が乗る「マンダラガンダム」も負けていません。ガンダムタイプの顔ながら頭には仏像に見られる螺髪(らほつ、巻き髪のこと)、胸部はかろうじてガンダムタイプの範疇ですが、そこから生える腕と腹部は、数珠をイメージしていると思しき見た目で、下半身はお寺の鐘です。かつてジオングの足について「あんなの飾りです」と言った整備士もツッコみたくなるであろう、ブッ飛んだデザインといえるでしょう。「ビーム・サーベルを仕込んだ錫杖」という武器もイカしています。
パイロットのキラルは、盲目ながら「死神」と呼ばれる一流の殺し屋という強設定通りの戦闘能力で、対戦前に相手を暗殺することで不戦勝するというとんでもない存在です。しかしドモンの暗殺には失敗し、マンダラガンダムに乗ってのガンダムファイトでも敗退しました。
そのような彼もこの戦いを通じて改心し、最終決戦ではほかのガンダムファイターを率いて戦い、勝利後にはノーベルガンダムと一緒に宇宙にハートマークを描き、晴れてカップルとなったドモンと「レイン」を祝福するという役どころで、メインキャラクター以外では屈指の存在感を発揮しました。
●見た目に騙されるな! 「ネーデルガンダム」(ネオオランダ代表)
「各国を代表するからそれっぽいモチーフを使おう」という安直、もといストレートなノリが楽しい『Gガンダム』、、ネオスペイン代表の「マタドールガンダム」(当然ながら頭が牛)やネオインド代表の「コブラガンダム」(巨大な壺から出てきて、頭から背中にかけてのコブラ部分が分離する)といった辺りがまさにそれ。その究極と言えるのがネオオランダ代表の「ネーデルガンダム」で、胸部の風車がトレードマークです。
パイロットの「ルドガー・バーホーベン」は、この機体の風車小屋になるという変形機能を活かし、各地でガンダム同士が11か月間戦い抜く「サバイバルイレブン」を偽装によってやり過ごすという策士な一面を見せました。またネーデルガンダムには同型機が多数あり、一斉に飛び立つ様子を覚えている人もいるのではないでしょうか。
ちなみに2016年には、長崎県佐世保市にあるオランダがモチーフのテーマパーク「ハウステンボス」で、隠されたネーデルガンダムのSDイラストを探す「ネーデルガンダムをさがせ!」というイベントが実施されました。本編でさほど活躍しないロボットが有名施設の企画で扱われたこの出来事こそ、『Gガンダム』の根強い人気を示すものはないでしょうか。
●あなたはどのモビルファイターが好き?
ここまで挙げてきたのはあくまで一部であり、ほかにも「テキーラガンダム」(ネオメキシコ代表)や「マーメイドガンダム」(ネオデンマーク代表)など、『Gガンダム』には機体名だけで想像力を刺激されるモビルファイターが多数登場します。
放送から30年経ってもそのインパクトは歴代「ガンダム」シリーズでも屈指であり、つまりキャッチーであるのは確か。「ガンダム」シリーズファンながら『Gガンダム』は未見という人はもちろん、シリーズの入口として初心者に勧めてみるのも悪くはない選択肢かもしれません。
(はるのおと)
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