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『フリーレン』放送終了後に分かった日テレアニメ枠の成功例 なぜ深夜が当たるのか

マグミクス / 2024年5月31日 21時40分

『フリーレン』放送終了後に分かった日テレアニメ枠の成功例 なぜ深夜が当たるのか

■新たな深夜枠は定着しつつあるのか

 2024年現在、地上波各局はアニメに力を入れており、放送枠を拡大しています。なかでも日本テレビは金曜の23時15分から『葬送のフリーレン』を放送して成功をおさめ、後番組である『転生したらスライムだった件 第3期』も高視聴率を叩き出しています。金曜の深夜にアニメを見る習慣が生まれたのでしょうか。

 近年、コンテンツとしてのアニメの存在感は日に日に増す一方です。TBSは2024年度の抱負として挙げた「テレビ番組を強くする」施策のなかでアニメの強化を重視すると宣言し、4月より全国同時放送枠をこれまでの3枠から5枠へと拡大しています。

 テレビ朝日も新経営計画「2023-2025」内に”アニメ枠を増設する方向で作業中”との文言が盛り込まれており、さらにオリジナルヒットIPの開発や有力原作のアニメ化権を獲得するとの目標を掲げています。TV局がアニメは視聴者を引き付ける重要なコンテンツと考えていることが伺えます。

 これらの動きに先んじて動いたのが、日本テレビです。2023年10月から放送された『葬送のフリーレン』の初回を「金曜ロードショー」枠を使用する大胆な手法で衝撃を与え、その後は金曜ロードショーの後の時間帯に増設された「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」枠で放送を継続し大きな成功を収めました。

「フリーレン」の後番組としては『転生したらスライムだった件 第3期』が放送されており、視聴者がどのような反応を見せるか注目されていました。1話が金曜ロードショーで放送されたわけでもないにも関わらず、5月17日放送分の視聴率は関東地区の番組平均世帯で3.1%と深夜帯としてはかなり高い数字を叩き出しています。「金曜ロードショー」の後にアニメを見る形が定着しつつあると考えても良いかもしれません。

 アニメの深夜枠は1963年にフジテレビが放送した『仙人部落』から始まった長い歴史を持つ文化です。ただし現在のように多種多様なアニメが放送されるようになったのは1996年の『エルフを狩るものたち』が最初期の例であり、1997年に再放送された『新世紀エヴァンゲリオン』で火が付いたという経緯があります。

●深夜アニメの話題が配信への導線として機能する

 また1990年代から2010年代まではDVDなどの関連商品を売るマニア向けの商売であり、一般層へのアプローチが強化され始めたのはコロナ禍での『鬼滅の刃』の大ヒットが大きな影響を与えています。

 アニメは現状、配信での視聴が主流となっています。しかし配信の場合、過去と現在の膨大な作品群のなかに埋もれてしまう可能性もあり、新作を見てもらうための導線をどう引くのかが大きな課題となりました。

 導線を引くためにはSNSで話題になるのが重要ですが、配信の場合は視聴者がそれぞれ好きなタイミングで見ることになり、ネタバレへの配慮から内容の投稿がしづらく、盛り上がりを作れないという欠点があります。2022年にNetflixで配信された『TIGER & BUNNY 2』は前作が非常に高い人気を誇っており大いに期待されていましたが、配信が始まってもほとんど話題に上らない状況となり、関係各所に大きな衝撃を与えました。

 アニメを話題とするには出来るだけ多くの人が同じ時間に見なければいけません。つまり多くの人が家にいる時間帯である深夜放送が重要となります。同じタイミングで同じアニメを観て、SNSで感想を書き込んで盛り上がる流れを作る最初の段階として、TVは極めて重要なポジションを占めています。

 SNSで盛り上がり、話題となれば興味を持つ人が増え、配信の視聴へとつながります。配信の視聴により、さらに人気が拡大すればコンテンツ及びキャラクタービジネスも強化され、街がアニメで彩らるようになるのです。

 かつては子供向けとして侮られていたアニメですが、コンプライアンスの強化や度重なるコストカットにより自由な番組作りが出来ないTV局にとっては、極めて重要なコンテンツとなりました。

 あとは上がった利益が現場に回り、さらなる人材を呼び込む流れを作ることが出来たなら、アニメの地位はより向上することになるでしょう。

(早川清一朗)

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