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『鬼滅の刃』錆兎と煉獄さんは似ている? 最終選別を生き延びたらどうなっていたのか

マグミクス / 2024年5月29日 20時10分

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■錆兎は富岡義勇にとって特別な剣士

 現在放送中のアニメ『鬼滅の刃』は、最終決戦に向けて力を蓄える「柱稽古編」へと突入しています。2話「水柱・冨岡義勇の痛み」では、「水柱 冨岡義勇」の過去が深掘りされ、最終選別で命を落とした「錆兎(さびと)」のアニオリ描写が注目を集めました。

 では、もし錆兎が生きていたら、どれくらい強くなったのでしょうか。

●新入隊員としてずば抜けた力を持っていた

 鬼を狩る私設組織「鬼殺隊」に入隊するには、選別に合格しなければなりません。その最終選別となるのが「藤襲山(ふじかさねやま)」で7日間生き延びるというものでした。

 鬼が嫌う藤の花に1年を通じて囲われる藤襲山には、鬼殺隊が捕まえた鬼たちが閉じ込められており、入山者に襲いかかります。候補者は7日間にわたって自分たちを殺そうとする鬼たちから身を守らなくてはなりません。これから鬼を倒そうという隊員候補者に対する試験としては相当に厳しいものだといえるでしょう。

 この最終選別において義勇と錆兎は13歳の同期でした。錆兎の実力は同期の候補者と比べて隔絶しており、自分の身を守るだけでなく、多くの鬼を斬って候補者全員の命を守り抜きました。そのなかには負傷して1体も鬼を斬れなかった義勇も含まれます。

 ところが錆兎自身は、この最終選別で命を落としました。義勇にとって、生き残ってしまった罪悪感が鬼を斬るモチベーションだったことは間違いないでしょう。しかし誰もが認める実力者となってなお、義勇は自分よりも強い錆兎こそ最終選別を突破して水柱になっているべきだったという思いにとらわれています。最終選別から8年を経ても、義勇にとって錆兎の存在は重いものでした。

 もし仮に錆兎が生き延びて順当に力をつけ、水柱になったとします。しかし義勇ほどしぶとく生き延びて鬼殺隊の最終目標である「鬼舞辻無惨」を追い詰めるまで活躍できたかというと、一抹の不安や疑念が残るでしょう。

 その原因は高すぎる理想と自己犠牲心にあるかもしれません。実は錆兎と元炎柱「煉獄杏寿郎」は良く似ています。ふたりとも本人が強者であることに自覚を持ち、弱者を守る規範意識が強いという共通点があるからです。

 映画『鬼滅の刃 無限列車編』において、煉獄さんは脱線する列車の衝撃を弱めるため呼吸技を連発して消耗しながらも未熟な「炭治郎」と「伊之助」を守り、上限の鬼「猗窩座(あかざ)」に敗北しました。錆兎もまた候補者を助けるため無数の鬼を斬り、自分自身は鬼に敗れています。おそらく錆兎は本来、鬼殺隊に入隊すべきでない人物まで救っていたことでしょう。

 煉獄さんや錆兎は自分自身の生命や成長よりも、弱者の救済を志向する傾向があるのです。ふたりとも、自分が戦いに勝つことだけを目指していれば、最後まで生存していたかもしれません。

 このような人物が無惨との最終決戦で、命を落としながら肉の盾になったり、無謀な突撃を繰り返したりする隊員たちの思いを受け止められたでしょうか。増え続ける犠牲に耐えかねて、自分が一般隊員の盾になって命を落としたかも知れません。

●非合理的な選択が奇跡を引き寄せる

 高いポテンシャルを持ちながらも強者の規範意識によって命を落とした錆兎や煉獄さんは、ある意味で非合理的な選択をした人物といえます。彼らが救った命が自分たち以上の「価値」を生み出すか否かは分からないからです。

 少なくとも錆兎が藤襲山で救った隊員は、義勇を除いてほとんど錆兎以上の実力を持ちえなかったように見えます。しかし義勇でなければ鬼になった妹「禰豆子」をかばう炭治郎を信じきれたでしょうか。実力不足で「錆兎を死なせた」意識がある義勇だから、炭治郎に過去の自分を見て叱咤できたように思えます。また霊となった錆兎が鍛え、煉獄さんが命を救ったことで炭治郎は無惨討伐に大きな役割を果たしました。

 錆兎が剣士としてどれくらい強くなれたのか定かではありませんが、結果からみれば、錆兎と煉獄さんが払った自己犠牲はより大きな目標に向けて必要なプロセスだったといえます。自分以外の人のために戦い、命を捧げる姿勢こそ、錆兎や煉獄さんを含む鬼殺隊の強さであり、それだけがエゴの塊である無惨を倒せるのです。

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記
※禰豆子の「禰」の字は、「ネ」+「爾」が正しい表記

※記事の一部を修正しました。(2024年5月29日23:09)

(レトロ@長谷部 耕平)

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