『ワンピ』海王類の正体は？ 「大昔に存在していた元人間」説はホント？

■最新展開で衝撃の事実が？

※この記事は『ONE PIECE』最新単行本108巻以降のネタバレを含みます。

　人気マンガ『ONE PIECE』の世界には、「海王類」という海に生息する巨大な生物が存在します。個体によっては島ほどのサイズもあるこの海王類は、彼らと会話のできる「古代兵器ポセイドン」の力によって、世界を海に沈めるほどの力を持つとされています。そして、最新展開では「海」に関連する衝撃の新事実が明かされたことにより、海王類に注目が集まっているようです。

　その新事実とは、天才科学者「Dr.ベガパンク」が全世界に向けての配信で発言した「世界は……（今後）海に沈む」（1113話）、「世界は一度海に沈んだ」「我々は今かつての『大陸の断片』の上に暮らしておる」（第1115話）などの情報です。なんと、海が大部分を占め島々が点在する今の作中世界は、かつてあった大陸が沈んだ後の世界とのことでした。

　この発言により、「じゃあ海王類は海面が上昇する前はどこにいたの？」という、疑問の声も出てきます。ベガパンクの発言によれば、海面は1000年前より200mも上昇したとのことで、そうなる前の、大陸がもっと大きかった世界ではたしかに海王類が生息する余地がなさそうです。この海面上昇は800年前の「世界政府」樹立前の、詳細不明な時代「空白の100年」の間に起きた、「天変地異（ベガパンクによれば「人為的災害」）」によるものでした。

　今回話題になった海王類は、基本的に「グランドライン（偉大なる航路）」を挟む「カームベルト（凪の帯）」という海域をすみかにしており、そこに船が入ると、大型の海王類が襲ってくるので、うかつに航海することはできません。

　定期的に登場するもまだ情報が少ない海王類に関して、ファンの間では以前より「海王類は『空白の100年』に関連して重大な内容に関わっている」という考察がされてきました。

　その考察のなかには、「海王類はもともと人間だった」という説もあります。海王類は古代兵器ポセイドンそのものだった魚人島の王女「しらほし」と会話できるほか、「モンキー・D・ルフィ」や「ゴール・D・ロジャー」、「光月おでん」など作中で数人だけが海王類の声を聞き取れるなど、なぜか人間の言葉で意志の疎通が可能です。

　また作中では、かつて「ゴーイングメリー号」を額に乗せた「マダラ」と呼ばれる個体など、同じ見た目をした海王類が別の場所でも確認されています。このことから作者の尾田栄一郎先生が、海王類にも明確なキャラクター設定をしているのではないか、と考えられてきました。

　これまで世界政府の樹立前には、高度な文明を持った「ある巨大な王国」と呼ばれる国があったことが語られています。もしかすると、海王類は「空白の100年」の前に、その王国に生きていた人間であったという可能性も捨てきれません。

　他にも、海王類は、しらほしのことを「ぼく達の王」「ぼくらもずーっと待っていた」といっており、過去にしらほしの祖先の魚人たちと王国で暮らしていた可能性も考えられます。

　ネット上でも「カームベルトはもともと大陸だった場所で、海に沈んだからそこに住んでいた人たちが海王類としてくらしているのでは？」「ズニーシャが元人間って説があったけど、海王類もそんな感じなのかな」という声が挙がっており、「海に沈む」ことと「海王類」の関係性や、大昔に犯した「罪」のせいで長年歩き続けているという巨大な象「ズニーシャ（象主）」とのつながりも話題になっていました。

　何かしらの力で人間が巨大生物に変えられたとなると、やはり「悪魔の実の能力」が連想されます。「ドレスローザ編」で登場したドンキホーテ海賊団の幹部「シュガー」は、人間をおもちゃに変える「ホビホビの実」の能力で、ドレスローザ王国の人びとを10年もおもちゃに変えていました。ホビホビの実にはさらに、おもちゃにされた人間に関する記憶が世界中の人びとから消える、という恐ろしい力もあります。この効力はシュガーが気絶するまで、ずっと継続されていました。

　たとえば世界政府の頂点にいる謎の存在「イム様」が、ホビホビの実をはるかに上回る恐ろしい悪魔の実の能力者で、「ある巨大な王国の住民を海王類に変え、世界中の人びとの記憶を改ざんし続けている」ということも考えられるのではないでしょうか。今後、ベガパンクの口から、さらにイム様にとって知られたくない情報が語られるかもしれません。

　まだまだ詳細不明な海王類ですが、今後、彼らの謎が明かされることはあるのでしょうか。もし元人間なら、完結までには元の姿を取り戻してほしいものです。

（LUIS FIELD）