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生きていたラスボス、可愛がってた動物射殺 ラストが後味悪すぎたアニメ

マグミクス / 2024年6月2日 16時10分

生きていたラスボス、可愛がってた動物射殺 ラストが後味悪すぎたアニメ

■最後の最後で残酷な事実が明かされる?

 アニメ作品は話が進むにつれて諸悪の根源や真実が明かされていき、ラストでそれらの問題が解決されるというのが王道の展開です。しかし、なかには、最終話でショッキングな事実が判明し、せっかく全話観終わった後でも、心にモヤモヤが残る作品も存在します。

 最終話視聴後に後味が悪かったアニメといえば、OVAとして作られた『絶対衝激 ~PLATONIC HEART~』が印象的です。人気イラストレーター、八宝備仁さんのキャラクター原案を元に誕生した、「コスプレ美少女セクシーバトルアクション」の複数企業によるコラボレーションプロジェクトの一環で、OVAのほかに、ゲーム、パチスロ、マンガも作られました。

 主人公で女子高生の「伊勢島綾」は、どんなものでも叶えてくれると語り継がれる幻の宝石「プラトニックハート」を争奪する戦いに巻き込まれ、強敵たちと拳を交えていきます。しかし、最終第5話では、友達だったはずの「美子」によって、綾が倒してきた相手は、敗北後に人身売買のオークションにかけられることを伝えられるのです。

 美子が真実を明かした際には、綾の目の前にその敗北者たちが集められており、まともな精神状態ではなく廃人と化していました。なかには、病にかかった弟の治療費のために戦っていたキャラもいます。その衝撃の事実を知り、多くの視聴者が暗い気分になったことでしょう。

 さらに裏切りは続き、綾の親友である「本間棗(なつめ)」と、その兄「治基(はるき)」が登場し、美子と本間兄妹は綾に復讐するために近付いたことを打ち明けられます。綾の父は「プラトニックハート」というビジネスを生み出した張本人で、過去の戦いには綾の母や、棗の母、美子の母も参加していました。

 親の世代も絡んだ壮絶な悲劇が明かされたのちに、残酷なバトルも描かれ、かなり後味が悪い作品として有名です。

 暗い真実が明かされた展開のほかには、最終話で「倒したラスボスが生きていた」という絶望を突きつけた作品もあります。森山大輔さんが手がけた、同題マンガを原作とするTVアニメ『クロノクルセイド』が有名です。

 舞台は1928年のニューヨークで、悪魔退治を専門に扱うマグダラ修道会のシスターである「ロゼット・クリストファ」と、その付き人「クロノ」は、合衆国の外から物に取り憑いて侵入しようとする悪魔を阻止しようと奔走します。

 最終話ではラスボスである「アイオーン」を倒した後の様子が描かれ、ロゼットとクロノは契約に基づいた死期によって永遠の眠りにつくのでした。

 しかし、ニューヨーク株式市場が未曽有の大暴落を迎えたエピローグでは、「俺は欲望が生み出す永遠だ」といったセリフとともに、人混みのなかにまぎれるアイオーンの姿が描かれました。最後には「我々は神の示す道の前で、ただ呆然と時代を見ているしかない…」というテロップが登場して、物語は幕を閉じます。やっとのことで倒した宿敵が生きていた、あるいは復活したという事実は、視聴者に大きな衝撃を与えたことでしょう。

 そして、後味の悪さを感じてしまう最終話といえば、『子鹿物語』も外せないでしょう。同作はマージョリー・キナン・ローリングス氏による童話『子鹿物語』を原作としており、1807年のアメリカのフロリダ州を舞台に、主人公の少年である「ジョディ」と子鹿の「フラッグ」との暮らしを描いた作品です。

 世界名作劇場『あらいぐまラスカル』のように、最終的にお世話した動物を自然に返すかと思いきや、最終話では成長して作物を荒らすようになったフラッグを射殺する展開が描かれました。ジョディの母が発砲するも、フラッグは死に至らず、最後にはフラッグとともに仲良く過ごしたジョディの手によって止めが刺されます。

 まさかのバッドエンドを迎えた『子鹿物語』には、「最終話を見た時、言葉を失った」「ラストが予想だにしてない悲劇で、今もトラウマとして心に残ってる」などの声があがっていました。

 ここまで振り返った作品のラストは、確かに心が晴れるような結末ではないですが、現実世界というのは理不尽なことも起こりえるため、人生や社会においての「残酷さ」や「不条理」を描いたと思えば、作品を通して得ることもあるのではないでしょうか。

(LUIS FIELD)

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