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「改変が的確」「まんま出てきた」好評な「全1巻」マンガの実写化 短い方が良い?

マグミクス / 2024年6月7日 20時5分

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■原作者も絶賛した実写化

 毎年何本も作られるマンガの実写化映画のなかで、「長編マンガ」の実写化は、約2時間の尺に収めるために大幅に改変されてしまうことも多いです。また、1作で完結せずに、続編まで時間が開いてしまうこともありました。

 一方「短編マンガ」は、最後の話まで映画1本で完結するものがほとんどで、すぐに最後まで観たい人におすすめです。今回は、「全1巻」の原作を実写化し、高い評価を得た作品を振り返ります。

●『カラオケ行こ!』

 2024年1月に公開されたばかりの映画『カラオケ行こ!』は、和山やま先生の同題マンガが原作で、綾野剛さんが主演を務めました。綾野さん演じる絶対に歌を上達させなければならないヤクザ「成田狂児」が、オーディションで選ばれた新人の齋藤潤さん演じる変声期に悩みながらも合唱部部長を務める「岡聡実」にレッスンしてもらい、友情が芽生えていく物語です。

 今回の実写化に和山先生本人が公式サイトに「漫画では描けなかったキャラクター達の生活や在り方が、空気感はそのままに繊細に肉付けされていて感動しました」とコメントしています。

 映画版は原作をただ実写化したわけではなく、「ヤクザと中学生の交流」というコンプライアンス面で危うい部分を中和させるための改変や、合唱部の各キャラクターの掘り下げ、完全オリジナル要素の「映画部」の描写など、さまざまな要素を肉付けしながら構成されていました。

 また、「映画『カラオケ行こ!』シナリオブック」では、脚本担当野木亜紀子さんが監督の山下敦弘さんに、映画オリジナルの合唱部の女子たちの描写に関して、同じ和山先生作品の『女の園の星』の女子高生たちをイメージして演出してほしい、と伝えたことを明かしています。そういった、原作および作者へのリスペクトある工夫も盛り込まれ、ファンからも初見の観客からも好評が相次ぎました。

「原作の広げ方がしっかりしているので楽しめた」「マンガのキャラがそのまま出てきたと思うくらいの違和感のなさ」「実写ならではの『歌唱』シーンが全部面白いし、エモい」と絶賛されています。

●『森山中教習所』

 2016年に実写化された『森山中教習所』は、「月刊!スピリッツ」で連載されていた真造圭伍先生のマンガが原作です。野村周平さんと賀来賢人さんが初共演し、W主演を務めました。

 野村さん演じる能天気な大学生「清高」と、賀来さん演じる根暗なヤクザの組員「轟木」は高校の同級生で、交通事故を機に再会します。再会したふたりが運転免許取得を目指して同じ教習所に通い、友情を深めていく青春ドラマです。

 友情だけでなく麻生久美子さん演じる教官「サキ」に恋する清高の恋愛模様や、ヤクザを続けていいのかと葛藤する轟木の姿といった人間味あふれる登場人物たちにも注目です。また、野村さんと賀来さんの正反対なふたりの掛け合いのテンポの良さや、野村さんの「アホすぎる主人公」の演技に思わずクスッとしてしまいます。

 のんびりとした田舎が舞台で、ほのぼのとした原作の雰囲気をしっかり映像化されており、「見てると穏やかな気持ちになってくる」「ひと夏の思い出がエモい」と、こちらも好評を得ました。

■NHKドラマからの映画版も成功!

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ポスタービジュアル (C)2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

●『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

 荒木飛呂彦先生の人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフである『岸辺露伴は動かない』は、高橋一生さん主演で2020年から定期的に実写ドラマ化され、高い評価を受けてきました。そして、2023年には「ルーヴル美術館」を舞台にした、マンガ『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が実写映画化されています。

 スタンド使いの漫画家「岸辺露伴」は、青年時代に恋した女性「藤倉奈々瀬」(演:木村文乃)から「この世で最も黒い絵」の存在を知らされました。露伴はこの絵がルーヴル美術館にあることを聞きつけてフランスを訪れ、「黒い絵」が引き起こす怪事件に対峙していきます。

 原作がルーヴル美術館の主催する「バンド・デシネプロジェクト」の一環で描かれた同作は、ルーヴルでのロケも行われ美しいロケーションも楽しめます。また、原作にはいないオリジナルキャラを入れて謎解き要素を加えたほか、ルーヴル美術館の消防士を美術品を盗む悪人に変えて、原作のように普通の人が殺されていくのではなく悪者を罰するように描く、といった改変がありました。また、「黒い絵」の作者、山村仁左右衛門にまつわる「悲しいエピソード」も加えられています。

 2023年6月に行われた、TOHOシネマズ池袋での「ティーチイン付き上映会」での脚本の小林靖子さんの談によると、これらは原作者の荒木先生からの要望によるものだったそうです。

 これらの改変のおかげもあって、大規模公開される大作娯楽映画として、ホラーの風味もありつつあまりモヤモヤが残ることなく見終えられる作品となったのではないでしょうか。

「原作ではルーヴルに同行していない泉京香(演:飯豊まりえ)の使い方もうまい」「黒い絵が生まれた経緯の納得度が上がった」と、ドラマシリーズに続いて高く評価されています。

(LUIS FIELD)

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