作者自身も「ひどかった」と認める 初期と比べて絵の変化がすごいマンガ
マグミクス / 2024年6月3日 17時25分
![作者自身も「ひどかった」と認める 初期と比べて絵の変化がすごいマンガ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_234996_0-small.jpg)
■「ここまで作画進化したマンガ、見たことない!」
前評判で「面白い」と分かっていても、絵がイマイチ好みでないマンガは、なかなか読む気になれませんよね。とはいえ、同じキャラでも「もはや別人では?」と思わせるほど、絵が進化していく作品もあります。ネット上で「上達具合が異常」「後半の作画は神」と評判の、「初期からの絵の変化がすごいマンガ」を4作品、みてみましょう。
●『烈火の炎』
『烈火の炎』は、忍者に憧れる高校生「花菱烈火」が主人公です。烈火は炎を生み出す能力を持っており、自分の出生の謎や運命に、段々と巻き込まれていきます。絵に関しては作者の安西信行先生も「初期は本当酷いので、そこを乗り越えて見てください!」と、自虐しています。
連載当初の絵柄はかなりシンプルで平面的ですが、後期は目が大きくなり顔や体全体のバランスが取れて、立体的になっています。読者の間でも、「絵の成長速度がすごすぎる」「初期の絵を耐えれば、その先は最高だから!」と話題になるほどです。
その目覚ましい上達ぶりは、安西先生の言うように「前のコミックスを超える物を作る事をいつも意識してる」からではないでしょうか。初期の絵柄で読むのをやめず、「とにかく最後まで読んでほしい」との声が多い本作、ぜひその上達スピードと共に追ってみましょう。
●『進撃の巨人』
人間を食らう巨人との戦いを描く『進撃の巨人』は、その緻密なストーリーに反し、「絵が下手」との声がよく聞かれました。しかし全34巻にわたる連載を通して、画力が着実に向上し、巨人たちとの激戦を繰り広げる終盤には、大迫力の作画となっています。
初期は人の描写に硬さがあり、キャラの顔も陰影のない平面的なものでしたが、連載が進むにつれ奥行きが出ています。また、巨人の描写も筋肉や骨格の表現がよりリアルになり、その恐ろしさが際立つようになりました。
『進撃の巨人』の元となった読み切り作品は、編集者から「絵に力がある」と評価されていたそうです。その反面、諫山先生ご自身は「(絵が)プロを目指せるレベルではなかった」と考えていたのだとか。そこからの上達の裏には、大変な努力があったのではないでしょうか。
■絵だけでなく作品の内容に変化も
著:久米田康治『行け!!南国アイスホッケー部』第1巻(小学館)
●『行け!!南国アイスホッケー部』
『さよなら絶望先生』でおなじみ、久米田康治先生のデビュー作が『行け!!南国アイスホッケー部』です。初期は「あだち充先生がルーツ」という昔ながらの絵柄でしたが、途中からは『さよなら絶望先生』寄りのシンプルな絵柄に移行しました。
この変化は、作風の変化によるものだったそうです。初期はアイスホッケーをテーマとしたスポーツコメディでしたが、その後は下ネタギャグが中心になりました。そこで久米田先生は「あんまり筋肉とか描くと生々しくなりすぎてしまう」と、絵を簡略化していったそうです。
とはいえ、初期も初の試合シーンで流血騒ぎが起きたり、暴動寸前のブーイングが起きたりと、一筋縄ではいきません。そこから、どう「下ネタギャグマンガ」へ変化していったのでしょうか。キャッチコピーにもある「久米田式お下品攻撃」、本編でご確認ください。
●『はねバド!』
「少女マンガから少年マンガに変わった?」と錯覚するほど、絵柄が大きく変化した『はねバド!』は、高校のバドミントン部を舞台にしています。初期の絵柄はラブコメマンガのようにかわいらしいものの、中盤からはバトルマンガのような、熱さあふれる絵柄に変化しました。
作者の濱田浩輔先生いわく、「個人的にはネームのほうが変わっている」とのことです。「マンガを描くうえで実力不足だった」「本格的なストーリーものを描く自信がなかった」という状態から、「本格的にスポーツをやろう」と考え、それに合わせて絵柄も変えたのだそうです。
絵柄の変化に注目されがちな『はねバド!』ですが、熱いスポ根ストーリーがキャラの心理描写とあいまって、「面白い!」と評判です。絵も初期の時点で、すでにとても綺麗ですので、第1巻から安定して楽しめる作品といえるでしょう。
* * *
絵の変化が大きい作品は、その分作者の努力や創意工夫が伝わってきます。「良い作品にしたい」という、作者の思いの表れなのかもしれません。また、その変化を追うために読み返したくなるのも、魅力のひとつといえるでしょう。気になる作品があった方は、ぜひ読んでみてくださいね。
※配信状況は記事掲載時点のものです。
(新美友那)
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