30年前の春放送のロボットアニメとは? 「批判殺到」「大人の事情で急ぎ足」の衝撃!
マグミクス / 2024年6月1日 8時5分
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■「ガンダムらしくない」と放送当初は非難殺到?
2024年の春アニメは、「豊作」との声が多く『鬼滅の刃 柱稽古編』をはじめとするシリーズものや、『怪獣8号』などの新作も、満足度の高い作品が放送されています。では、いまから30年前、1994年の春アニメはどんなラインナップだったのでしょうか。30年前に放送された作品のうち、「ロボットアニメ」には、一部にとある事情もあったようです。
●『機動武闘伝Gガンダム』
1979年に放送された初代『機動戦士ガンダム』からスタートした「ガンダム」シリーズのなかでも、異彩を放っていた作品といえば『機動武闘伝Gガンダム』でしょう。本作品はシリーズ内で初めて「宇宙世紀」以外を描いた作品で、当時のファンの間でも賛否が分かれました。
本作のあらすじは、荒廃した地球を舞台に各コロニー国家が「ガンダムファイト」なる武闘大会で、「モビルファイター」(ガンダムファイトに使用されるロボット)を駆使して戦うというものです。「ネオジャパン」代表の「ガンダムファイター」(モビルファイターを操縦する各国の代表)で本作の主人公「ドモン・カッシュ」は、実の兄を捜し出すため、武闘大会で激しい戦闘を繰り広げていきます。
放送当初、「ガンダム」ファンの間から「こんなのガンダムじゃない!」という批判の声があがりました。しかし物語が進むにつれ、人間ドラマや、「アルティメットガンダム(デビルガンダム)」を巡る陰謀など重厚なストーリーが描かれ、否定派から肯定派に変わるファンが続出するようになりました。
大手レビューサイトでは、一部肯定派に変わった理由として「設定がガンダムらしくないと思ったけど、確実に新境地を拓いた作品」「終盤の盛り上がりは期待以上だった」などの感想が見受けられます。
また、本作は放送30周年を記念して、総監督を務めた今川泰宏さんによる完全新規の外伝シナリオが2024年の夏に展開されることが発表されています。公式サイトにて本編のサイドストーリーや後日譚を掲載することが予定されており、2024年も目が離せません。
●『覇王大系リューナイト』
『覇王大系リューナイト』は、ファンタジーな世界観で描かれる、サンライズ制作のバトルロボットアニメで、テレビ東京系にて全52話が放送されました。その後、「月刊Vジャンプ」(集英社)でマンガ版も連載されました。
怪物、妖精、巨人、魔法使いなどさまざまな種族が暮らす「アースティア」という世界を舞台に、見習い騎士の主人公「アデュー」が大地にそびえ立つ巨大な剣「アースブレード」を目指し、旅する姿が描かれます。
本作の見どころは、作中に登場するロボット「リュー」の種類の多さです。普段、「ミストロット」とよばれるカードに封印されているリューは、僧侶や騎士などの特性を持ち、それぞれ個性や意思を持っています。
例えばアデューの呼び起こす「リューナイト・ゼファー」は正義感あふれる性格を持ち、高い防御力と攻撃力で敵を蹴散らします。また、アデューの敵で闇の力を操る魔法族の末裔「ガルデン」は、すべてのリューを凌駕する戦闘力と魔法力を持つ「ダークナイト・シュテル」を保有しています。ほかにも、忍者の属性を持った「リューニンジャ・爆烈丸」や、僧侶の属性を持つ「リュープリースト・バウルス」などが登場します。
視聴者からは「ロボットアニメのなかで一番好きだから、いまの時代にリブートしてほしい」「キャラデザ、BGMなどは申し分ないし、王道展開が良かった」といった声があがっています。
■日本神話をモチーフにしたロボットアニメは「急ぎ足」で終わった?
ロボットの顔立ちがはっきりしてる? 画像は「ヤマトタケル 究極DVD-BOX」(スターチャイルド) (C)日本アニメーション
●『ヤマトタケル』
日本アニメーション製作のSFロボットアニメ『ヤマトタケル』は、TBS系にて全37話が放送されました。
25世紀に地球から離れ、惑星「イズモ」に到達した地球人は、その地で最初に授かった子供を「ヤマトタケル(本作の主人公)」と名付けます。地球人がイズモの地に降り立って12年後のある日、タケルは山のなかで巨大ロボット「魔空戦神スサノオ」を発見します。そして、魔獣「ヤマタノオロチ」の復活をもくろむ魔霊士「ツクヨミ」が、スサノオを奪おうとしたことをきっかけに、タケルは宇宙規模の冒険に身を投じていくのでした。
本作には、ヤマトタケル、スサノオ、ツクヨミのように、日本神話にちなんだ名前のキャラクターが多く登場します。また、巨大ロボットのスサノオは他作品の一般的なロボットに比べて、顔立ちがはっきりしており、仏像や神様をモチーフにしたような印象です。
日本神話とSFを見事に融合した本作について、ネット上では「ストーリー構成がしっかりしていた」など物語を称賛するコメントがある一方で、「後半の展開がかなり急ぎ足な感じがした」と一部不満の声も見られました。当初の予定よりも、少ない話数で構成されることになったという説があり、そのせいで後半が慌ただしい展開になったのかもしれません。
TVアニメ最終話から3年後の世界を描いたOVA作品『ヤマトタケル After War』が1995年に製作され、物語は完全に幕を閉じました。また、本作のOP、EDテーマは広く知られる前のビジュアル系バンド「GLAY」が担当しているのもポイントです。アニメの初期EDテーマ、また特撮映画版『ヤマトタケル』の主題歌となった「RAIN」はGLAYのデビューシングルです。
(LUIS FIELD)
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