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なぜこんなハマる? マンガ実写版でイケメン俳優が演じた「イッちゃってる悪役」たち

マグミクス / 2024年6月8日 18時10分

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■イケメン俳優がサイコなド変態に!

 人気マンガの実写化では、キーマンとなる「悪役」に、イケメン俳優たちが起用されることも少なくありません。動員を見込んでのキャスティングもあるでしょうが、いかにも悪役然とした俳優が演じる悪役よりもイケメン俳優が演じる悪役の方が、ハマると背筋がゾクッとするほどの恐怖を生み出すこともあります。

●『ホームルーム』山田裕貴

 ウェブコミック配信サイト「コミックDAYS」で、2018年3月から2020年2月まで配信された人気コミック『ホームルーム』(著:千代)を実写化したドラマは、かなりの話題を呼びました。「ラブリン」の愛称で女生徒たちに大人気の高校教師「愛田凜太郎」が、生徒のひとりである桜井幸子に恋してしまったため、彼女のヒーローになるべく奔走する物語……と説明すると微笑ましい学園ものに思えますが、その内容は背筋がゾクッとする「学園サイコラブコメ」です。

 愛田は桜井のヒーローになるには、彼女が不幸でなければならないと、生徒間のいじめに見せかけて桜井に陰湿ないじめを仕掛けます。そして窮地に陥った彼女を救うという、「自作自演野郎」なのです。

 2020年のTVドラマでそんな愛田を演じた山田裕貴さんは、2011年に『海賊戦隊ゴーカイジャー』で俳優デビューした、子供たちのヒーローです。それから9年で、まさかサイコヒーローになろうとは、時の流れを感じます。

 山田さん演じる愛田の異常な行動はさらに続き、ひとり暮らしの桜井(演:秋田汐梨)のベッドの下に全裸で潜み、桜井がぐっすりと眠り込むと、彼女の足に頬をすり寄せ膝枕で髪をとかし、彼女の歯を磨くなど、やりたい放題のド変態ぶりを披露します。ひとり暮らしの視聴者のなかには、思わず自分のベッドの下を確認した人もいたのではないでしょうか?

 爽やか高校教師と陰湿な裏の顔という二面性を演じきった山田さんに対して、放送時のSNSでは「清々しいほどのド変態」「怖いよ~、でも見ちゃう」「ラブリン役のはまり方素晴らしいです」など、高評価が続出していました。

●『ザ・ファブル』向井理

 俳優の向井理さんも、お茶の間には朝ドラ『ゲゲゲの女房』で演じた、漫画家の水木しげる氏がモデルの「村井茂」役や、大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』での主人公の夫の「徳川秀忠」役で親しまれているように、正統派イケメン役が多くあまり悪役のイメージはないでしょう。大学時代には遺伝子工学を専攻していたという知的なプロフィールも、悪役イメージとはかけ離れています。

 そんな向井さんが強烈な悪役「砂川」を演じたのが、2019年に公開された『ザ・ファブル』(原作:南勝久)です。この配役には、原作ファンから「イケメンすぎる」「禿げていない」と不満の声が上がりました。

 確かに原作の砂川は禿げ上がった中年ヤクザで、向井さんとは似ても似つきません。しかし映画版の『ザ・ファブル』の主要キャストは、主役の殺し屋「ファブル」役の岡田准一さんしかり、ヤクザの「海老原」役の安田顕さんしかり、海老原の舎弟でチンピラの「小島」役の柳楽優弥さんしかり、「総美形化」されていると言っても過言ではありませんでした。設定も少しずつ変わっているので、もはやパラレルワールドの『ザ・ファブル』なのかもしれませんが、そこで悪役版の向井理が光るのです。

 野心が暴走する真黒カンパニーのインテリ専務の役柄を背負い、スーツからのぞくチンピラ風の開襟シャツが超イケてる向井理、巻き舌気味の関西弁でドスをきかせる向井理を観ることができます。「降りてこんかい、ボケェ!」など、これまで向井理の口から飛び出したことがあったでしょうか。薄い顔立ちをゆがめる笑い顔も狂気をはらんで、「そうそう、こんな向井さんが見たかったんだよ!」と思わず身を乗り出してしまうほどでした。

■ 原作ファンも大納得のカリスマ的ヒール

「本物すぎる」とまで言われた玉木宏演じる鶴見中尉 (C)野田サトル/集英社(C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

●『ゴールデンカムイ』玉木宏

 2022年4月実写映画化が発表された瞬間に、ネット上でのキャスト予想が盛り上がった『ゴールデンカムイ』(著:野田サトル)では、なかでも稀代のカリスマ性を持つ悪役として部下も読者も心酔させてきた「鶴見中尉」のキャスティングに注目が集まりました。香川照之さん、堤真一さん、北村一輝さん、安田顕さん、遠藤憲一さんなどの強面よりの俳優たちの予想に反して、抜擢されたのは爽やかイケメンの玉木宏さんです。

 玉木さんといえば、『のだめカンタービレ』のエリートなのにややボケキャラの「千秋」先輩や、NHK朝ドラ『あさが来た』のヘラヘラしながらも器の大きい主人公の夫役など、いい人イメージが強い俳優です。しかし、キャスト発表と同時に公開されたビジュアルで、その杞憂は吹き飛びました。額を保護する白いプロテクターも、目元に広がる火傷の跡も、そして「イッちゃってる感」ただよう目つきも、鶴見中尉そのものです。

 もちろん玉木さんは、2024年1月公開の映画本編でも、強烈な演技で魅せてくれました。山崎賢人さん演じる主人公「杉元佐一」の頬をなんの前触れもなく団子の串で貫いたり、脳汁を滴らせながらいきなり上官の指を噛みちぎったり……冷静かと思いきや突然発現する鶴見の狂気を、見事に再現してくれます。さらに、落馬した後に間髪入れずに猛スピードで走るというアクションも再現し、見事な身体能力を発揮しました。

 原作ファンからも、「本物すぎる」「鶴見中尉は実在した」「度肝抜かれるくらいの快演」などと絶賛の嵐です。ちなみに映画のパンフレットによれば、原作者の野田先生も「鶴見中尉役は玉木さん」と熱望していたそうです。

 2024年秋からは続編のドラマがWOWOWにて放送予定で、はく製職人の「江度貝弥作」を懐柔する手腕など、カリスマあふれる玉木さん版の鶴見の大活躍が期待されます。いずれは、日露戦争で怪我を負う前の端正な顔の鶴見中尉も再現してくれると思うと、楽しみで仕方ありません。

(古屋啓子)

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