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『ガンダム』第1話で即旧式化 なぜ「ザクII」の武器は最後までショボいままなのか?

マグミクス / 2024年6月7日 6時25分

『ガンダム』第1話で即旧式化 なぜ「ザクII」の武器は最後までショボいままなのか?

■もう少しマシな武器は持てなかったの?

 TVアニメ『機動戦士ガンダム』は、「ガンダム」シリーズの第1作目であり、「モビルスーツ」(以下、MS)という概念が生まれた、言わずと知れた名作です。「地球連邦軍」と「ジオン公国軍」が戦った「一年戦争」が描かれており、各軍のさまざまなMSも登場しました。

 連邦軍はハイスペックの「ガンダム」を開発し、ジオン軍は脅威となったガンダムを食い止めるべく、数々のMSを送り込みました。ジオン軍にはバリエーション豊富なMSが揃っていますが、なかでも代表的なMSといえば、やはり傑作機とも言われている「ザクII」を挙げる人は多いのではないでしょうか。

 しかし、汎用性に優れた機体ではあるものの、ガンダムに倒される場面は幾度となく描かれました。それもそのはずで、ガンダムの武器は「ビーム・サーベル」「ビーム・ライフル」と高火力な一方で、ザクIIは「ザク・マシンガン」「ヒート・ホーク」といった武装であり、明らかにガンダムよりも劣っています。

 パイロットの練度によれば、武器に差があっても勝つ可能性はあるかもしれませんが、第1話に登場したザクIIのパイロット、すなわち訓練を受けたプロフェッショナルである「ジーン」や「デニム」は、「アムロ」が初めて操縦するガンダムの「ビーム・サーベル」によって敗北しました。そのように大きなスペック差があるのは確実なのにもかかわらず、最終決戦「ア・バオア・クー」での戦いでも、「ザク・マシンガン」を装備したザクIIが出陣しています。なぜザクIIは、ガンダムに通用しない武器を装備し続けていたのでしょうか。

 そもそも一年戦争の緒戦は、宇宙空間での艦隊戦が主流でした。そのなかでジオン軍は、MSのザクIIを開発し艦載兵器として活用することを考え、実行します。そうして迎えた「ルウム戦役」において連邦軍は、ジオン軍の3倍にものぼる数の艦艇数を擁していたところを、ザクIIによってその8割を失うことになりました。この時ザクIIが装備していた武器は、ザク・マシンガンや「ザク・バズーカ」などでした。

 ザクIIの武器はほかにも、手榴弾の「クラッカー」や脚部に装着する「3連装ミサイル・ポッド」、戦車の主砲を転用した「マゼラ・トップ砲」があります。しかし、どれもガンダムの武器よりも劣った装備であり、ガンダムの固い装甲を打ち破ることはできないものです。

■なぜ「もう少しマシな武器」を持てなかったのか

「ザクII」といえばヒート・ホークと肩のスパイク。「HG 1/144 ザクII」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 これらザクIIの武器を俯瞰すると、いずれもいわゆる「ビーム兵器」ではないことに気づきます。ガンダムに対抗できるとすれば、ビーム兵器を扱うことがポイントになりますが、「ジオン軍のMS」がビーム兵器を扱えるようになったのは一年戦争の終盤であり、それはたとえば「ギャン」の「ビーム・サーベル」、「ゲルググ」の「ビーム・ライフル」と「ビーム・ナギナタ」が挙げられるでしょう。

 それらビーム兵器をMSで扱うには、クルマでいうところのエンジンにあたるジェネレーター(熱核融合炉)の十分な出力が必要になります。ビーム兵器を扱えるガンダムのそれに比べ、ザクIIのものは数段、劣っており、ひいてはビーム兵器を扱えるMS用ジェネレータを、ジオン軍はゲルググ(やギャン)まで作れなかったということです。

「作れなかった」と書きましたが、「必要ではなかった(から作る必要がなかった)」とも考えられます。というのも、ザクIIが実戦投入された開戦当初、対応すべき敵兵器はおもに従来の艦艇や航空機、戦車などであり、MS、ましてや「実弾兵器が通用しない」装甲のMSなどは想定していなかったはずだからです。

 では、ビーム兵器の登場や、実弾兵器が通用しない装甲の登場により、ザクIIが一気に陳腐化したのかというと、そうとも言い切れません。ガンダムにはまったく歯が立たないとはいえ、おもに相対するのは旧来の艦艇や、「ジム」「ボール」といった「そこまで固くない」量産機などだからです。

 また、現実においても「ハイローミックス」という言葉があるように、ハイスペック機とロースペック機が並行して配備されることはままあります。それはハイスペック機の調達が追いつかないという意味合いよりも、多少性能に劣っている兵器にも使い道がある、という意味合いのほうが強いものです。

 とはいえ、スペックや武器で圧倒的に不利なザクIIに搭乗し、一年戦争最終盤の戦いに臨んだパイロットの勇気は、称賛に値するのではないでしょうか。

(LUIS FIELD)

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