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「知ってた人挙手!」ドラクエやFFに埋もれた…独自の面白さがあったファミコンRPG

マグミクス / 2024年6月11日 21時25分

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■斬新な設定やシステムなのに…タイミングが惜しかったRPG

 1983年に発売された「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)には、さまざまなソフトが生まれました。いまもなお人気ジャンルである「RPG」も多数のソフトが発売されています。ただ、「ファミコンのRPG」というと、やはり「ドラゴンクエスト」(以下、ドラクエ)や「ファイナルファンタジー」(以下、FF)シリーズを思い浮かべる人が多いでしょう。

 1986年に初代『ドラゴンクエスト』、1987年に初代『FF』が登場し、1987年から1990年までに「ドラクエ」は「IV」、「FF」は「III」まで発売されました。どうしても、この人気シリーズに注目してしまいがちですが、ほかにも、プレイヤーをうならせたRPGは確かに存在しました。同年代に発売された「ドラクエ」や「FF」に埋もれてしまったものの、独自の面白さがあったファミコンのRPGを振り返ります。

●操作するのは魔物『ラストハルマゲドン』

「ドラクエ」や「FF」といった定番RPGの物語といえば、人間が悪の存在である敵を倒すという流れがほとんどですが、1990年にユタカから発売された『ラストハルマゲドン』は違います。

 操作するパーティーは、人類が滅亡した後に現れた「魔物」で、相対する敵は、地球侵略を企てている「エイリアン」です。映画『エイリアンVS.プレデター』や『モンスターVSエイリアン』を彷彿(ほうふつ)とさせるような設定で、明らかに敵に見えるビジュアルの魔物たちを育てていくのは、プレイヤーにとっては新鮮でした。

 操作する魔物は「ゴブリン」や「サイクロプス」といった12体です。ゲーム中では魔物が行動することによって時間が進みます。昼、夜、月に1度訪れる「サルバンの破砕日」の3つに分けられる「時間」に、魔物たちをパーティーとして編成し、割り当てます。昼と夜のパーティーは鍛えやすいのですが、サルバンの破砕日になる頻度は昼、夜と比べると圧倒的に少ないので、一気にレベル上げをできないのが難しいところでした。

 さらに、プレイヤーにワクワク感を与えた要素といえば、「魔物の進化」でしょう。特定のレベルまで達すると、魔物はほかの魔物の細胞と融合してグレードアップします。進化するたびに、おどろおどろしい姿になっていくのも同作の特徴でした。

 実際に遊んだことがあるプレイヤーからは、「斬新なシナリオ、時間の概念、昼夜で操作できるモンスターの種族が異なる独自のシステムなど、当時は驚かされた異色のRPG」「PC版よりもファミコン版の方が劣るけど、熱中できる面白さがあった」「とにかくラストが衝撃」などの声があがっていました。

●パラメータがユニークな和風RPG『里見八犬伝』

 1989年にSNKから発売された『里見八犬伝』は、江戸時代に生まれた小説『南総里見八犬伝』の物語をベースにしたRPGです。主人公の「犬塚信乃」を操作しながら日本全国を巡って、犬塚と同じく特別な玉を持つ仲間を探し出し、人びとを苦しめる妖怪を倒すという物語です。ファンタジー要素の強い「ドラクエ」や「FF」とは違って日本を舞台で、敵が妖怪であることから「和風RPG」とも呼ばれています。

 ゲームフローは基本的に「ドラクエ」のようなコマンド方式ですが、至る部分に特殊なシステムが散りばめられているところが特徴です。例えばパーティーの強さを決めるステータスは、レベルを上げた際に与えられる「修業値」をプレイヤーが配分することにより上げられます。もし攻撃だけに特化したいのであれば、ひたすら「こうげき力」を上げることも可能です。また、レベルアップ時の「たいりょく(HP)」や「ようりき(MP)」は、ルーレット方式で加算される仕組みでした。

 面白いのが、ステータスのひとつである「りょうしん」です。これは悪い妖怪を倒すことで上がるもので、数値が0以上であれば「善の心」と判断されますが、もし善の妖怪を倒すと、この数値が下がり、「-1以下」なら悪の心とみなされます。悪の心の状態になると、村人から「ここからでていけ!」「あんたたちとはなしをするきは、ないね」などいわれてしまい、いっさい会話ができない状態になります。

 しかも、善と悪の妖怪は見た目から区別できないため、気付かずに善の妖怪を倒してしまい、村人から無視されたプレイヤーも多かったことでしょう。

■マイナーRPGが、超有名タイトルの元となった?

「バイオの原点」ともいわれているファミコンのホラーRPG『スウィートホーム』タイトル画面(カプコン)

●バイオハザードの原点?『スウィートホーム』

 映画を原作にしたファミコンソフトは数多くあるなか、ホラーRPGとして登場し、話題になったのが1989年にカプコンから発売された『スウィートホーム』です。元となったのは、製作総指揮を伊丹十三氏、監督と脚本を黒沢清氏が務めた、1989年1月公開の映画です。

 基本的なストーリーも映画と同じで、洋館を訪れたTVクルーたちが出口をふさがれて脱出不能になり、館内を探索すると、数々の怪奇現象に襲われるというものでした。

 この「洋館に閉じ込められる」「怪奇現象に襲われる」という設定を聞いてピンときた人がいるかもしれませんが、同作はゾンビゲームの金字塔『バイオハザード』に影響を与えた作品ともいわれています。また、ゲーム中に部屋のなかに入る際、扉を開けるシーンが画面全体に描かれます。まさに、これは初代『バイオハザード』の、扉を開ける時と同じ演出です。

 操作方法は基本的にコマンド方式で、襲ってくる怪異たちを倒しながら洋館内の謎解きを突破していきます。しかし、登場キャラは勇者でも、特殊な力を持った者ではなく、普通の人間です。プレイ中にパーティーの誰かが死んでしまえば、生き返ることはありません。この現実世界に忠実なシビアな設定に、プレッシャーを感じた人も多かったのではないでしょうか。

 また、容量の少ないファミコンソフトにもかかわらず、『スウィートホーム』にはマルチエンディングが存在します。これは死んだキャラの人数によって最後の演出が変わるものでした。全員生還した時のエンディングが後味の悪いものだったのも、印象深い作品でした。

 ほかにも、プレイ中のパーティー分割や、ホラーゲームならではのグロテスクなシーンなどの注目ポイントがありました。ネット上でも「謎解き要素も多くて、やりごたえがあるソフトだった」「やまむらが殺されるシーンはファミコン屈指のグロ描写」といった声があがっていました。

※画像の説明を一部修正しました(6月12日11時22分)

(LUIS FIELD)

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