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持ってた人いる?「スーパーファミコン」幻の周辺機器 時代を先取りしすぎたか

マグミクス / 2024年6月14日 21時25分

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■遊び方、ソフトの選び方に幅を持たせたスーファミの周辺機器

「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)の後継機として1990年に発売された「スーパーファミコン」(以下、スーファミ)には、さまざまなジャンルのソフトだけでなく、さらにゲームの面白さが広がる周辺機器も発売されました。しかし、子供時代であれば、親にハードとソフトを買ってもらうのがやっとで、周辺機器にまで手を出せなかった人も多かったでしょう。当時の子供たちが憧れた、スーファミの周辺機器にはどんなものがあったのでしょうか。

●「スーパースコープ」

 ゲームセンターの定番アーケードといえば、銃を模したガンコントローラー(以下、ガンコン)を使って敵を倒す「ガンシューティング」が挙げられます。本当に銃を打っているような感覚や臨場感などを楽しむ人気ジャンルのひとつで、かつてはゲームセンターでしか遊べないゲームでした。

 しかし、ファミコン用の光線銃型コントローラーである、光線銃シリーズ「ガン」が1984年に任天堂から発売されると、家にいながらでも気軽にガンシューティングを楽しめるようになりました。

 そして、1993年にはスーファミ用のバズーカ型コントローラー「スーパースコープ」が発売されました。肩に担いで使う、そこそこの大きさの「ガンコン」でした。世代であれば印象に残っている人も多いでしょう。

 対応タイトルはそこまで多くなく、以下の7作が発売されました。

・スーパースコープに同梱、シューティングやパズルを楽しめる『スーパースコープ6』(1993年/任天堂)
・世界を支配する「アヌビス」の討伐を目標とした『スペースバズーカ』(1993年/任天堂)
・「ヨッシー」の背中に乗った「マリオ」視点で敵を撃ち落とす『ヨッシーのロードハンティング』(1993年/任天堂)
・暴走したバイオコンピュータを食い止める『X ZONE』(1993年/ケムコ)
・戦闘型サイボーグコマンドを倒していく『DESTRUCTIVE(デストラクティブ)』(1993年/バンダイ)
・映画『レッド・オクトーバーを追え!』をゲームにした『レッド・オクトーバー』(1993年/アルトロン)
・アーケード版をスーファミに移植した『T(ターミネーター)2 ザ・アーケードゲーム』(1994年/アクレイムジャパン)

 対応タイトルは少ないものの、ネット上には「よく片ひざをつきながら撃ちまくって熱中した」「スーファミといえば『スペースバズーカ』といっても過言じゃない」など、当時遊んでいた人からの声が目立ちました。

●「ニンテンドウパワー」

 ファミコンには「ディスクシステム」という、ディスクドライブをファミコン本体に装着して「ディスクカード」を差し込むことで遊べる周辺機器がありました。このディスクカードは店頭にある「ディスクライター」に挿入すれば、別のゲームに書き換えが可能でした。

 スーファミでも、似たようなシステムのサービス「ニンテンドウパワー」が1997年から始まりました。別売りの「SFメモリカセット」を購入し、「ローソン」にあるマルチメディア端末「Loppi」に差し込み、欲しいソフトを選びます。その後に発行されるレシートを店員に渡せば、選んだゲームを書き込んでくれるという仕組みでした。

 タイトルは主に旧作が中心だったものの、価格は1000円から3000円ほどで、スーファミの新品ソフトの価格帯が1万円に近いと考えれば、お手頃な価格でした。とはいっても、スーファミが人気だった時代に子供だった筆者をはじめ、周りにニンテンドウパワーを利用していた友達や知人はひとりいたかどうか……? といった記憶しかありません。さらに、1994年発売の初代「PlayStation」もユーザーを増やしていたことから、そこまで流行していなかったように思います。

 結局、ニンテンドウパワーのローソン店頭サービスは2002年に終わり、その後に任天堂が郵送という形で書き換えを引き継いだものの、2007年で終了しました。後にニンテンドウパワーが浸透しなかった原因として、中古ショップなどで割安の中古ソフトを購入できたことが挙げられます。ニンテンドウパワー専用のタイトルを除けば、欲しいゲームが中古で安く買えるなら、わざわざ書き換えシステムを利用しないのもうなずけます。

 ただ、任天堂の狙いとしては失敗だったかもしれませんが、利用していた人は一定数いたようで、「いま思えば熱いソフトも配信されていたから、もっと遊んでおけば良かったと後悔」「やりたかったゲームに出会えるのはうれしかった」などの声があがっていました。

■スーファミ時代、世界初の衛星データ放送を実現!

「サテラビュー」を接続するのに使用する、スーパーファミコン底部の小さなカバーを開けると見える端子(マグミクス編集部撮影)

 スーファミの周辺機器を語るうえで欠かせない存在といえば、ゲームの常識を変えた1995年発売の「サテラビュー」が挙げられるでしょう。

 サテラビューは、スーファミ専用の衛星放送データサービスを受信するための機器です。サテラビュー本体とスーファミ本体の裏側にある端子を接続し、さらに専用AVアダプタでコンセントやTV、BSチューナーと連携します。そして専用カセット『BS-X それは名前を盗まれた街の物語』をスーファミ本体にセットすると、世界初の衛星データ放送「スーパーファミコンアワー」の視聴が可能でした。

 あらかじめBSアンテナとチューナーの設置が必須ではありますが、サテラビューさえあれば、スーパーファミコンアワーのさまざまな配信を無料で楽しめました。トーク番組を楽しめる「音声放送」や、ゲームの最新情報を得られる「マガジン」、音声案内をもとにゲームを進めていく「サウンドリングゲーム」、サテラビューのみで配信されるダウンロード専用ゲーム「オリジナルゲーム」と盛りだくさんでした。

 時代を先取りした試みではあったものの、上述したPlayStationや「セガサターン」といった次世代家庭用ハード機が台頭し、さらにサテラビューの本体価格が1万8000円(メーカー希望小売価格/税込)と高価だったこともあり、売上は芳しくなかったそうです。そして、2000年に衛星データ放送のサービスは終了してしまいました。

 本体に加え、BSアンテナとチューナーの設置にもそこそこの費用がかかることを考えれば、裕福な家庭でなければ購入できたなかったことでしょう。サテラビューの「オリジナルゲーム」は、ほかでは手に入らなかったソフトのため、現在ではプレミアム価格がつくほどレアな存在です。

(LUIS FIELD)

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