【漫画】「高身長」がコンプレックスの女子高生 学校の人気者に告白されてしまい？ 4万人が「前向きになれる」【作者インタビュー】

■高身長の女子高生・りんごは注目されたくない！

　主人公の女子高生「六条りんご」は176cmある身長がコンプレックスで、周りは自分の身長のことしか見ていない思い込み、注目されるのが苦手でした。ある日、りんごは身長190cmの「陸田廉介」に「俺と付き合ってくれませんか」と告白されます。

　突然の告白に戸惑うりんごは断りますが、学校の人気者の陸田を振ったことで、さらに注目を集めてしまいます。友人の「坂本撫子」がりんごのコンプレックスを陸田に伝えますが、その後、陸田はふたりだけで話したいといってきて……？

　紬音ユユさん（@yuim_zzz）による創作マンガ『高身長がしんどい女の子が高身長の男子に告白されるお話』がX（旧：Twitter）上で公開されました。いいね数は4.6万を超えており、読者からは「私も同じコンプレックスがあるので前向きな気持ちになれた」「ありのままの自分を認めてくれる人が周りにいるって幸せ」「高身長ゆえの景色、素敵です」などの声があがっています。

　紬音ユユさんは漫画家として活動しており、143cmの「鈴木さくら」と158cmの「進藤卓」、ちっちゃいふたりのラブコメディ『どっちも背が低いカップルのお話　S×S』（全7巻）がKindleにて公開中です。

　作者の紬音ユユさんにお話を聞きました。

ーー今作『高身長がしんどい女の子が高身長の男子に告白されるお話』の物語の設定を選んだ理由や、作品に込めた思いなどを教えて下さい。

　こんなネーム状態の物語を多くの方に見ていただけたこと、お恥ずかしいやらうれしいやらです。このお話は、連載企画用に練ったのですがボツになってしまい、そのままフォルダに眠っていたものです。

　私はもともと低身長同士のカップルのマンガをメインに長く描いており、その反対である高身長同士の組み合わせもありなのではないかと思ったのが制作のきっかけでした。身長による悩みごとは人それぞれあるかと思います。気にしない人もいる一方で、やはり気にしてしまう人も多くいると思います。低身長カップルのお話もそうですが、身長という特徴を少しでも前向きにとらえられるような話を描きたいと思いました。

　とはいえボツになったものなので、このままゴミ箱行きのはずだったのですが……突如X（旧：Twitter）で「デカ女」というワードがトレンドにあがり、いろいろなマンガやイラストが流れてきました。これは、「このまま捨てるはずだったお話も誰かに読んでもらえるのでは？」と思いました（笑）。

　ただ、とても個人的な感覚なのですが、「デカ女」という呼び方はどうなのだろう、そこに肯定や好意があっても、言葉としては強すぎないか、嫌な思いをする人も多いのではないかと思って、このお話を「高身長の女の子」という言葉で出してみました。

　X（旧：Twitter）の皆様からさまざまな実体験からの反応をいただいて、とても勉強になったと思います。もし本腰を入れて描くようなことがあったら、もっと細かい部分も練ってみたいです。

ーーお気に入りのシーンや工夫したポイントなどがあれば教えて下さい。

　すみません、ネーム状態の原稿なので伝わりづらいと思いますが、ふたりが屋上からの風景を見るシーンは、ちゃんと描きたかったくらい気に入っています。

　上からの景色って、視界が限界まで開けて、新鮮な高揚感が味わえると思うので、かたくななりんごの心を動かすにはこれが必要だと思いました。そういう広い世界を、りんごと陸田くんなら見ていけるのではないかと思えたシーンです。

Sサイズカップルの青春ラブコメ『どっちも背が低いカップルのお話・7 S×S』著：紬音ユユ

ーー物語の中心にいるりんご、陸田くん、坂本さんがとても印象に残りました。それぞれのキャラクター制作でこだわった点などはありますか？

　続きがあるような形で終わっているので表現が難しいですが、これは六条りんごという女の子が、内向的で卑屈な自分を変えていく努力をするお話だったので、最初はとてもイライラするキャラになっていると思います（笑）。

　ここまで内向的だと、相手はスーパーポジティブでないと物語は停滞してしまうので、そこで陸田廉介を設定しました。陸田くんがりんごをひっぱりあげてくれる役目に対して、坂本撫子はツッコミキャラとして出しました。

　陸田くんだけだと、ボケにボケが重なりまくってしまうので、適度に現実に戻してくれる子が必要だと思い。坂本さんは読んで下さった方からの反応も良かったです。いつかこの3人をちゃんと描ける機会があるといいなと思っています。

（マグミクス編集部）