ディスクシステムと同時発売『ゼルダの伝説』 子供に立ちはだかった「価格」の壁
マグミクス / 2020年2月21日 7時10分
■ディスクシステムが買えなかった子供がとった手段とは?
1986年2月21日に発売されたファミリーコンピュータ版『ゼルダの伝説』は、ディスクシステム本体と同時発売され、人気作となりました。2019年にはNintendo Switch版『ゼルダの伝説 夢をみる島』も発売されるなど、任天堂を代表するシリーズとなった『ゼルダの伝説』シリーズ第一作の記憶を、ライターの早川清一朗さんが語ります。
* * *
「下手くそ~」
タレントの所ジョージさんが登場したTVCMで、『ゼルダの伝説』の主人公であるリンクがやられてしまい、画面のなかからこんな言葉を投げかけてきたのを覚えています。今となってはゲームのキャラクターがしゃべるのは当たり前のことですが、当時としては画期的で、大きな衝撃を受けたのを覚えています。
これが筆者と『ゼルダの伝説』の出会いでした。
『ゼルダの伝説』はフィールドアクション形式のRPGで、現在は任天堂株式会社代表取締役フェローを務める宮本茂氏がプロデューサーを務めており、氏の初期の代表作ともなっています。
さて、CMを見て当然『ゼルダの伝説』が欲しくなった筆者でしたが、ディスクシステムの15000円という値段の壁が立ちはだかります。
ディスクシステムはクイックディスクと呼ばれる黄色や青のディスクを読み取るための装置で、「やればやるほど、ディスクシステム」というキャッチコピーと共に、バンバンCMが放送されていました。同時発売の『ゼルダの伝説』と共に当然欲しくなりましたが、15000円という値段は、子供のお年玉では足りませんでした。
おねだりにも失敗してしまった筆者は、泣く泣くディスクシステムと『ゼルダの伝説』を見送ることにしたのです。
それでもどうしても『ゼルダの伝説』が欲しかった筆者は、ある物に手を出してしまいます。そう、攻略本です。
今となっては想像もつかないかもしれませんが、当時の子供たちは欲しいカセット(この場合はディスク)を買えない場合、攻略本を買ってひたすら読み込み、ゲームをやったつもりになることも多かったのです。攻略本も今ほど高価ではなく子供のお小遣いでも買えたので、 似たようなことをしていた子供はたくさんいたと思います。
■友達の家で『ゼルダの伝説』を初プレイ!
1986年2月21日発売『ゼルダの伝説』(画像は『ゼルダの伝説』公式サイトより)
『ゼルダの伝説』が発売されてからだいぶ経った頃、友達の家に遊びに行った筆者は、そこで初めてディスクシステムと出会います。友達は『ゼルダの伝説』と『謎の村雨城』を持っていたのですが、ゼルダはプレイ時間が長いからという理由でとりあえず『謎の村雨城』を遊ばせてもらった記憶があります。
それでも無理を言って少し『ゼルダの伝説』をやらせてもらったのですが、攻略本をすみからすみまで読んでいたのでさくさくと進みます。爆弾を使って岩や壁に穴をあけて次々と隠し扉や通路を開き、ロウソクで木に火を放って迷宮の扉を開くなどやりたい放題です。たぶん隣で見守っていた友達は「こいつ、初プレイって嘘だろ」と思っていたのではないでしょうか。
このゲームをプレイしていて最も印象に残ったのがサウンドです。フィールド画面の勇壮な曲、恐ろしさと神秘的なイメージを併せ持つ地下迷宮の曲、アイテムを手に入れた時の「テレレレー」という効果音など、近藤浩治氏の手によるサウンドは今まで聞いていたゲームの音とは、何かが確実に違っていました。
残念ながら友達の家にいつまでもいるわけにはいかないのでプレイは中断せざるを得ませんでしたが、「このゲーム、すごい!」と素直に感激したのを覚えています。
その後しばらくしてからどうにかディスクシステムを手に入れ、真っ先に買ったのは当然『ゼルダの伝説』。自宅でプレイできるのだからもう何も怖くありません。無事に知恵のトライフォースのかけらを集め、ガノンを倒して迷宮の最深部に捕らえられていたゼルダ姫を助け出しゲームクリアとなりました。あまりにもプレイしすぎて母親にディスクシステムを隠されたりしたのも、今となっては懐かしい思い出のひとつです。
約35年が経過しましたが、その間にも『ゼルダの伝説』シリーズは様々なハードで新作が発売され、高い評価を受けてきました。時間を無限に奪われかねない傑作も多く、社会人となってからは思うように遊べませんが、なんとか暇を見つけてプレイしたいと常々考えています。
(早川清一朗)
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