『キン肉マン 完璧超人始祖編』なぜ悪魔超人たちがこれほど大注目を集めているのか？

■旧シリーズを彷彿させる場面は、新アニメでどう描かれる？

　2024年7月から放送されるTVアニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』のメインビジュアルが5月29日に公開されました。そこには「正義超人」「悪魔超人」「完璧超人」の三つ巴の戦いが表現されており、放送開始を前にファンの注目を集めています。

　その約2か月前の3月19日には「7人の悪魔超人」が並んだキービジュアルも公開されています。「週刊少年ジャンプ」での連載が終了した1987年以降のストーリーを追いかけていない人からすれば、なぜここで「7人の悪魔超人」がフィーチャーされているのか、疑問に思う人もいたかもしません。

　その一方で、「完璧超人始祖編」にあたるストーリーを読んだ原作ファンのなかには「熱い戦いが最新アニメでどのように再現されるのか」と楽しみにしている人も多く、それぞれ期待する悪魔超人の名前を挙げながら、ネット各所で盛り上がりを見せていました。

　そうした声を拾っていくと、新アニメでの彼らの活躍をより楽しむには、コミックス第10巻から始まる「7人の悪魔超人編」での戦いぶりを押さえておくのがおすすめのようです。

　たとえば「ステカセキング」はコミックス第10巻「東京タワー決戦の巻」で、悪魔超人のトップバッターとして「キン肉マン」と対戦します。

　ステカセキングは、背中に背負った「ミラクル・ランドセル」のなかにあるカセットを自らの体で再生し、「ウォーズマン」や「ラーメンマン」などの超人に変身します。彼らの技を使ってキン肉マンを苦しめますが、最後は「3年前のキン肉マン」を再生したために弱々しい姿となってしまい敗北を喫しました。

　また「アトランティス」は、池の上に設置されたリング上で、正義超人トップクラスの実力者「ロビンマスク」と対戦しました。この時は、「ミートくん」の足を利用するという悪魔超人らしい狡賢さを発揮してロビンマスクを撃破しています。

「ザ・魔雲天」は、渓谷に設置されたリングで「テリーマン」と戦いました。テリーマンの技でダウンさせられてしまうも、その衝撃でリングを吊るしているワイヤーが切れてしまいます。動けなくなっていたザ・魔雲天はテリーマンの足を掴み、リングとともに渓谷へ落下していくのでした。

■敵と友情が芽生えるのも『キン肉マン』のお約束！

7人の悪魔超人が並ぶ『キン肉マン 完璧超人始祖編』のキービジュアル　(C)ゆでたまご／集英社・キン肉マン製作委員会

　このように名勝負をくり広げた彼ら悪魔超人は、アニメ「完璧超人始祖編」でも活躍が期待されている様子です。その理由は、ふたつあると考えます。

※以下、軽くネタバレを含む記述があります。ご留意ください。

　ひとつ目は「完璧超人始祖編」原作マンガにおいて、「7人の悪魔超人編」を彷彿とさせる戦いが描かれているという点です。実際にステカセキングは、キン肉マン戦同様にミラクル・ランドセルを使った戦いを見せたうえに、同じ失敗を犯さぬよう新たな超人に変身し、熱い戦いを見せていました。

　またザ・魔雲天は、テリーマン戦同様、渓谷に設置されたリング上で戦います。しかも、試合の最後には相手の足を掴んでリングともども落下するという場面まで再現されていました。

　もうひとつの理由は、かつて戦った正義超人との友情が描かれている点です。ザ・魔雲天の試合中には、観戦するテリーマンが応援する言葉を口にし、ふたりの友情を感じさせる場面が描かれていました。

　アトランティスについては、原作者のゆでたまご嶋田先生が公式サイトにて、「姑息な方法で勝ちましたけど、インパクトはすごかった」「アトランティスはロビンとの試合に誇りを持っていた」と述べています。確かに「完璧超人始祖編」でのアトランティスは、ロビンマスクの必殺技「タワーブリッジ」を繰り出すなどして、かつての対戦相手へのリスペクトを示していました。

　原作通りの展開であれば、「7人の悪魔超人編」を彷彿とさせる場面が新アニメでも観られるはずです。また、ロビンマスクとアトランティス、テリーマンとザ・魔雲天との間に芽生えた友情も、最新の映像で描かれることでしょう。

　放送開始が迫ってきましたが、新アニメを何倍も楽しむために、今のうちに原作の「7人の悪魔超人編」を読んでみてはいかがでしょうか。

（LUIS FIELD）