「なぜこんな凝ってるの」 アニメで見事に再現された「トラウマ級」衝撃シーン
マグミクス / 2024年6月19日 21時55分
■神回? トラウマ回? リアルに再現されたシーン
アニメ化の際にはある程度抑えられる、もしくはカットされると思われていた原作の過激なシーンが、予想に反して忠実に再現されていた場合、原作ファンとしては喜びとともに、炎上しないか少し心配にもなります。それでも、過激なシーンのアニメ化は、大きな反響を呼んで盛り上がりを見せてきました。
●リアルに再現された「げろチュー」 『チェンソーマン』
マンガ『チェンソーマン』の主人公「デンジ」は、所属する公安対魔特異4課の先輩である「姫野」に気に入られ、任務後に彼女からキスしてもらう約束をしていました。その後、4課は見事に「永遠の悪魔」を撃破し、懇親会を兼ねた飲み会を開きます。そして、その飲みの席で酔った姫野は、デンジとの「約束」を果たします。
舌を絡める濃厚なディープキスを夢中で堪能するデンジでしたが、不意に違和感を覚えます。なんと姫野は、キスをしたまま吐いていました。さらにデンジは、口に入ったものをなんでも飲み込んでしまう習性を持っていたため、彼女の吐しゃ物をそのまま飲み込んでしまったのです。
文章で読むだけでもきついこの場面は、マンガとなるとその気持ち悪さは桁違いで、デンジだけでなく、読者にも大きなトラウマを植え付けたことでしょう。アニメ『チェンソーマン』にてこの飲み会のシーンが近づいてくると、あのキスが本当に再現されるのか疑問視する声も方々から聞かれました。
そしてオンエア、さすがに吐しゃ物にモザイクはかかっていたのものの、素晴らしい作画で再現されてしまい、SNSでは「グロはいくらでもいいけどゲロは無理」「吐き気がしてきた…」「面白すぎる!」「執念を感じる作画」など、多くの悲鳴と称賛が飛び交う事態となります。さらに、この第7話のエンディングテーマ『ちゅ、多様性。』は、サビの「Get on chu」という歌詞が「ゲロチュー」と聞こえるように歌唱され、字幕でも「ゲロチュー」とフリガナがふられるなど、スタッフの全力の遊び心を感じられました。
●NHKも頑張った人間アーチ 『キングダム』
古代中国が舞台の歴史バトルマンガ『キングダム』は、主人公「信」が、秦国の中華統一と自身が天下の大将軍になる夢に向かって邁進する物語です。侵略戦争に参加しながらも、理想に燃えて虐殺を行わない信とは対照的に、勝つためなら虐殺もためらわない将軍として描かれたのが、秦国六大将軍のひとり「桓騎(かんき)」でした。
その対照的な信と桓騎がともに戦ったのが、「黒羊丘の戦い」です。桓騎の指揮下に入った信は、桓騎から「大人の戦い」を学ぶことになりました。最重要拠点である中央の丘を巡る戦いは、趙国の名将「紀彗(きすい)」を、桓騎が非人道的な作戦を用いて離脱させたことで秦軍が勝利します。
この時に実行した桓騎の作戦は、黒羊に点在する村を襲って村人を虐殺し、その死体で巨大なアーチを作り、「紀彗の故郷の離眼(りがん)でこれと同じことをやる」と脅すという残虐なものでした。そして、脅しに屈した紀彗は戦場から離脱して秦軍が勝利し、結果的に戦いの死者数も、正面から激突した時に予想される数より大幅に少なく済んだのです。
信と桓騎の対照的な考え方や桓騎の魅力など、見どころの多い戦いである一方、アニメ『キングダム』の放送局はNHKのため、原作ファンからはこの残酷な描写が放送可能なのか不安視されていました。特に、「人間アーチ」に関しては規制を覚悟する声も多く聞かれましたが、『キングダム』5期12話でしっかり映像化されており、勝つためならなんでもやる桓騎の恐ろしさが描かれたのです。
原作では全裸だった死体が衣服を身に着けたままで描かれるなど、さすがにマイルドになってはいたものの、多くの視聴者が衝撃を受けたのではないでしょうか。
●エッチすぎる大人の歯磨き 『偽物語』
西尾維新先生による人気小説「物語」シリーズの1篇『偽物語』は、主人公「阿良々木暦」の高校3年生の夏休みを舞台に、彼のふたりの妹である「火憐」と「月火」に関わる怪異を描く物語で、2012年にアニメ化されました。
そのアニメ化がアナウンスされた際に、原作ファンが注目していたのが、「歯磨き」のシーンです。憧れの「神原駿河」を兄の暦に紹介してもらうため、火憐は暦と勝負を始めます。その内容は、暦が火憐の歯を磨いて5分間耐えることができたら火憐の勝ち、耐えられなかったら暦の勝ちというものでした。
この歯磨き勝負は、歯ブラシで口腔内を刺激される快感に火憐が身悶えしながら耐えるという、かなり官能的な描写で、さらに兄と妹という関係性の背徳感もあって、アニメ化できるか心配になるほど過激な内容です。しかし、いざアニメ化された『偽物語』の第8話の歯磨き勝負では、原作ファンが期待していた以上のクオリティで、「歯磨きってこんなにエッチなんだ」「やりすぎ」など、SNSに多くの感想が飛び交うことになりました。
やっていることは、親が幼児にするような歯磨きであり、「下ネタギャグ」と受け取れなくもないものながら、多くの視聴者が笑うどころではなかったようです。
(SU_BU)
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