「最後の敵」って誰？ 『H×H』『呪術』…「ジャンプ」作品のラスボス候補たち

■意外に身近な人物がラスボスになる予想も

　連載中の人気作品のなかでも、ファンの間で考察が止まらないのが、物語のクライマックスを飾る「ラスボス」の存在です。ラスボスとの決着はもちろん、ラスボスへとつながっていく展開にも、ドキドキさせられます。では、現在「週刊少年ジャンプ」や「ジャンプ＋」で連載中の作品は、誰がラスボスになるのでしょうか？

●『HUNTER×HUNTER』

『HUNTER×HUNTER』（著：冨樫義博）は、主人公の「ゴン＝フリークス」が父「ジン」のようなハンターを目指し、過酷な試練を乗り越えていく物語です。「念能力」を駆使した独自のアクションシーンや、個性豊かなキャラが魅力の本作では、ラスボスの有力候補として「ジャイロ」という登場キャラの名が挙げられています。

　ジャイロは、人間を糧とするキメラアントの餌食となった自治国「NGL」の創設者であり、裏で麻薬を製造する「影の王」として描かれたキャラです。物語に直接関わらなかったものの、原作の203話から204話にかけてジャイロの壮絶な過去が語られ、いつかゴンと出会うような「匂わせ」もありました。また、ジャイロが「全世界に悪意をばらまきたい」との意思も明らかになっていることから、ファンの間では「重要な伏線としか思えない」と注目されています。

　廃国となったNGLを去って以降、ジャイロの行き先などの情報は一切出てくることはなく、どこかで暗躍しながら最終的に最大の敵として立ちはだかる可能性は十分にありえるでしょう。

●『SPY×FAMILY』

『SPY×FAMILY』（著：遠藤達哉）は、西国の凄腕スパイである主人公の「黄昏（たそがれ）」が、国を守る任務「オペレーション〈梟（ストリクス）〉」を成し遂げるため、「仮初めの家族」を作って生活するアクションコメディです。精神科医の「ロイド・フォージャー」に扮した黄昏と、殺し屋という裏の顔を持つ妻の「ヨル」、人の心を読める娘「アーニャ」による、ゆるやかな日常生活と緊張感のあるアクションシーンが魅力でもあります。

　任務は「平和を脅かす危険人物」とされる東国国家統一総裁「ドノバン・デズモンド」の息子が通う名門校に入学させ、彼との接触を図ることです。紆余曲折ありながらも、アーニャの活躍を通じて徐々にデズモンドに近づき順当に物語が進めば、何らかの形で彼と戦うか、和解するか、がゴールとなるでしょう。

　しかし、気になるのが「いばら姫」というコードネームを持つヨルの存在です。表向きは平和な家族ですが、お互いが知らないスパイと殺し屋という裏組織に通じる顔をそれぞれ持っています。何らかの因果関係でヨルが所属する暗殺組織「ガーデン」から黄昏を殺害する命令が下れば、ヨルは妻の顔を捨て、ロイドと戦うこともありえるでしょう。

●『呪術廻戦』

『呪術廻戦』（著：芥見下々）は、人に災厄をもたらす呪霊と、呪霊を祓う呪術師の壮絶な戦いが描かれたダークファンタジーです。この作品は、迫力あるアクションシーンや、魅力的なキャラが織りなすコミカルな掛け合いで人気を集めています。

連載当初からラスボス候補として根強く支持されているのは、ひょんなことから主人公の「虎杖悠仁」に乗り移った呪いの王である「両面宿儺（すくな）」です。「渋谷事変」では、呪術師のなかでも上位の一級呪術師が複数人で苦戦した特級呪霊「漏瑚（じょうご）」を圧倒する、規格外の強さを見せつけたことで話題となりました。始まりが宿儺の指を食べたことで始まることからも宿儺をラスボスと考える人が多いようです。

　一方で、最強の呪術師とうたわれる「五条悟」を封印した呪詛師「羂索（けんじゃく）」という意見も少なくありません。羂索は、原作243話で特級呪術師の乙骨憂太によって倒されます。しかし、平安時代から1000年以上も術式で人の肉体を転々として生きてきた存在で、倒しても完全に消滅したとは言い切れないのです。実際に「私の意志は受け継がれる」という意味深なセリフも残しています。

　ファンの間では、「五条悟に乗り移ったら宿儺以上のラスボスになるんじゃ……」「こんなあっさり死亡したのは怪しい。何かありそう」といった考察がなされています。もしも羂索が五条に乗り移ってしまったら、どんな展開が待ち受けているのでしょうか。

（LUIS FIELD）