「パイ毛で離脱した人帰ってきて!」「序盤はパッとしなかったけど」後半からが本番な2024春アニメ
マグミクス / 2024年6月21日 12時10分
■序盤のギャグは後半のシリアスとバランスをとるため?
2024年春アニメも、いよいよ終わりを迎えようとしています。「話題作が豊作」といわれた今期は視聴したいものも多く、序盤の展開で何を観るか決めた人も多いでしょう。しかし、前半とは違う展開で終盤の盛り上がりをみせている作品もあります。「序盤の展開はこのためだったのか」と、驚きの声があがるほど熱い展開を見せるアニメとは……?
※この記事には『忘却バッテリー』『夜のクラゲは泳げない』『ガールズバンドクライ』のネタバレを含みます。
●『忘却バッテリー』
「少年ジャンプ+」で連載されている同題マンガ(作:みかわ絵子)が原作の『忘却バッテリー』は、中盤からライバル校との試合やチームメイトの苦悩が描かれ、少年マンガらしいアツい展開を迎えています。
中学球界に「怪物バッテリー」の名を響かせた「要圭(かなめ けい/CV:宮野真守)」と「清峰葉流火(きよみね はるか/CV:増田俊樹)」は、要が記憶喪失になったことで、野球部がない都立高校へ入学します。しかし、高校には怪物バッテリーの強さに絶望して野球を辞めた実力者たちも入学していました。思わぬ再会をした彼らは、野球を忘れられず、新設したばかりの野球部へ入部し、ともに甲子園を目指します。
序盤では野球部へ入部するまでの経緯が描かれましたが、コメディ要素が強く、要の「パイ毛~~~!!」という寒い一発芸などのノリが肌に合わず、視聴をやめた人もいたようです。しかし、第4話で帝徳高校との練習試合にボロ負けしたことがきっかけで、一同は打倒帝徳を掲げて野球へ打ち込み始め、少年マンガらしいアツい姿が描かれます。
また、第6話ではチームメイトの「藤堂葵(とうどう あおい/CV:阿座上洋平)」が思い通りのプレーができなくなる「イップス」だと告白し、シニア時代に自分のエラーで先輩たちの最後の夏を終わらせてしまった過去が語られました。
そして第9話では要が過去の記憶を取り戻してチームをまとめあげ、第10話で強豪「氷河高校」に練習試合を挑みますが、試合の最中に元の姿に戻ってしまいます。
序盤のコメディ要素がなりをひそめた展開や終盤の新たな展開に、アニメから入ったファンからは「シリアス展開が重すぎるから序盤のギャグシーンがあったのか」、原作ファンからは「ここからが本番だから、公式戦が始まるまでは観てほしい」「どういう理屈で記憶を取り戻してまた元に戻ったのか気になる」と、先の展開に期待する声があがっています。
『忘却バッテリー』は毎週火曜24時より、テレビ東京系列にて放送中です。
■後半からはまさかの鬱展開?
TVアニメ『夜のクラゲは泳げない』キービジュアル (C)JELEE/「夜のクラゲは泳げない」製作委員会
●『夜のクラゲは泳げない』
匿名シンガー「JELEE」の活動を通して少女たちの青春群像劇を描く『夜のクラゲは泳げない』も、序盤にはなかった重苦しい展開を迎え、「これからどうなるのか」と話題沸騰中です。
「量産型の自分」になりたくない主人公の「光月まひる(こうづき まひる/CV:伊藤美来)」は、歌と作詞担当で元アイドル「橘ののか」である「山ノ内花音(やまのうち かの/CV:高橋李依)」、作曲担当の「高梨・キム・アヌーク・めい(CV:島袋美由利)」、動画制作の「渡瀬キウイ(CV:富田美憂)」と「JELEE」を結成します。まひるは動画内で描かれるキャラクターのイラストを担当し、序盤では、4人がJELEEのMV制作を通して一喜一憂するほほえましい姿が描かれました。やがて、彼女たちは活動者ならではの苦悩にぶつかっていきます。
第5話ではイラストへの辛辣(しんらつ)なコメントにまひるが傷つき、第8話ではJELEEの匿名シンガーが仲間を殴ってアイドルを引退した橘ののか(花音)だと特定されるという事件が起こります。
またさらに、第9話ではまひるがアイドルのプロデューサーを務める花音の母親から仕事の依頼を受けたことで、母親と確執を抱える花音と衝突してしまい、JELEEは解散の危機に陥りました。そして、第11話ではJELEE だけでなくVtuber「竜ヶ崎ノクス」として活動するキウイも、身元が特定されてしまいます。
この序盤の雰囲気と一変した展開は、ファンから「中盤の落ち着いた展開は9話の布石だったのか」「11話でようやく4人のゴールが明確に見えた。最終回は4人がゴールに向かう姿に期待」「序盤はパッとしなかったけど、ここにきて作品の個性が出てきた」と、好評で、早くも最終回へ向けての期待が高まっています。
『夜のクラゲは泳げない』はTOKYO MXほかにて、毎週土曜日25時より放送中です。
●『ガールズバンドクライ』
中盤から盛り上がりを見せ、SNSでも連続トレンド1位を記録しているのが、ガールズバンドの活動を描いた『ガールズバンドクライ』です。
親の反対を押し切って上京した「井芹仁菜(いせり にな/CV:理名)」は、憧れのガールズバンド「ダイヤモンドダスト」(以下、ダイダス)の元メンバーの「河原木桃香(かわらぎ ももか/CV:夕莉)」と出会い、バンドを始めます。
しかし、楽しそうな雰囲気とは一転して、終盤の第8話からはプロを目指す仁菜と、そうでない桃香が、バンドの方向性をめぐってぶつかり合います。桃香は過去にダイダスのメンバーへ、プロとして頑張ろうと高校中退をうながした過去がありました。結局、路線変更を迫られ、桃香はダイダスを去ったのです。
このような経験から、桃香は好きな音楽を歌っていたころの自分と仁菜を重ねます。売上のために好きでもない音楽を強要されるプロよりも、仁菜らしく好きな歌を歌い続けてほしいと伝えます。しかし、仁菜は桃香に「私はあなたの思い出じゃない」と伝え、自分を使って逃げるなといい返すのです。
第8話はヒートアップした展開を見せ、最新第11話終盤では仁菜たちがフェスで路線変更をしたダイダスと同じ舞台に立ち、圧巻の演奏を見せて大きな歓声を受けたところで終了しました。好きな音楽を続ける仁菜と桃香のバンドがフェスでぶつかり合うことになります。
本作はフル3DCGで描かれているため、作風が苦手でそもそも観始めなかった人も多かったようです。この8しかし、終盤のアツい展開にはネット上で「最近観始めたけど、CGアニメだからといって観なかった自分がバカだった」「捨て身でぶつかって桃香と向き合う仁菜の姿が鮮烈すぎる」「ダイダスも仁菜たちもどちらもアツいから、フェスでぶつかるの楽しみ過ぎる」「ライブの迫力と圧倒される演奏に魅せられた」と、作画で「食わず嫌い」するのはもったいないと思えるほど、大絶賛する声が見られました。
『ガールズバンドクライ』は、TOKYO MXほかにて毎週金曜日24時30分より放送中です。
(LUIS FIELD)
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