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なぜ誰も止めなかった…? 何かがおかしい「ガンダム」シリーズの武器/武装といえば

マグミクス / 2024年6月27日 6時25分

なぜ誰も止めなかった…? 何かがおかしい「ガンダム」シリーズの武器/武装といえば

■意外と多い「変」な武器や武装

 これまで多数の作品が作られてきた「ガンダム」シリーズだけに、それに登場するモビルスーツ(MS)、およびそれに類する兵器も数えられないほど生まれてきました。シリーズファンであれば特にお気に入りの機体や印象的な機体があることでしょう。なかには「そんなのアリ?」「これって本当に役に立つの?」と感じるものも思い浮かぶのではないでしょうか。

●ビーム・ジャベリン(「ガンダム」ほか)

 TVアニメ『機動戦士ガンダム』で「アムロ・レイ」も使っていた、伝統ある「ビーム・ジャベリン」はそうした、きっと誰もが「んん?」と思った武器のひとつでしょう。「ジャベリン」とは投げ槍のことで、「ガンダム」世界では「ビーム・サーベル」を圧縮することで槍状にし、リミッターを解除することで使えるようになります。その貫通力は「ガウ」攻撃空母の装甲もたやすく切り裂くほどで、間違いなく強力ではあります。

 ただ、見ていると「投擲したら白兵戦はどうするのか」「三叉状の部分はどうやって制御しているのか」「役立つ機会はどれくらいあるのか」など、細かなことが気になってくる不思議な武器でもありました。

 劇場版『機動戦士ガンダム』では登場しなかったものの、『機動戦士ガンダムUC』の「ジムIII」や『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の「ブラストインパルスガンダム」などが使用しており、意外と印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

●シールド(「ギャン」)

 ビーム・ジャベリンのような一風変わった武器として、「ガンダム」ファンの間では定番のネタとなっているもののひとつに、「マ・クベ」が搭乗したMS「ギャン」の持つ「円型シールド」があります。これには浮遊機雷の「ハイドボンブ」と「ニードル・ミサイル」が内蔵されており、それはそれで有用な武器ではあるものの、敵の攻撃をこのシールドで受けたら爆発してひとたまりもないのではないか、と心配する声が挙がるのは当然でしょう。

『機動戦士ガンダム』劇中で、ギャンはアムロのガンダムと1対1の決闘を繰り広げ、そしてガンダムのビーム・サーベルでこの爆発物満載なシールドは切り裂かれてしまいます。しかしながら、誘爆したような描写はありません。機雷やミサイルをすでに射出し尽くしていた可能性はあるものの、ともあれ視聴者の心配は杞憂に終わりました。

 ただ冷静に考えてみれば、そもそもその程度で爆発するようなシールドを設計、装備するはずはなく、元々破壊されても大丈夫な構造になっていたのでしょう。ではどのように誘爆を防いでいたのか、そのあたりは「ジオン驚異のメカニズム」という言葉に帰するのでしょうか。劇中の描写から自由に推測や妄想ができるのも、フィクション作品の醍醐味です。

■宇宙世紀が進むと「タイヤ」が空をめっちゃ飛びます

「1/100 ドラゴンガンダム HG」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

●火炎放射器(「ドラゴンガンダム」「シェンロンガンダム」など)

 宇宙空間での有効性に疑問符がつきそうな、火炎による攻撃を行う機体も存在しました。

『新機動戦記ガンダムW』の「シェンロンガンダム」、あるいはそれを強化した「アルトロンガンダム」は、「ドラゴンハング」という伸縮自在のクローを装備し、そこに仕込まれた火炎放射器から炎を出します。パイロットである「五飛」らの目的がテロ活動で、基地の制圧などに使用していました。

 しかし『機動武闘伝Gガンダム』で同様の武装である「ドラゴン・クロー」を持つ「ドラゴンガンダム」や、火炎砲を装備する「スカルガンダム」の場合は別です。搭乗するガンダムファイターが臨むのは戦争ではなく「ガンダム」同士の試合であり、そのルールには(のちに改定されたとは言え)「相手のコクピットを攻撃してはならない。」「試合中の過失によるガンダムファイターの殺傷は認められる」とあります。

 ファイターの殺傷につながりそうな攻撃はルール違反となるおそれがあるため、炎による攻撃は避け、素直にビーム兵器を使ったほうがベターかもしれません。

●「アインラッド」

 最後は武器とは言えないかもしれませんが、見るからに「変」という逸品です。「アインラッド」は『機動戦士Vガンダム』のザンスカール帝国軍が開発したSFS(サブ・フライト・システム)で、内部にMSが乗り込んだ上で走行や飛行が可能な「空飛ぶタイヤ」といった風情のマシンです。

 ただし珍妙な見た目に反して、機動性に加え、両側面にビーム・シールドを発生させることで防御の死角をなくすなど有用性は抜群です。さらにアインラッドを連結させたような見た目の「ツインラッド」という改良型もあり、これは海上での走行も可能という優れものでした。決して「変=役に立たない」わけではないことがわかる、万能兵器といえるでしょう。

(はるのおと)

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