1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. アニメ・コミック

うそ…「ガンダム」の登場人物「階級」低すぎ? なぜあれほどの大任を負っているのか

マグミクス / 2024年6月23日 6時25分

うそ…「ガンダム」の登場人物「階級」低すぎ? なぜあれほどの大任を負っているのか

■パイロットの階級が高いのには相応の理由アリ

「機動戦士ガンダム」シリーズの物語の舞台となるのは、兵器であるモビルスーツ(MS)を運用する軍隊です。軍隊では組織的な運用を円滑に進めるために階級制度は不可欠であり、「ガンダム」シリーズにおいても、登場人物の多くは軍における階級を与えられています。

 しかし彼らの階級は、若手が多いこともあってか、担っている役割や責任に比して明らかに低い傾向にあるのが興味深い点であるといえるでしょう。たとえば、MSパイロットでありながら、軍曹や曹長といった下士官階級のキャラクターが数多く存在します。

 リアル世界における現代の軍隊では、パイロットは将校(少尉以上)であることが一般的です。戦闘機であればミサイル1発で数百名の陸上部隊に匹敵する火力を有することもあるのですから、それを操縦するパイロットにはその攻撃判断の責任を負うに相応しい階級が必要である、という考え方になります。

 たとえば2024年現在の自衛隊において、「現場」に所属している戦闘機のパイロットは、最も若い人でも三尉(少尉)であり、数的な主力を担うのが一尉(大尉)です。階級は、三佐(少佐)までは勤続年数で自動昇進し、約20機を統括する飛行隊長で二佐(中佐)となります。こうした図式は他国の軍隊もほぼ同様です。

 MSパイロットの階級の低さは、初代『機動戦士ガンダム』の設定において、旧日本陸海軍をモチーフとしていたことに理由がある、と考えられます。旧陸軍と旧海軍とでは人材育成システムが異なるものの、航空機を操縦するパイロットたちは下士官や兵隊の者が数的な中心であることや、将校が指揮官となるという点では同じでした。

『逆襲のシャア』においてアムロ(左)は大尉、ブライトはロンド・ベル隊司令で大佐。映画『閃光のハサウェイ』キャンペーン「ノア家のアルバム」より (C)創通・サンライズ

 シリーズを通して主要な人物であった「アムロ・レイ」の階級もまた、彼の功績や役割に見合っていないといえます。「一年戦争」や「グリプス戦役(『Z』)」以降、MSパイロットとして活躍しながらも、『逆襲のシャア』における階級は大尉にとどまっています。これは明らかに低い階級であり、彼の功績や責任を考えると不当な評価と言わざるを得ません。

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』時点におけるアムロは、複数の艦船やMS部隊からなる艦隊「ロンド・ベル」のMS隊隊長であり、その役職はアメリカ海軍風に言えば「空母航空団司令」に相当すると考えられます。アムロがもしアメリカ海軍に所属していたならば、大佐の階級が与えられていたことでしょう。「大佐」は、ロンド・ベル司令官である「ブライト・ノア」と同格になり、つまりブライトもまた不当に低い階級であるといえます。

 彼らふたりの階級設定は、冷遇されていたことを表すために意図的に低いものと考えられます。しかし、そうなるとロンド・ベルの部隊内では彼らの階級を上限とし、より低い階級のものを配属させなければならなかったことを意味します。この階級設定は、組織としての戦力を発揮する上で合理的とはいえないでしょう。

 アムロやブライトのような「天才」であれば問題ありませんが、そうではないほかの隊員は、適切なキャリアを踏まず、相応の教育も受けずに役職に就かなければならなかった可能性があります。ロンド・ベルの組織運用は、ほかの部隊に比べて苦労も多かったに違いありません。

 なお、「シャア・アズナブル」は『逆襲のシャア』において「大佐」と呼ばれていますが、彼は軍の最高司令官(総帥)です。類似の事例としては、かつてリビアを独裁者として統治したカダフィ大佐の例があります。

(関賢太郎)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください