「放送禁止用語を絶叫」「R15じゃ足りん」衝撃的なマンガを実写化した映画たち
マグミクス / 2024年6月27日 17時10分
■R指定にもなった実写映画
マンガを実写化した作品は原作をどれだけ忠実に再現しているかという点も、評価の大きなポイントになります。なかには過激なシーンを再現し、映像倫理機構(映倫)から「R指定」の区分にレイティングされた作品や、年齢制限はないものの、子供に見せるのは躊躇してしまう作品もありました。
●『愛しのアイリーン』R15+
『宮本から君へ』や 『ザ・ワールド・イズ・マイン』などの作品で知られる漫画家の新井英樹先生が描いた『愛しのアイリーン』は、連載終了から20年以上のときを経て、2018年に実写映画化されました。本作は「国際結婚」という題材を通して、閉鎖的な村社会の陰湿さや、ドロドロの人間ドラマの先にある純愛も描いています。
物語は、42歳の農家の息子「宍戸岩男」(演:安田顕)が、職場での失恋をきっかけに、貯金300万をはたき、「嫁探しツアー」へ参加するためフィリピンに行くところからはじまります。そこで彼は「アイリーン」(演:ナッツ・シトイ)という女性と出会い、彼女とともに帰国しました。
そして、日本とフィリピンという国籍も違うふたりの歪な夫婦生活がスタートするも、岩男を溺愛する母親「宍戸ツル」(演:木野花)からの猛反対にもあい、穏やかとはほど遠い新婚生活が始まります。しかし、ふたりの間には、徐々に本物の愛情が芽生えていくのでした。
「国際結婚」や「農村の高齢化問題」「家族愛」などさまざまなテーマが盛り込まれている本作は、「エロ、グロ描写」も満載です。岩男の自慰行為そのものが写っていたり、訛ってはいるものの、とある「放送禁止用語」を何度も叫んだり、アイリーンを連れ去ろうとする男「塩崎裕次郎」(演:伊勢谷友介)を岩男が猟銃で銃殺するシーンで大量の血しぶきが飛んだり、ツルの自傷行為をしっかり見せたりと、R指定も納得の内容となっています。
さらに、岩男が行為中に吐いて吐瀉物をそのままアイリーンにかけてしまったり、岩男とお見合いする予定だった真面目な女性「真嶋琴美」(演:桜まゆみ)が局部をさらしたりと、R15+指定でも足りないのではないかと思わされる描写もありました。
人を選ぶ作品ではあるものの、ネット上では「下品なシーンはあるけど、ただただ純粋な恋愛物語」「途中まで見てられなかったけど終盤は不覚にも泣いた」「恋愛だけでなく親子愛にも泣かされた。キャストが全員素晴らしい」と圧倒された人のレビューが多数あり、新井先生が描く生々しい人間ドラマの実写化として高い評価を受けています。
●『TOKYO TRIBE』R15+作品
井上三太先生原作のマンガ『TOKYO TRIBE』は、2014年にR15+指定作品として実写映画化されました。
本作は、さまざまなトライブ(族)が縄張りを競い合っている架空の街「トーキョー」を舞台に、「ブクロWU-RONZ」のヘッドに君臨する「メラ」(演:鈴木亮平)と「ムサシノSARU」に所属する「出口海」(演:YOUNG DAIS)のふたりを中心に巻き起こる、壮絶なバトルも見どころです。
また、「ラップミュージカル調」で描かれる本作は、でラブシーンまでもがラップのなかに盛り込まれています。例えば、メラがラップを披露しながら清野菜名さん演じる「スンミ」`を侮辱し、下着をナイフで切り裂くという生々しいシーンも描かれました。清野さんはここで初めてのフルヌードに挑戦しています。
ネット上では、「キレッキレのアクションが目を惹く」「血生臭く欲まみれの感じが世界観として最高だった」などと、過激な演出とキャスト陣の熱演が評価されていました。
■落とし前は「性転換」?
映画『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ-』DVD(バップ)
●『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』年齢制限なし
ジャスミン・ギュ先生のマンガ『Back Street Girls』(講談社)は、2019年に『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』のタイトルで実写映画化され、公開と同時期にTVドラマ版も放送されています。そこまで過激な描写はなく、年齢制限はありませんが、とある斬新な作品設定が当時話題になりました。
とある事件の落とし前をつけることになった「犬金組」の若いヤクザ3人組「山本健太郎/アイリ」(演:白洲迅/岡本夏美)、「立花リョウ/マリ」(演:花沢将人/松田るか)、「杉原和彦/チカ」(演:柾木玲弥/坂ノ上茜)は、組長の思いつきによってタイで性転換手術を受けさせられ、美少女に生まれ変わってしまいます。そして、3人はアイドルグループ「ゴクドルズ」を結成させられ、活動が始動するのでした。
本作では直接的な描写はないものの、中身は男のままのかわいい女の子たちが、「陰毛に白髪が生えた」などと言い、かなりインパクトの強い言動を繰り返します。また、ポスターの「壮絶にチ〇コが消える」という、映画『ダークナイト ライジング』のパロディと思われるパワーワードを見て、鑑賞するのを敬遠してしまった人もいるのではないでしょうか。
ただ、実際に作品を観た人のなかには「かなり原作の世界観がちゃんと守られていてアイドル姿もかわいいから最高だった」「新感覚の極道ドラマで非常に見応えがあった」など、高評価の声があがっています。
(LUIS FIELD)
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