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『Gガン』東方不敗マスター・アジア登場30年 何かがおかしい? …何もかもおかしい!

マグミクス / 2024年7月8日 7時35分

『Gガン』東方不敗マスター・アジア登場30年 何かがおかしい? …何もかもおかしい!

■ファンから圧倒的支持を得た「東方不敗マスター・アジア」

 本日7月8日は、1994年に『機動武闘伝Gガンダム』第12話「その名は東方不敗! マスター・アジア見参」が放送された日で、今年は30周年にあたります。このエピソードから『Gガンダム』はもちろん、「ガンダム」シリーズのなかでも屈指の人気キャラクター「東方不敗マスター・アジア」が登場しました。

 よく名前について、どこからどこまでを使えばいいかが問題となります。一般的には「東方不敗」は異名で、正式名称は「マスター・アジア」とされていました。つまり東方不敗は流派の名前でリングネームのようなもの、マスター・アジアが名前にあたると解釈されているからです。そのためか番組のEDテロップも「マスター・アジア」名義でした。もっとも文字数の関係で一部の出版関係では、「東方不敗」で表記することも少なくありません。

 マスター・アジアの登場から『Gガンダム』の物語は勢いを増し、急激に人気を集めるようになったといわれています。確かに筆者が感じた当時の空気感もそうでした。では、彼が何をなしたかといえば、それまであった「『ガンダム』シリーズはこうあるべき」という概念を、大きく打ち壊したキャラクターだったと思います。

 素手でMS(モビルスーツ)を破壊するさまはマスター・アジア、ひいては『Gガンダム』という作品がいかなるものかを象徴する要素としてよく語られてきました。しかしながら、この第12話でマスター・アジアが見せたトンデモは、ほかにも山ほどあります。

 エアカーと同じ速度で走るばかりか瞬間移動のような素早さを見せ、鉢巻を十数mまで伸ばしてMSの首を引きちぎり、素手でMSの弾丸を受け止めて銃口に戻し、MSごと瓦礫を持ち上げて横転させる……まさにやりたい放題です。

 これらが後にゲームなどでも再現されて、原典である『Gガンダム』未見の人から「この人は何者?」と興味を持たれることになりました。そうした点では作品の外にも、その名前をとどろかせたほどのことだったわけです。

 こうした行動から、初登場にしてマスター・アジアは、「ガンダム」シリーズといえばリアルな作風という常識ないし固定概念をたったひとりで打ち壊しました。よく「『Gガンダム』はガンダムの常識を打ち壊した作品」といわれており、そのほとんどがマスター・アジアの成し遂げた偉業といっても過言ではないかもしれません。

 物語も、マスター・アジアの登場で大きく動き出し、それまで基本的に1話完結だった『Gガンダム』初の連続ストーリー「新宿編」が始まりました。つまり、それまでレギュラーキャラクターたちの紹介がメインだったストーリーが、この第12話から本格的に動き始め、ようやく『Gガンダム』の物語は本番を迎えたというわけです。

 ちなみに、この第12話において共同名義で作画監督を務めたのが、後に『勇者王ガオガイガー』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』などのキャラクターデザインで名前を知られることになった木村貴宏さんでした。しかも木村さんにとってTVアニメでは初の作画監督だったそうです。あの木村さんが担当しただけに、第12話の作画レベルはファンにも納得の完成度でした。

■その最期が『Gガンダム』真の最終回といわれるワケ

マスター・アジア(上)とドモンの関係が熱い。「機動武闘伝Gガンダム 石破天驚 Blu-ray Box」ビジュアル(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

 マスター・アジアの登場による大きな影響は、これだけではありません。もっとも影響を受けたのは主人公「ドモン・カッシュ」というキャラクターでした。マスター・アジアとの戦いによってドモンは成長し、キャラクターとしての魅力を引き出されていったのです。

 第12話までのドモンを見ると、不愛想で挑発的な態度だけが目立つキャラクターでした。唯一、違って見えたのが第6話での家族とのやり取りの中だけで、ここに至るまでにドモンというキャラクターの魅力は今ひとつ引き出せていなかったといえるでしょう。

 それが大恩ある師匠のマスター・アジアと出会うことで、さまざまな顔を見せるようになりました。悲しみや迷いといった、それまでのドモンが見せなかった表情を、心を許せるマスター・アジアに見せることで、キャラクターに厚みがもたらせられたというわけです。

 そのマスター・アジアが敵としてドモンの前に立ちふさがることで、『Gガンダム』の物語はより大きく動き出します。さらにいえば、師匠であるマスター・アジアを超えることがドモンの成長の証であり、『Gガンダム』の大きな軸になったといえるでしょう。そういった点では、マスター・アジアは『Gガンダム』の影の主人公といえるかもしれません。

 もちろん理屈抜きに、マスター・アジアというキャラクターが魅力的に描かれていたことで、ファンから高い支持を得ていたということだと思います。その行動はもちろんのこと、数々の名言は今でも脳裏に焼き付いている人も多いことでしょう。さらに初期の、目的の見えないマスター・アジアの謎めいた行動から、徐々に真意が明かされていくという展開は、当時のファンにとって最大の関心事でした。

 その最期を描いた第45話「さらば師匠! マスター・アジア、暁に死す」で、絵コンテを共同で担当した今川泰宏監督が、最終回まで数話あるのに思わず「完」と書いてしまったという、ファンには有名なエピソードがあります。それだけマスター・アジアが『Gガンダム』という作品にとって大きな存在だったといえるかもしれません。

 その人気から、一定の層ではいまだに「師匠」といえばマスター・アジアのことと認識されます。そして熱烈なファンは、いまだにドモンとの掛け合いが口をついて出てくることでしょう。もちろん筆者もいまだに言えます。ではみなさんもご一緒に。

流派東方不敗は
王者の風よ
全新系列 天破侠乱
見よ! 東方は赤く燃えている!

(加々美利治)

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