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『ガンダム』MSの名前はどのように決めていた? 「ザクの由来」と「エルメスの問題」

マグミクス / 2024年6月30日 6時25分

『ガンダム』MSの名前はどのように決めていた? 「ザクの由来」と「エルメスの問題」

■「ザク」の名前の決め方は意外とあっさり?

『機動戦士ガンダム』のモビルスーツ(以下、MS)「ザクII」は、「ジオン公国軍」のみならず、「ガンダム」「アムロ」「シャア」などとともに、作品そのものの「顔」のひとつといえる存在でしょう。

 軍用兵器を連想させるカラーリングや、ひとつ目のモノアイといった革新的なデザインに加え、たった2文字という名前の覚えやすさも、人気を博したキッカケではないでしょうか。この「ザク」という名前は、どのような経緯で命名されたのでしょうか。

 富野由悠季監督は、2021年に刊行された「MS図鑑 ザク」(双葉社)のインタビューで、ザクのネーミングについて回答しています。それによると、名前の由来は「『ザクザク』という歩く音」といい、敵メカの名前に困っていたところで、もうザクでいいか、いけるじゃないか、というテンションだったそうです。

 こうしてザクの名前が決まってからは、MSを命名するにあたって「2文字で」「字数を多くしない」という基本路線ができたものの、結局は行き当たりばったりだったとか。その点、続編の『機動戦士Zガンダム』では、地域や時代を区切ってネーミングするようにしたといいます。

 確かに『Z』で登場するMSの名前は、ガラリと雰囲気が変わりました。「ガルバルディβ」「リック・ディアス」「メタス」「ネモ」「マラサイ」「ハンブラビ」「アッシマー」「バイアラン」「バウンド・ドック」「パラス・アテネ」「ガザ」「キュベレイ」等々、欧州系や中東系を思わせるネーミングのほか、「百式」という漢字表記のMSも見られます。

 一方で、2024年になり初めてガンプラ化されることで話題となった「ボリノーク・サマーン」の名前の由来が「森のくまさん」であることは、どうやら事実のようです。きっと、お忙しいタイミングだったのでしょう。

■「商標」で明暗? 「エルメス」と「サザビー」

商品名はワケあり。「1/550 MAN-08 ララァ・スン専用モビルアーマー」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 そうした、MSのネーミングを語るうえで、モビルアーマー「エルメス」の存在は外せません。

 エルメスは、「ガンダム」シリーズの最重要人物のひとり「ララァ・スン」が搭乗した機体で、ガンプラとしても発売されました。しかし「エルメス」という名前はご存知のとおり、フランスの高級ブランドの名前でもあります。そしてある時期からガンプラのエルメスは、「ララァスン専用モビルアーマー」という商品名に変更されました。大人であれば「まぁそうなるよね」と、誰しも納得したことでしょう。

 かと思えば、劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、シャア専用機に「サザビー」とネーミングしていました。こちらも当時、存在した日本のバッグブランド(2021年に事業終了)や、美術品のオークションで知られる会社名と丸かぶりのように見えます。

「エルメス」の件で懲りていないのかと思いきや、実は、いわゆるおもちゃ類に関する商標登録は、バッグブランド、オークション会社、いずれにもないようなのです。「エルメス」の場合、1968年に「おもちゃ,人形,娯楽用品」の分野ですでに登録されていたため、プラモデルの商品名は変更せざるを得なかったわけで、「サザビー」にはそれがありません。かくてシャア専用MS「サザビー」は「サザビー」のまま、ガンプラとして商品展開されているのです。

 なおこのサザビー、もともとは「ザ・ナック」という名前だったようで、その痕跡が絵コンテに見られます。それが商標の関係で変更になったといい、そうであるなら、結果的に大丈夫だったとはいえ、なぜ「サザビー」という余計にややこしくなりそうなネーミングにしたのかは疑問です。事実、過去にはバッグブランド(を展開していた会社)とオークション会社のあいだで、商標をめぐり争われたこともありました。

 富野監督はじめスタッフは、やはり、さほど懲りてはいなかったと見るべきなのでしょうか。

(LUIS FIELD)

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