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『メフィラス星人』はカリスマ紳士!? 「地球をあげます」と言うよう少年を脅すが…

マグミクス / 2020年2月26日 7時10分

『メフィラス星人』はカリスマ紳士!? 「地球をあげます」と言うよう少年を脅すが…

■暴力が嫌いな頭脳派宇宙人・メフィラス星人

 1967年2月26日は『ウルトラマン』第33話「禁じられた言葉」が放送された日です。この回に登場したメフィラス星人は10000以上のIQを誇る頭脳派で、多くの宇宙人を配下に抱えるボス的な存在でもありました。ウルトラマンとも互角に戦い、最後は引き分けて地球を去ったメフィラス星人について、ライターの早川清一朗さんが語ります。

* * *

 メフィラス星人は黒い体に青い目、尖った耳と、まるで悪魔のような姿をしています。おそらく名前自体が悪魔「メフィストフェレス」から取られているので、あえてそのようなデザインに寄せているのでしょう。

 ウルトラシリーズに登場した怪獣や宇宙人の中でも特に人気が高く、『ウルトラマンマックス』放送前に行われた人気投票では、ゴモラ、ダダに次いで第3位にランクインしています。

 なぜメフィラス星人の人気が高いのか。それはやはり、登場エピソードである「禁じられた言葉」での圧倒的なインパクトの強さが挙げられるでしょう。「その気になれば地球征服など簡単である」と豪語し、ケムール人、バルタン星人、ザラブ星人を配下としているなどカリスマ性も極めて高いものがあります。

 話し方も理知的で、一見紳士を思わせるような口調であることも、普段暴れまわっている宇宙人や怪獣とは一線を画す存在だと、子供にも分かるようになっているのです。

 さらにメフィラス星人は頭脳だけではなく、ウルトラマンと互角の強さを持っています。両腕を合わせて発射する光線はスペシウム光線と同等の威力を持ち、八つ裂き光輪やスラッシュ光線を相殺してウルトラマンを苦しめました。格闘戦でも決着がつかず、最後はスペシウム光線の構えをとるウルトラマンに対し、「必ずまたやってくる」と言い残し、地球を去っていきました。ちなみにこの回の視聴率は40.7%と、『ウルトラマン』の各エピソードのなかでも第37話「小さな英雄」の42.8%に次いで第2位となっています。

■暴力を使わず…地球人へ心の挑戦をするも?

メフィラス星人は戦うよりまず、言葉で地球人の心の挑戦を仕掛ける『ウルトラマン HDリマスター版』 (C)円谷プロ

 なぜ子供たちはメフィラス星人が登場する「禁じられた言葉」に夢中になったのか。それは実質的な主人公が、自分たちと同じくらいの年のサトル少年だったからだと筆者は考えています。

 サトル少年は科学特捜隊の紅一点であるフジ・アキコ隊員の弟で、メフィラス星人に地球人代表に選ばれます。メフィラス星人はサトル少年に、自発的に「地球をあげます」と言うよう、丁寧な口調で促すのですが、拒絶されたことで姉のフジ隊員を巨大化。フジ隊員を街で暴れさせ、サトル少年にプレッシャーをかけるのです。

 それでも決して禁じられた言葉を口にしなかったサトル少年に激高したメフィラス星人に対し、ハヤタ隊員に「子どもでも地球を売り渡すような人間はいない」と指摘され、戦いへと突入していきます。

 余談ですが、フジ隊員を演じた桜井浩子さんは『ウルトラQ』の第17話「1/8計画」では江戸川由利子役として登場し、1/8の大きさに小型化されています。桜井さんはウルトラシリーズで大きくなったり小さくなったりしていたことを後のインタビューで「女子が私しかいなかったので、みなさんが私で試していたんでしょうね」と語っています。「怪獣図鑑」や「ウルトラマン大百科」に巨大フジ隊員が怪獣として載っているのを気にされていたようで、他のシリーズのヒロイン役の方に「あなたも巨大化しなさいよ」と持ち掛けていたそうです。しかし実現はせず、怪獣として記録された唯一の女性の座は不動のままとなっています。

 結局サトル少年は「地球をあげます」と言わなかったわけですが、もし言っていたらどうなっていたのでしょうか。ただのIFでしかない話ですが、その後メフィラス星人がどう行動し、人類とウルトラマンはどう立ち向かったのかも知りたいところです。

 ところで、もしあなたの目の前にメフィラス星人が現れて、「『地球をあげます』と言いなさい」と脅迫してきたらどうしますか? 身内を怪獣にされてしまっていたらどうしますか?

 筆者は拒否する自信がありません。

(ライター 早川清一朗)

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