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『ドラクエ アベル伝説』女剣士デイジィはなぜティアラよりも人気? 5つの理由

マグミクス / 2024年6月29日 21時55分

『ドラクエ アベル伝説』女剣士デイジィはなぜティアラよりも人気? 5つの理由

■ティアラが悪いんじゃない、デイジィがただかわいすぎただけ

 マグミクスは、1989年放送のTVアニメ『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』(※放送時は『ドラゴンクエスト』とのみ表記、以下『アベル伝説』)に関する考察記事「『勇者アベル伝説』打ち切りエンドしか観ていないファン 第2部で描かれた結末とは」を配信しました。

『アベル伝説』は32話で一度放送が打ち切られ、約4か月後からローカル局で順次第2部が放送された変則的な作品です。インターネットが普及していなかった当時は、第2部の存在を見落としてしまいがちでした。

 記事に寄せられた読者のコメントでは、キャラクターの魅力に触れたものがあり「ティアラよりデイジィが好きだった」、「断然デイジィ派」、「はやぶさの剣を使いこなすデイジィはかっこよくてかわいかった」など、旅の仲間である女剣士「デイジィ」を推す声が多く見られました。

 物語のメインヒロインは「ティアラ」ですが、ヒロイン人気はデイジィに分があるようです。そして、筆者もその意見には大変同感です。デイジィはなぜ、こんなにも愛されているのでしょうか?

●これぞ『ドラクエ』! といいたくなるキャラクターデザイン

 主人公「アベル」とヒロインのティアラは『ドラクエ』としては珍しい民族衣装感の強いファッションで、仲間のひとりである「ヤナック」も頭に巻いたターバンにトレードマークのパイプ……と、西洋ファンタジーから少しズラしたデザインでした。

 一方、デイジィはゲーム『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の「女戦士」を彷彿(ほうふつ)とさせる直球の西洋ファンタジー風デザインで、強く目を引く存在でした。さらに、かぶとの意匠である2本のツノは初代『ドラクエ』の主人公を、防具のメインカラーである青も『ドラクエ3』までの主人公たちを連想させます。

 当時のスタッフがどこまで意図していたかは分かりませんが、デイジィは「『ドラクエ』を知っているほど好きになりやすいデザイン」であったと思います。

●今でいう「ギャップ萌え」をとことん追求した描写

 デイジィは「宝石目当ての一匹狼」として登場しますが、宝石にこだわるのはお金にがめついのではなく、「幼い頃に人買いに買われていった弟妹を見つけて買い戻す」という目的のためでした。

 また、気丈でありつつネズミとゲジゲジが苦手という一面も持っており、第8話では野生のモンスターであるおおねずみを見て黄色い悲鳴を上げたほか、第36話では数えきれないほどのネズミに囲まれてその場にへたりこみ、その場にいないアベルに弱々しく助けを求める姿が描かれました。そんな時でも「怖い」のではなく「嫌い」というところに、普段の気の強さがギリギリ残っているのがまた趣き深い(?)シーンです。

 アニメ放送当時はキャラに対して「萌え」という言葉を使う風潮がまだありませんでしたが、彼女は今の言葉でいうなら「ギャップ萌え」に満ちたキャラでした。

■視聴者が「一番長く一緒にいた」のはティアラではなくデイジィ!

デイジィ人気はヒロインのティアラより上!? 画像は『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』DVD.Vol.1(イーネット・フロンティア)

 アベルがそれまでの人生において「一番長く一緒にいた女の子」は、間違いなく幼なじみのティアラです。しかし、彼女は物語の序盤で「魔王バラモス」に拉致されてしまうので、視聴者が「一番長く見ている女の子」および「アベルと一番長く一緒にいる女の子」はティアラではなくデイジィであるといえます。

 一流の剣士で、気丈で、幼い頃に離別した弟妹のことを思わない日はなく、旅の仲間たちへの情に厚く、きれいな服を見て目を輝かせる女の子らしい一面があり、実はネズミが嫌いで、そしてアベルにほのかな思いを寄せている……。ひとりのキャラをこれだけ丁寧に描写されたら、「好きになるな」という方が難しいというものです。

●こんなにいい子がなぜ…応援したくなる「おいたわしさ」

 デイジィは仲間として旅を続けるうちにアベルへ思いを寄せるようになりますが、彼は(恋愛対象としては)ずっとティアラだけを思っているため、その恋がかなうことはありませんでした。

 また、デイジィの弟妹のうち妹の「ルナ」はずっと昔に亡くなってしまっており、「アドニス」と名乗っていた弟の「トビー」とは再会できたものの、彼は魔王軍との戦いでデイジィをかばって命を落としてしまいました。

 それでも決してうつむかない彼女の強さを前に「こんなにいい子がなぜ報われないのか」という思いを抱きつつ、彼女を応援する気持ちをよりいっそう強くした人も多いのではないでしょうか。

 物語のキャラがつらい目に遭う展開は、時として読者や視聴者にストレスをかけます。しかし、作り手が加減を間違えなければ、キャラを応援したくなるスパイスにもなります。彼女にずっと笑っていてほしい……。ファンのそんな思いも、デイジィ人気の一因ではないでしょうか。

●「声優・三田ゆう子さんが演じるキャラ」のギャップが刺さる!

 最後は『アベル伝説』から少し離れたトピックです。デイジィを演じた三田ゆう子さんは、本作より前にアニメ『うる星やつら』の「弁天」役や『めぞん一刻』の「六本木朱美」役でも知られていました。

 弁天は「江戸っ子」といえるくらい威勢のよい口調と性格をした女の子、朱美さんはスナックに勤めるあけすけとした大人の女性で、どちらも三田さんの演技がピシャリとハマっていました。三田さんが演じるキャラを知っていた人には、『アベル伝説』でデイジィが時おり見せる「年ごろの女の子」な振る舞いがより深く「刺さった」のではないでしょうか。

『アベル伝説』はdアニメストア、FODプレミアム、U-NEXTなどで全42話が配信中です。アニメを改めて見直していると、2024年11月14日の発売が発表されたHD-2D版『ドラクエ3』でデイジィという名前の女戦士を作りたくなりますね。

(蚩尤)

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