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『ガンダム』アムロの乗機が週替り! 第2クール序盤の展開はスポンサーへの忖度か?

マグミクス / 2024年7月3日 6時25分

『ガンダム』アムロの乗機が週替り! 第2クール序盤の展開はスポンサーへの忖度か?

■序盤を見ればわかるアムロが鬱になった原因とは?

『機動戦士ガンダム』の主人公「アムロ・レイ」、その「乗機」といえば主役メカである「RX-78-2 ガンダム」です。しかし、アムロは別のMS(モビルスーツ)にも搭乗することがありました。

 それがガンダムと同じく地球連邦軍が開発した「RX-77 ガンキャノン」と「RX-75 ガンタンク」です。この2機は母艦である「ホワイトベース」に、当初は1機ずつ搭載されていました。

 アムロがガンダムに乗ったのは偶然で、そのまま専任パイロットとして乗り続けています。それはガンダムに乗って一定の戦果を挙げていたこともありますが、ほかにパイロットがいないというホワイトベースの台所事情もありました。

 それゆえに物語序盤の、北米大陸での「ガルマ・ザビ」との戦いでは、常にアムロのガンダムに頼るという状況が続きます。これによりアムロの精神は疲弊していきました。一度、アムロの心が折れた時、ホワイトベースの責任者であった「ブライト・ノア」は鉄拳制裁による荒療治で無理やり立ち直らせています。

 もっとも、ブライトもアムロに無理をさせていたことには気づいており、第6話でも申し訳なさそうに出撃を求めています。それゆえ、これ以降の話からガンタンクに「ハヤト・コバヤシ」と「リュウ・ホセイ」、ガンキャノンに「カイ・シデン」を乗せて戦場に送り出しました。こうしてホワイトベースの基本的なパイロット配置は決まったわけです。

 この第6話で、アムロは初めてガンタンクに乗りました。それはアムロの負担を減らすというハヤトからの提案です。ひとりで操縦するガンダムで戦うよりも、複座のガンタンクの方が負担軽減になるというものでした。これからもわかる通り、初期のホワイトベースは完全にアムロを中心に戦力を組み立てていたわけです。

 ところが、戦闘中にアムロはハヤトと意見が合わず、かえって疲弊することになりました。結果的にガンダムが必要になり、ブライトから頼まれたことで、アムロは途中からリュウと交代しています。この際、アムロは「ひとりのほうが戦いやすい」とつぶやいていました。

 こうした紆余曲折があって、ホワイトベースのパイロットは基本的には固定となります。しかし、この後にアムロはもう一度、ハヤトとガンタンクに乗り、トラブルがあったとはいえガンキャノンにも搭乗しました。その理由を推測すると、ひとつの仮説が浮かび上がります。

■スポンサーへの忖度から始まった2クールからの展開

第17話では的確に乗りこなしていた。「MG 1/100 RX-75 ガンタンク」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 アムロがガンキャノンに搭乗したのは第16話のことで、兄の消息を知りたかった「セイラ・マス」がガンダムで無断出撃したからでした。そこで援護役も兼ねて、ガンタンクより機動力の高いガンキャノンで出撃します。

 アムロが乗ったことで、ガンキャノンは普段とは違う戦い方をしました。それが近距離での格闘戦です。本来なら中距離支援用のガンキャノンが、アムロの巧みな操縦技術で「MS-06 ザク」を鹵獲しました。これに関して、前話の第15話で「ククルス・ドアン」によるMS格闘術を直に見たから、という説を唱える人もいます。

 続く第17話では、ブライトからの命令に逆らい、拠点攻撃ならばガンダムより有利という理由から無断でガンタンクに乗りました。ここでふたたびハヤトとコンビを組みますが、以前とは違い心に余裕があったのかアムロは的確に乗りこなしています。

「偶然にも」アムロがガンダム以外のMSに乗るエピソードが2週続けてありました。ドラマ展開上、特に不自然な流れは見当たらないものの、ここにひとつの仮説が考えられます。それは「オモチャ会社への忖度」というもので、意図的にガンキャノンとガンタンクの活躍を、主人公であるアムロを乗せることで演出した可能性です。

 現在の「ガンダム」シリーズのメインアイテムはプラモデル、いわゆる「ガンプラ」です。しかし『機動戦士ガンダム』放送中のメインアイテムは合金製などのオモチャで、当時のスポンサーである玩具会社「クローバー」の商品でした。ちなみに、この当時はまだバンダイのガンプラは発売されていません。

 このクローバーの合金製オモチャのなかに、ガンキャノンとガンタンク、さらに「コア・ファイター」がありました。つまり、ガンキャノンとガンタンクも、そこそこクローズアップしなければいけないわけです。

 ところが物語序盤の展開は前述した通り、ガンキャノンとガンタンクの出番はレギュラーとしては少なかったといえるでしょう。そこでアリバイとして、主人公のアムロを乗せることで、スポンサーへの面目を立たせたというわけです。

 これらに関して、作品が2クール目に入ったことで、スポンサーからの意見を反映させる時期という点も見逃せません。「シャア・アズナブル」の左遷による第12話での降板も、スポンサーの意向だったという話もあります。しかし、ファンからの意見を取り入れたことでシャアは第26話より再登場しました。もっとも、これらは最初から富野喜幸(現、由悠季)監督の計算だったのかもしれません。

 またザクに変わる新型MS「MS-07 グフ」の登場も第12話からでした。当初は敵であるジオン側のMSはザクだけの予定だったそうです。この点もオモチャ会社としては従来のロボットアニメと違うので不満だったのでしょう。

 のちに「敵メカを毎週変える」というスポンサーの意見から、中盤以降はほぼ毎週、ジオン側に新型機が登場する展開になりました。この先駆けとなったのが、第18話に登場した「MAX-03 アッザム」かもしれません。ちなみにこの当時は「MA(モビルアーマー)」という単語は出ておらず、作中で名前が登場するのは第26話になります。

 これらを考えていくと、第16話、第17話、第18話はスポンサーに忖度したことになるかもしれません。そうだとしても、それを巧みにドラマに組み込んでいくのだから、富野監督の手腕は鮮やかというしかないでしょう。もっとも、これらはあくまでも仮説の域を出ないお話ということをお断りしておきます。

(加々美利治)

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