「BPOでも話題」「海外の翻案でより過激に」 グロさが衝撃のマンガ実写化ドラマ
マグミクス / 2024年7月3日 20時25分
![「BPOでも話題」「海外の翻案でより過激に」 グロさが衝撃のマンガ実写化ドラマ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_241339_0-small.jpg)
■心臓の弱い人は閲覧注意
マンガの実写化作品では、ファンから「原作をどれほど再現するか」という点に注目が集まります。一方で、原作を読んだ人が「これはさすがに再現したらまずいのでは?」と思ってしまう、暴力的でグロテスクな表現を、驚くほど忠実に再現した実写化作品もありました。
※この記事では『僕たちがやりました』『寄生獣 -ザ・グレイ-』『君が獣になる前に』『なれの果ての僕ら』のネタバレに触れています。
●『僕たちがやりました』
何事も「そこそこ」に生きることを信条とする高校生の主人公「トビオ(演:窪田正孝)」が、仕返しといたずらで人の命を奪ってしまう大事件に発展しまう青春逃亡劇『僕たちがやりました』(原作:金城宗幸、荒木光)を実写化した2017年のドラマは、21時台の放送ながら暴力シーンが原作に忠実に描かれていました。
第1話では不良校の矢波高校とのトラブルをきっかけにトビオたちが爆弾を仕掛けるも、死傷者が出る大事件に発展します。爆発がプロパンガスに誘爆し、火だるまになる生徒が生々しく描かれていた原作ほどではなかったものの、ドラマでも体に引火する様子や、荒れ果てた校庭で何人もの生徒が倒れて動かないといった描写がありました。
また、トビオの仲間である「マル(演:葉山奨之)」が流血するほど殴られて段ボールに入れられるシーンをはじめ、激しい喧嘩のシーンは「暴力を助長しているようで不愉快」「高校生が起きている時間帯に放送することは考え直してほしい」とBPO(放送倫理・番組向上機構)でも問題視されていました。一方で、SNS上の視聴者の間では「驚くほど原作に忠実」「このくらい攻めてる方が好き」と反響も呼んでいます。
ドラマの放送が進んだのち、BPOでは「その後の放送では、暴力的なシーンもあったが、演出上の工夫ができていたと思う」「視聴者意見の件数も収束している」という理由で、討論は打ち切られます。その後も暴力描写のほか、トビオとヒロインの「蓮子(演:永野芽郁)」が大胆に素肌を露出するベッドシーンなども話題になりました。コメディ色強めの場面も原作に忠実に再現され、「地上波で日和らずによくやってくれた」「ラストが原作より後味悪くてびっくりだけど心に残る」と、好評を受けています。
●『なれの果ての僕ら』
小学校の同窓会のために集まった主人公たちが、事件の首謀者「夢崎みきお(演:犬飼貴丈)」の「極限状況下で人の善性を試したい」という動機で、監禁事件に巻き込まれるサスペンスマンガ『なれの果ての僕ら』(著:内海八重)のドラマ版は、たびたび描かれるグロテスクな表現に戸惑いの声が続出していました。
監禁され「次に殺されるのは自分かもしれない」と思い込んだ被害者たちは、小学校時代の恨みから相手を見殺しにしたり、復讐を果たそうとしたりと、物語は凄惨を極めていきます。実写ドラマにおいてもそのような描写は変わらず、銃殺される、レンガで撲殺される、濃硫酸シャワーを浴びせられるなど、残酷シーンが相次ぎました。
ネット上では、「推しの地上波出演に喜んで観たけどキツ過ぎる」「疑心暗鬼なシーンも辛いけど、死亡描写もグロ過ぎてヤバい」と、深夜ドラマの限界に挑んだ内容に、衝撃を受けた声が多く出ています。
■海外の翻案だけど「過激描写も原作愛もすごい」
Netflixドラマ『寄生獣 ザ・グレイ』ティザービジュアル (C)岩明均/講談社
●『寄生獣 -ザ・グレイ-』
人間に寄生する謎の生物との戦いに身を投じる主人公「新一」と、彼の右腕に寄生した生物「ミギー」を描いた『寄生獣』(著:岩明均)は、日本で実写映画化、アニメ化されています。
そして2024年4月には、Netflixオリジナルの韓国ドラマとして、翻案された実写版が全世界に配信されました。設定を借りつつ韓国を舞台にしたオリジナルストーリーで、主人公が女性の「スイン(演:チョン・ソニ)」になっているほか、寄生生物が次々と人間の身体を移動するという改変もあり、配信前は「国が違うから原作とは結構変えてきたな」「かなり別物になっているから想像がつかない」と、戸惑う声も少なくありませんでした。
しかし、配信開始後は、「全く違うアプローチをすることで別個の傑作を作り出すのお見事としか言いようがない」「原作とちがうオリジナルなのに原作リスペクトが凄すぎて泣ける」と、絶賛が相次ぎます。寄生生物のビジュアルや人間を襲う描写や死体を保管している場面を含め、グロテスクなシーンも目を背けたくなるほどリアルで、Netflix限定で実写化した意義も伝わる作品でした。
『寄生獣 -ザ・グレイ-』は、冒頭でとある寄生生物が大勢の人の前で暴れたせいで、序盤から韓国政府が寄生生物対策組織「グレイ」を作っているという大きな違いがあり、テンポの良い寄生生物同士や、グレイチームvs寄生生物の迫力ある戦闘シーンのバトルも見どころとなっています。原作のファンで、スピード感のあるゾンビ映画として話題を呼んだ、『新感染 ファイナル・エクスプレス』を手掛けたヨン・サンホ監督の手腕が光る作品となりました。
また、ラストには「誰よりもパラサイトに詳しい」と豪語する自称ルポライター、「イズミ・シンイチ(演:菅田将暉)」が登場するという「原作ファンへの目くばせ」もあり、シーズン2に期待が高まっている人も多いようです。
(田中泉)
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