『鬼滅』産屋敷邸には昔から爆薬が埋められた? 大正に「産屋敷ボンバー」は可能なのだろうか
マグミクス / 2024年7月6日 8時5分
■天高く爆炎が立ち昇る
『鬼滅の刃 柱稽古編』のクライマックスで、お館様こと「産屋敷耀哉」が見せた自爆は壮絶なものでした。その強烈なインパクトから、ネット上では「産屋敷ボンバー」と名付けられたほどです。
そこで気になるのが広い屋敷を丸ごと吹き飛ばした、あの破壊力です。大正時代にあれほどの大爆発を引き起こすことは可能なのでしょうか。
屋敷を丸ごと吹き飛ばすほどの火力を生み出すには、硝石と木炭、硫黄を特定の比率で混合した「黒色火薬」ではまず不可能だと思われます。加えて黒色火薬には大量の煙がつきものです。爆発後に巨大な爆炎があがっていたものの、煙の量が少なかった点を考慮すると、産屋敷ボンバーには、当時すでに実用化されていた「TNT爆薬」が使われたと考えるのが妥当ではないでしょうか。
TNTの歴史は意外と古く、1863年にドイツのヨーゼフ・ヴィルブラント(Joseph Wilbrand)によって発明され、1891年には爆薬として実用化されています。1914年から始まった第一次世界大戦では実際に使用されていたのです。『鬼滅の刃』の舞台である大正時代がちょうどその頃なので、まさに当時最先端の爆薬だったと言えるでしょう。
ただし当時の大日本帝国では1920年頃までピクリン酸を使った「下瀬火薬」が主要な爆薬だったようです。TNTは、大正時代において手に入れづらい高性能爆薬だったと思われます。
●どうやって手に入れたの?
産屋敷がTNTの存在を知り大量に調達できたのは、「岩柱」である「悲鳴嶼行冥」が言っていたように、予知能力めいた「先見の明」のおかげだと考えられるでしょう。長年にわたって私設部隊である鬼殺隊を維持し続けることができるだけの財産を築いてきたということは、その経済力にふさわしいコネクションを持っているはずです。
また政府は認めていないものの、鬼の存在は政治家や貴族(華族や士族)の人びとの間では知られていたでしょう。産屋敷家が鬼狩りをしていることも公然の秘密だったと思われます。産屋敷家が政財界に顔がきく立場だったとしても不思議ではありません。だから当時は軍隊にすら十分行き渡っていないTNTを入手できたのでしょう。
ここでひとつ問題があります。それはお館様がTNT火薬を用意して床下に埋設するとなると、彼を慕う柱や隊士に知られてしまうという点です。自分と家族の命を囮にする策はまず間違いなく止められるでしょう。この懸念はお館様が自爆の策を悲鳴嶼にしか伝えられなかったことから明らかです。そのためお館様が自爆の準備を始めたのは、かなり早い時期からだと思われます。
TNTは安定性が高く、長期間の保管に適した爆薬として知られています。密閉された容器に入れて湿気や温度変化を防げば20年にわたって機能を保持します。第二次世界大戦中に製造されたTNTが、不発弾などの形で戦後何十年経過してなお使用可能だったこともあるくらいです。
●死に囲まれて
『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐 』(集英社)によれば、お館様の父は、使命のために隊士を犠牲にする業に耐えられなくなって、わずか19歳で自ら命を絶っています。お館様は4歳で跡を継いで当主となったのです。
凄まじい最後を遂げたお館様のカリスマ性と覚悟は、文字通り「死」に囲まれて生きてきたことによって育まれたのかもしれません。「産屋敷耀哉」は歴代の産屋敷家当主のなかでも特に傑出した人物だったことでしょう。
(レトロ@長谷部 耕平)
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