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京都アニメーションの理不尽な事件から5年 ファンができることとは?

マグミクス / 2024年7月18日 7時25分

京都アニメーションの理不尽な事件から5年 ファンができることとは?

■傷は癒えない、しかし進み続ける

 5年前となる2019年7月18日、燃え盛る建物を映した報道の映像を、信じられない想いで見つめていた方も多いでしょう。現実とは思えない光景でしたが、残念ながらあまりにも尊い36人の命が失われました。改めてご冥福をお祈り申し上げます。重軽傷を負った方も30人以上おり、ひとつの事件としては戦後最悪の犠牲及び被害が出ています。

 事件により、京都アニメーションは大きなダメージを受けました。運よく逃げ出せた方、別のスタジオにいて難を逃れた方も、尋常ではないショックを受けたことは間違いありません。

 京都アニメーションが作り出した作品もまた、損傷されてしまいました。画像は火元から離れていたサーバールームに格納されていたため無事に回収できましたが、アニメーターの方々が手塩にかけた原画類はほぼ焼失しています。たまたま展示会に貸し出されていた70点は無事でしたが、不幸中の幸いなどと喜べるものではありません。

 映像については、事件の前日に完成していた『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-』は予定通り公開されましたが、『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は公開延期となり、『劇場版 Free!-the Final Stroke-』は制作時期の白紙化が発表されました。

 しかしその後、『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は2020年9月に、制作が再開された『劇場版 Free!-the Final Stroke-』も前編が2021年に無事劇場公開されました。京都アニメーションは、歩みを止めてはいなかったのです。

■TVアニメは2021年に制作再開

2021年7月に放送開始された『小林さんちのメイドラゴンS』キービジュアル (C)クール教信者・双葉社/ドラゴン生活向上委員会

 TVアニメに関しては、2021年に『小林さんちのメイドラゴンS』で制作再開となりました。もちろん、具体的な作業はもっと前から進行していたと思われます。また、2017年に放送された第1期『小林さんちのメイドラゴン』で監督を務め、事件で亡くなった武本康弘監督は引き続きシリーズ監督としてクレジットされました。

 武本監督は、1話と2話では絵コンテ(映像イメージの設計図)でも参加していましたが、もし何事もなければもっと多くのコンテを描いていたでしょう。武本監督初のオリジナルアニメーション作品として予定されていた『FIRE FIGHTERS!(仮題)』の制作も当然のことながら中止となっています。果たしてどんな作品だったのか、今となってはうかがい知ることもできません。47歳、まだまだこれからの方でした。

『小林さんちのメイドラゴンS』の後は2023年に『ツルネ -つながりの一射-』、2024年には『響け!ユーフォニアム3』と、年に1本ペースでの制作が行われています。劇場版も2022年には『劇場版 Free!-the Final Stroke- 後編』及び『劇場版ツルネ -はじまりの一射-』、2023年には『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』が公開されており、制作体制は取り戻されつつあるようです。経営陣からも現場からも、尋常ならざる覚悟と想いを感じます。

 さて、武本監督についてはシリーズ監督として名前が残った件と、中止となったオリジナル企画に触れないわけにはいかないため名前を出しましたが、ほかの方については、本記事では書かないことにしました。

 京都アニメーションの優れたクリエイターの名は、作品とともに残るものだと考えたからです。事件の被害者としてではなく、クリエイターとしてのみ語り、書きたい。そう思えるからです。ファンとしてできること、それは京都アニメーションの作品を観続けることです。作品には、犠牲になった方々が遺したものが受け継がれ、存在し続けているのですから。

(早川清一朗)

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