『マクロス7』バサラ、ミレーヌ、ガムリンの三角関係はどうなった? くっついたのは誰と誰なのか
マグミクス / 2024年7月23日 7時25分
■三角関係はマクロスに欠かせない
1982年に初めて登場し、TVの前の少年たちに強烈なインパクトを刻み込んだ『超時空要塞マクロス』は、可変戦闘機「バルキリー」シリーズが登場する以外にも、いくつか作品としての共通した特徴があります。それが、主人公の男性と、「歌姫」と呼ばれる女性キャラや、軍属のキャラを巡る「三角関係」です。
初代『マクロス』では主人公であるパイロット「一条輝(いちじょう ひかる)」がアイドルの「リン・ミンメイ」と上官の「早瀬未沙」の間で揺れ動き、最終的には美沙を選びました。しかしこの3人はその後、第1次超長距離移民船団の旗艦である「メガロード1」に全員で乗り組んでいるのも面白いところです。艦長は美沙が務め、護衛部隊は輝が指揮するのは分かりますが、ミンメイが乗る必要性が何かあったのでしょうか? 死地に次ぐ死地を潜り抜けながらパートナーを奪い合った3人の間には、何か友情のようなものが生まれていたのかもしれません。
初代に対して、結局「最後」が分からなかったのが、1994年から放送されたTVアニメ『マクロス7』です。同じロックバンド「Fire Bomber」に所属する「熱気バサラ」と「ミレーヌ・フレア・ジーナス」は、細かいことでいがみあう光景もしばしば見られました。しかし、ひんぱんにメンバー交代が行われていたFire Bomberがミレーヌの加入で安定した以上、バサラはミレーヌのことをミュージシャンとしては認めていたはずです。
バサラ自身、多くの恋愛ソングを手掛けているため、全く恋愛を知らないわけではないでしょう。しかし自身の恋愛よりも、「愛の歌を人に聴かせる」ために全力を尽くしていたバサラにとって、ミレーヌは気になる女性というよりも、ともに戦場を駆けてくれる戦友としての存在が大きかったのかもしれません。
■はっきりとした決着はつかなかった『マクロス7』
『劇場版 マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!』では、ミレーヌの姉であるエミリアがバサラに好意を寄せるような描写もされた 画像はBlu-ray(バンダイビジュアル)
ただしここで問題になってくるが、「ダイヤモンド・フォース」の隊長を務めるパイロット「ガムリン・木崎」の存在です。ミレーヌの母親である「ミリア・ファリーナ・ジーナス」に将来を見込まれたガムリンはミレーヌとお見合いをし、お互いに好意を抱くようになっていきます。
なお、当時のイラストには、バサラがミレーヌと祝福されているシーンと、ガムリンとミレーヌが祝福されているという、似たような構図のものが存在しています。このときバサラとミレーヌを見送るガムリンは泣いており、ガムリンとミレーヌを見送るバサラはギターを手にして何か曲を奏でているように見えます。ガムリンの気持ちは分かりやすいのですが、バサラはすべてを歌に託すので、何を歌っているのか分からないと、何ともいえないのが残念です。しかし少なくとも、バサラなら必ず、戦友と戦友の新たな旅路を祝福する曲を奏でているでしょう。そういう男です。
なお、肝心のミレーヌの気持ちですが、かなりバサラに傾いていたようです。2016年に開催されたイベント「『マクロスΔ(デルタ)』放送直前!『マクロス』ゼントラ盛りトークショー Powered by dアニメストア」に登壇したミレーヌ役の声優である櫻井智さんは、「当時ミレーヌはバサラとガムリンのどちらが好きなのか、どっちなんだろう?」と思いながら演じていたことを告白しています。「最終的にはバサラが好きだったんですよね?」と尋ねられた河森正治監督は「ミレーヌの気持ちは強かった気がしますが、バサラがああいう人ですから、なかなか届かないかもしれません」と回答しており、ミレーヌはかなりバサラのことが好きだったと説明してくれました。
しかしバサラは歌に全てを捧げた人間のため、たとえ好きでも自分からミレーヌに告白することはなかったのでしょう。つまり、すべてはミレーヌがバサラに全力で想いを伝え、捕まえるか。それとも自分を好きだと言ってくれるガムリンとくっつくか、ミレーヌに選択権が完全にゆだねられていたというわけです。
果たしてミレーヌはどのような選択をしたのか、いつかその結末が明かされる日が来ることと、楽しみにしようではありませんか。もしかしたらあれからずっと、三角関係は続いているのかもしれません。
(早川清一朗)
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