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「観たかった路線」 原作と異なる「終わらせ方」も好評だった実写化作品

マグミクス / 2024年7月19日 20時25分

「観たかった路線」 原作と異なる「終わらせ方」も好評だった実写化作品

■改変が良い方向に行くことも実は結構ある!

 マンガ、アニメの実写化作品は、キャスティングや上映時間の都合などにより原作から「改変」されることを避けられないケースもあります。大幅な改変が起こると、作品名やキャラクター名がSNSでトレンド入りすることもあり、賛否両論が巻き起こってきました。

 一方で、さまざまな実写版作品のなかでは、「新しい解釈と思えばアリ」「言われてみれば原作の終わり方もモヤっとしてたから良い」と、プラスにとらえられる「改変展開」の終わり方を迎えた作品もあるようです。

※この記事では『ダンボ』『DEATH NOTE』『恋は光』『僕たちがやりました』のネタバレに触れています。

●『ダンボ』

 近年、さまざまなディズニーアニメが最新の技術を使って実写化されています。2019年に公開された『ダンボ』も、1941年に公開された有名なアニメーション映画を原作とした作品です。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『チャーリーとチョコレート工場』など、ファンタジーで少しダークな世界観を描くことに定評のある、ティム・バートン監督が手がけたことも話題を呼びました。

 アニメ映画は大きな耳を持って生まれた子象「ダンボ」がサーカス団の笑われ者になりながらも、耳を翼代わりにして飛ぶことでサーカスのスターとなるストーリーですが、実写映画では彼が飛ぶまでは序盤で描かれ、そのほかキャラクター設定や結末に大きな変更が加えられています。

 たとえばダンボを励まし、スターにするために奔走する親友のネズミ「ティモシー」は実写版には登場せず、ダンボを支えるキャラクターは象の飼育係である「ホルト(演:コリン・ファレル)」とその子供の「ミリー(演:ニコ・パーカー)」と「ジョー(演:フィンリー・ホビンス)」が相当します。

 空を飛ぶ象として一躍人気者になったダンボでしたが、ダンボを使って金儲けを企てる「ヴァンデヴァー(演:マイケル・キートン)」によって母の「ジャンボ」と引き離されました。しかし、ホルトたち仲間の協力もあって無事に脱出、そして、ダンボたちは故郷のインドのジャングルへと帰っていきます。サーカスのスターとなり新たな街へと旅立っていくアニメ映画とは、大きく異なる展開です。

 ダンボの成長を描いたアニメ映画とは異なり、人間ドラマを通してダンボとの交流を描いた実写映画を別物だという声もありますが、「人間サイドも描くことで深みが増してる」「アニメではトラウマのピンクの象のシーンも別の形で入れてあって、監督のダンボ愛を感じる」「人間に都合のいい展開じゃないこの終わり方はありだと思う」と、実写映画も高評価を集めています。

●『DEATH NOTE』

 2003年から2006年にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載されたマンガ『DEATH NOTE』(原作:大場つぐみ/作画:小畑健)は、アニメや実写映画、ドラマと多方面でメディアミックス展開が行われており、いずれも少しずつ結末が異なります。

 同作は名前を書いた人間を殺すことができる「デスノート」を使って犯罪者を抹殺し、「キラ」として理想の世界を作り上げようとする「夜神月」と名探偵「L」による頭脳戦を描いた物語です。

 2006年6月に前編『デスノート』、同年11月に後編『デスノート the Last name』が公開された実写映画では、月を藤原竜也さん、Lを松山ケンイチさんが演じ、キャラクターのビジュアルや作り込みの高さも大きな話題を呼んでいました。

 原作序盤では高校生だった月が大学生になっているほか、オリジナルキャラとして月の恋人である「秋野詩織(演:香椎由宇)」が登場するなど一部設定が変更されていたものの、実写映画前編はおおむね原作をなぞる形で制作がされています。

 しかしLが死神「レム」によって名前をデスノートに書かれて死亡する原作とは異なり、実写映画ではLがレムよりも先に23日後(デスノートで日時を指定して殺せる上限の期間)に自分が死ぬことを書き、自らの命と引き換えに月がキラであると証明します。原作では月との勝負に敗れ、死んでしまうLが実写映画では月を追い詰めるという展開に、「原作より好きかもしれない」「あの長い原作を2部作で実写化するのに、この展開を持ってくるのは痺れる」と、高い評価をする人も多いようです。

■結ばれる相手が全く違うけど絶賛の声!

映画『恋は光』ポスタービジュアル (C)秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会

●『恋は光』

 2013年から2017年に「ウルトラジャンプ」で連載されていたマンガ『恋は光』(作:秋★枝)は、2022年に実写映画が公開されています。

 本作は「恋をしている女性がキラキラと輝いて見える」という体質を持つ主人公「西条(演:神尾楓珠)」が、大学で出会った浮世離れした女子大生「東雲(演:平祐奈)」、幼なじみである「北代(演:西野七瀬)」、西条に興味を持って近づいてくる「宿木(演:馬場ふみか)」と、奇妙な四角関係になりながらも「恋愛の本質」を探していくストーリーです。

「恋というものを知りたい」と願い、文学や古典作品から学ぼうとする東雲にひと目惚れした西条は、「交換日記」を通して東雲と交流を始めます。次第に距離を縮めていくふたりを見て動揺する北代は、実は西条に想いを寄せているものの。「光っていない」と言われたことから自分の気持ちを伝えられません。

 原作では、西条が「北代と付き合ったらうまくいくかもしれないが、不安になったり迷ったりする感情も含めての恋愛」という結論から東雲と結ばれるのに対し、実写映画では「東雲への感情は恋だけど憧れ」であることに気付き、北代に抱いている感情こそが恋だと実感した西条は北代と結ばれます。

 マンガと実写映画では結ばれる相手が全く違いますが、原作を読んでいる人からは「北代に幸せになってほしかったから映画は大満足」「北代派が報われる実写化だったから原作既読勢は絶対観た方がいい」という意見もあり、良い形での改変といえるでしょう。

●『僕たちがやりました』

 2015年から2017年に渡って「週刊ヤングマガジン」で連載されていたマンガ『僕たちがやりました』(原作:金城宗幸/作画:荒木光)を実写化した、2017年放送の実写ドラマは「原作とは異なる展開を迎える」ことが事前に発表されていました。

 平凡な高校生の「トビオ(演:窪田正孝)」が、友人や先輩とイタズラで仕掛けた不良への復讐計画が思わぬ爆破事件に発展、突如として「容疑者」となってしまうサスペンスドラマは、プロデューサーにより15通りもの展開が用意されていたことがインタビューで明かされています。

 実写ドラマのクライマックスでは、爆破事件の真犯人だと主張するトビオたちの声が仲間のひとり、「パイセン(演:今野浩喜)」の父親である「輪島宗十郎(演:古田新太)」によって揉み消されることとなりました。そして、ドラマオリジナルの展開として何度も自首を試みるも、意図せず罪を償う機会を失い続けたトビオは、屋上で事件の犯人が自分であると叫びます。余っていた爆弾を爆発させ、「軽いイタズラのつもりだった」「大事な人を騙し、隠しているのが苦しくなった」と告白したトビオは望み通り、自首という道を選びました。

 原作では最後まで自首できず、10年後は罪の意識を抱えながら「そこそこを生きて耐えられなくなったら死ねばいいだけ」と考えるようになったトビオが、事件現場で本当は笑っていたことを思い出したところで幕を閉じます。

 一方で、実写ドラマでは自首、出所した後も事件を理由に職を転々とせざるを得ないトビオが、事件をきっかけに命を落とした「市橋(演:新田真剣佑)」の幻影にナイフを渡されて自殺しようとするも、我に返り「生きなきゃ」と歩き出すという終わり方でした。

 原作でトビオは自首を果たせないまま、「そこそこの幸せ」を手に入れるも苦悩する姿が描かれていましたが、実写ドラマでは罪を受け入れながら生きるしかない、ある意味残酷な結末だったために困惑する声も多く出ています。

 しかし、SNSでは「原作のラストは個人的にモヤモヤしてたから、こういう形でトビオが罪を償う結果になったのは良かったかもしれない」「あれだけのことをやってハッピーエンドは無理なんだから、苦しくても生きようとするトビオはかっこいい」「原作とラストが違うと聞いて不安だったけど、これはいい改変」と、さまざまな意見が出ていました。

(田中泉)

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