未参戦より「ワケあり」? 「スパロボ」シリーズに「一度だけ」参戦したロボの顔ぶれ
マグミクス / 2024年7月22日 21時25分
■意外にも一度しか出てこない「ガンダム」も
バンダイナムコエンターテインメントが展開する「スパロボ」こと「スーパーロボット大戦」シリーズは、さまざまな作品のロボットたちが一堂に会したゲームです。しかし、その中には一度しか登場しなかったレアな作品もありました。
「一度も」スパロボに登場しなかった作品は、よく話題になります。ところが、「一度しか」登場しなかった作品は、あまり話題にはなりません。やはり一度でも登場することで、ファンの溜飲も下がるのでしょうか。そのようなレアな作品群を振り返ってみましょう。
「スパロボ」では「ガンダム」「マジンガー」「ゲッター」が御三家と呼ばれ、ほとんどのゲームに参戦しています。ところがシリーズではなく作品ごとに見ていくと、意外なことに一度しか参戦したことのない作品がいくつかありました。
「ガンダム」シリーズでは、『第4次スーパーロボット大戦』とその移植作にのみ登場した『ガンダム・センチネル』の主役機「MSA-0011 (MSZ-011) S(スペリオル)ガンダム」が、一度しか登場しなかったことで有名でしょうか。強化形態の「MSA-0011[Ext] Ex-S(イクスェス)ガンダム」と同じく、隠し要素で入手可能なユニットでした。
実は『センチネル』には詳細になっていない版権問題があり、それが原因で参戦ができないといわれています。これが原因で他ジャンルの商品化にも影響があり、商品化の機会が少ない要因とされていました。
実際、データ上は作成されたといわれているのが、『第4次』の移植(リメイク)作『スーパーロボット大戦F/F完結編』と、『第2次スーパーロボット大戦α』です。特に『第2次α』では、『機動戦士Zガンダム』名義になっているものの、センチネル版デザインの「RMS-154 バーザム」と「衛星ミサイル」が登場していました。
また『機動戦士ガンダムF90』に登場した「ガンダムF90V」が『スーパーロボット大戦α』に一度だけ登場しています。「XM-07 ビギナ・ギナ」との選択式の隠しユニットで、移植作である『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』では、「ガンダムF91」との合体攻撃が追加されていました。
ほかにも『機動戦士ガンダムAGE』や『ガンダム Gのレコンギスタ』、SDガンダム作品などが「スパロボ」では一度しか参戦していません。
御三家の一角である「ゲッター」にも、『スーパーロボット大戦NEO』にしか参戦したことのない『新ゲッターロボ』があります。もう一角の「マジンガー」は、アニメ化された作品はすべて「スパロボ」に参戦していました。
■かつてマイナー作品だけを集めた「スパロボ」もあった
『W』にスポット参戦。「超合金魂 GX-71SP 百獣王ゴライオン/VOLTRON CHOGOKIN 50th Ver.」(BANDAI SPIRITS) Voltron TM & (C) WEP, LLC. All rights reserved.
一度しか「スパロボ」に参戦したことのない作品には、前述した『センチネル』のような問題がファンの間で話題となった作品もありました。
それが『スーパーロボット大戦W』に登場した『百獣王ゴライオン』です。「スパロボ」の名物プロデューサーである寺田貴信さんが、「版権上の問題で滅多に参戦できないが、『W』の開発前に可能となったので参戦させた」という発言をしていました。
その言葉通り、これ以降は『W』などのデータを流用したアドベンチャーカードバトルゲーム『スパロボ学園』に登場したのみです。日本国外で放送された際に再編集されたTVアニメ『ボルトロン』が、海外を巻き込んで版権事情を複雑にしていると一般的には思われていました。
こういった「大人の事情」ではなく、単純に作品世界観が独特過ぎて他の作品とクロスオーバーさせづらいという作品も少なくありません。
たとえば『スーパーロボット大戦D』に参戦した『メガゾーン23』がそれです。「1980年代の東京とそっくりに作られた巨大宇宙船の中」という世界観の作品で、ほかのロボットアニメ作品とつじつまを合わせるのが難しい作品でした。
さらに主人公メカである「ガーランド」はバイクが変形するロボットで、「スパロボ」でも最小レベルの4mもないユニットです。その最強技「トラッシュ」は、仲間の暴走族が銃火器を持って援護するというもので、巨大ロボにはない独特の魅力があるユニットでした。
ユニットが特殊といえば、『スーパーロボット大戦BX』に参戦した『巨神ゴーグ』の敵ユニットが、ファンの間ではたびたび話題に上ります。「GAIL戦闘ヘリ」と「GAIL戦車」で、両方ともいわゆる通常兵器の部類に入りますが、並み居るロボットたちと互角に戦う驚異の性能のメカでした。
最後に、マイナー作品が多数登場することでファンにも有名な『スーパーロボット大戦COMPACT3』が挙げられるでしょうか。対応機種が「ワンダースワンカラー」ということもあって、幻の作品として評価するファンも多いそうです。
ここに参戦して、現在まで2度目の参戦がない『合身戦隊メカンダーロボ』と『魔境伝説アクロバンチ』、本作と『スーパーロボット大戦X-Ω』に参加したのみの『天空のエスカフローネ』、コラボ作品『覇界王 ガオガイガー対ベターマン』名義が多い『ベターマン』の4作品が、「COMPACT3」で初登場作品でした。そういう意味でも購入者は好事家と発売当初からいわれたタイトルです。
このほかにも『スーパーロボット大戦GC』(『スーパーロボット大戦XO』)に参戦した『最強ロボ ダイオージャ』、『スーパーロボット大戦L』に参戦した『戦え!! イクサー1』(続編の『冒険!イクサー3』含む)など、1度しか「スパロボ」参戦経験のない作品は意外とあります。
これからも年々、ロボット作品が増えるでしょうから、こういった作品群にふたたびスポットが当たる日は来るのでしょうか。おそらく何かのきっかけがなければ難しいかもしれません。
(加々美利治)
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